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番外編【koko… 直呼(tyoko)】 |
番外編 【 koko の Valentine's Day♪ 直呼(tyoko) 】 は
【 koko の Valentine's Day♪】
《続 》【 koko の Valentine's Day♪ 白いページ 】 の 続編です。
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No |
2 |
HIT数 |
4456 |
日付 |
2009/12/25 |
ハンドルネーム |
maako4 |
タイトル |
2話 番外編【 koko の Valentine's Day♪ 直呼 (tyoko) 】 |
本文 |
番外編 【 koko の Valentine's Day♪ 直呼
(tyoko) 2話
】
お互いに顔を見合わせては、 苦笑に代わり照れたりもした。
なんだか恥ずかしいような口から出る言葉や行動が
ぎこちなく空回りしだした。
直
が 日本の家族に報告をと受話器を手にし深呼吸を …
呼子 が その手に軽く触れ
「
直さん! 」
直 は 受話器を元に戻し
「 どうしたの?」
「
ねえ~ 報告はいいわ。 しないでおこう~ 」
「 どうして
…? きっと驚くだろうな~ 喜んでくださるよ。」
呼子 は うなずきながら
「
きっと驚くだろうし喜ぶと思うわ~
だけどね。 加賀美の父も園田のお母様もお身体の
お加減がいいとはいえないわ~
でもね。 手に取るようにわかるの。
きっと、 光子ちゃん
や 加賀美の母のこと。
絶対にすぐに皆を招集して ご一行様大移動で
アメリカへ飛んでくるわ~ 」
直
は、 軽くうなずきながら
「 そうだよね。 きっとそうだ! 」
「 でしょ~ 驚かしついでに帰国するまで
…
隠すということではないのよ。
でもね。 せっかく来ても今の私はまだ自分の身体に自信がないし、
相手できないと思うのよ。
それと、 これ以上 ちょく
さんの手を煩わせると帰国遅れるわ。 」
呼子 は
体調がすぐれないがまだその原因が妊娠という
現実と結びつけてうけとめられていない。
勿論、 みなに会い、喜ぶ顔を見れば実感し、
元気をもらうことはできるかもしれない。
しかし、 この懐妊で、自分たちの出生と重なりあい
呼子
も 直も 考えさせられる部分を
静かに受け止め気持ちの整理をしていかなければと
呼子 は 思っていた。
直
は 呼子の話も一里はあるとは思いながら、
ひとりで 呼子 を 出産するその日まで支えていくことが
できるか不安で
押しつぶされそうだった。
「
…… そうだね。 」
と、 口から出たあとすぐに
「
でもね。 これからいろいろ相談することできるよ。
光子さんは3人も出産の経験もあることだし … 」
直
は たどたどしく話、 心の中は
呼子に見過ごされている
のではと思うと、ますます ち泥 も泥 に なりながら話を続けた。
直
は、 この感激を感動を大声で誰かに告げたかった。
不透明の不安からも抜け出したかった。
「
ねえ~ 心配ないからこないようにと言えば … 」
そこまで言いかけたが、 すぐに 呼子 が、
「
そんなこと聞くような人たちではないわ~ 」
どこまで行ってもこの平行線の会話は …
直
は、 大きくため息をつき自分が引くしかないと悟り、
「 …… うん
! そうだね。 そうしよう。」
時間(とき)は 流れた。
つわりもまわりの人からの情報から比べると軽度かな? と
…
安定期に入り 呼子 の 体型の方も少しずつの変化見逃すことなく
直
は 幸せを感じながら日々を過ごしていた。
胎児の性別もわかり、 そのことを 呼子 が 直
に 報告した夜。
「 呼子。 名前 … 名前なんだけど … 」
「
えっ! 名前? 」
「 そう … 名前 … 」
「 ほら … 」 と 呼子
の 腹部に手をあてた。
「 職場で話していた。
性別がわかったら胎児に話しかける時 名前で 話かけるといいと
… 」
直 は、 少し照れながら窓辺に移動した。
そして、 振り返り
…
「 僕は、 加賀美のお母さんの 直穂子 から一字もらっ
直 すなお 。
光子
さんは、 園田の父の 光太郎
の 一字 を とり光子 こおこ 。
どうする。 どちらの名前からとる。 」
呼子は、 少し読んでおきたいと思っていた本から目をそらし、
落ちつかない
窓辺の 直 の そばに微笑みながら …
「 そうねえ~ 顔に書いてあるらよ。 絶対に自分の名前からだと
… 」
からかい半分で 直 に ふったが、 真面目な顔で …
「 そんなことないよ。 僕は、 呼子
からでいいよ。 」
「 じゃ~ そうする? 」
呼子
は、 少し意地悪にそう答えた。
まさかそんな答えが
呼子
の 口から返って来るなど思いもしなかったので、
大きなため息をひとつつき、
すっかり元気がなく、 ソファーに腰をおろした。
呼子が微笑みながら
…
「 名前のように すなおになりなさい。
僕の名前から一字を … ってね。
私は、 いいわよ。」
「 そ~ そうする。 僕の名前から
… 」
ころっと態度を変えうれしそうに、 また部屋の中を うろうろしだした。
急に立ち止まり! また様子がおかしい。
呼子
は まったく落ちつかなく
「 今度は、 どうされましたか? 」
「
呼子。 僕の名前はひと文字だ。 するとだね。 ということは …
” 直
” と つく名前だね。
また、 部屋をうろうろしだした。
呼子
は、 見かねて
「 ワインでもどう~
」
返事はかえってこない。
呼子 は、 席を立ちキッチンへ
…
ワインを用意しながら、 クスッと
…
おなかに手をやり幸せをかみしめた。
リビングでは まだうろうろ
… と
「 直 さん。 どうぞ~ 」
2- 3
回 声をかけ、 やっと我に帰りグラスを手に また うろうろした。
「 ちょ~く さん! 」
呼子
は、 自分が座っているソファーをぽんぽんと数回たたき
直 に ソファーに座ることを促した。
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