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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 79 HIT数 8061
日付 2010/06/10 ハンドルネーム aoi32
タイトル 男女5人恋物語 -5- (終) ドンヒョクの純情 後編
本文

男女5人恋物語 -5-(終)ドンヒョクの純情 後編

 


―― 二週間後 ――

 


「ソ支配人、シン理事からルームサービスですよ」

ヒョンチョルが 笑いながら ジニョンに一通のカードをわたした。





ジニョンへ

今夜12時に スターライトで待っている

少しぐらいなら遅れても 許してあげるよ

            ドンヒョクより






…スターライト?


ドンヒョクさんったら! また何かわたしを驚かそうとしてるのね?

 


ジニョンはカードを見て くすくす笑った。

 

 

 


゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚ 。.:*:・'゚☆。゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚ 。.:*:・'゚☆。
            ゚
                        

 

 


スターライトの扉をゆっくり開けたジニョンは 中に入ると明かりの落ちた店内を進んだ。


中には誰もいなかった。

 


「ジニョン…」


声がした方を見上げてみると 中二階の手すりからドンヒョクがジニョンを見下ろしていた。
 

彼は いつか見たあのこぼれそうな笑顔と同じ微笑をジニョンに向ける。

 


「ドンヒョクさん」


「こっちに上がっておいで」


「ええ」

 


ジニョンは 軽い足取りで階段を駆け上って行く。


なぜか ジニョンは涙が出そうなほど嬉しかった。


愛しくて、恋しくて、切なくて 一秒でも早くドンヒョクの傍に行きたかった。


上まで行くと そこにはドンヒョクが待っていた。


そして 彼は手を差し出すのだった。

 


「今夜は 時間通りだね」

ドンヒョクが笑った。


「今夜は 酔っていらっしゃいませんね。 お客様?」

ジニョンは少し睨んで言い返すと すぐ微笑んだ。


「ソ支配人と一緒に飲もうと思って… もう勤務時間は終わりましたよね?」

 


二人は楽しそうに笑い、ジニョンは自分の手をドンヒョクの手に重ねた。

 

 

 


    

「まあ……」

ジニョンは驚きのあまり それ以上言葉が出なかった。


星明りが照らすスターライトの最上階。


ここは ソウルホテルの中で いちばん 空と月に近い場所。


テーブルの上には 真紅の薔薇の花束と、シャンパンと
色鮮やかな苺のデコレーションケーキ。

 


「あ!」


「誕生日おめでとう、ジニョン」


「え? あっ、ああ、そうね。 もう日付が変わったのね!
 …そうだった、今日は…」

ジニョンは 大きな瞳をもっと見開いて ドンヒョクを見た。


ドンヒョクは いつものように優しくジニョンを見つめ返した。


「ありがとう! ドンヒョクさん!!!」


ジニョンは ぱっと輝くように笑い ドンヒョクに飛びついた。


…何もかも受けとめてくれる大きな胸… 大好きよ…


ドンヒョクはジニョンの両脇に手を入れて まるで子供にするようにふわっと高く抱き上げた。


「きゃっ!」

ジニョンは 慌ててドンヒョクの首にしがみついた。


「ちょっ、ちょっと、ドンヒョクさん! 恥ずかしいわ! 下ろして…」

ジニョンは 足をばたばたさせた。


「誰もいないよ」


「本当に?」


「うん」


「…ドンヒョクさん、力持ちね」


「ジニョン限定…」

ドンヒョクが ジニョンを見上げながら笑った。


ドンヒョクはジニョンを落とさないように その背中をぎゅっと抱きとめた。


そして そのほっそりとした体を掴まえたまま、くるっと回った。


「きゃっ…!」

ジニョンが笑いながら声を上げた。


彼女の柔らかな若草色のスカートの裾が 二人と一緒にふわりと揺れた…。

 

 

 


ドンヒョクはジニョンの手を引き ピアノの側の椅子に座らせた。


そして ドンヒョクはピアノの前に座った。

 


「ドンヒョクさん?」


「ジニョンの誕生日に、一曲プレゼントするよ」


「え…?」

 


ドンヒョクは 静かにゆっくりとピアノを弾き始めた。


彼の長くて綺麗な指が 優しい旋律を奏でていく。


そして 深くて切ないベルベットボイスが ピアノの繊細な音と重なり 
美しいハーモニーを紡ぎ出す。


ジニョンは じっと それを聴いている。


ドンヒョクの声が彼女の心をとらえて離さない。


たった一人の観客は その演奏者にまた恋におちる……

 

 

 

      
♪Moon River,wider than a mile   

 I’m crossin’you in style some day

 Old dream maker,you heartbreaker

 Wherever you’re goin’

 I’m goin’your way


 Two drifters, off to see the world
 
 There’s such a lot of world to see

 We’re after the same rainbow’s end

 Waitin’round the bend
 
 My Huckleberry friend... ...

 

 

 

 

 


その頃、スターライトの一階の隅には人影がふたつ…


ヒソヒソ話をする二人。

 


「ねえ、どんな感じ? 理事のピアノと歌は」


「うん、なかなかいいよ」


「そうよね、理事は器用で何でも出来そう」


「ああ、最初はどうなるかと思ったが。理事の熱心な練習ぶりには感心した」


「ジニョンが夜勤の日以外は 毎日のようにレッスンしてたんですものね」


「まさか 私に ピアノを教えてくれと頼み込んでくるとは思わなかった」

「そうよね~。 ジェウクさんの先輩のあなたに頼むなんて 
 いくら時間が無かったと言っても ありえない事よね」


「理事は 男のプライドよりも妻を選んだ。 誕生日プレゼントのために努力を惜しまず
 そして それを決して妻には見せない。 …これぞ 男のロマンだ!」


「ダーリンったら、随分 理事の事を褒めるのね?」


「………」


「ああ、これでまた ソウルホテルに新しいロマンスが生まれたのね。
 …でも、ねえ? さっきからピアノの音が止まってるんじゃない?」


「そうだな? もしかして間違えたか? どうしたんだ。昨夜は完璧だったのに」


ドンヒョクが完璧にピアノを弾けるかどうか気になって 様子を見に来たヒョンマンと
また 新しい噂話のネタを見つけに来たスンジョンは 不思議そうに顔を見合わせた。


そして、ゆっくりと二階の方を見上げた。

 

 

 


その頃 スターライトの二階では…

 


「ジニョン…」


「しーっ、黙って…」


「でも… これじゃ、ピアノが弾けないよ」


「いいの。 少し休んで…また弾いてね」


「…大胆だね ジニョン」

 


…今夜はまだ、シャンパンを少ししか飲んでないはずだが……

 


「ねえ? 目を閉じて、ドンヒョクさん」


ジニョンはそう言うと ドンヒョクの眼鏡を静かに外した。


「……」

 


ピアノに背を向けて ドンヒョクの膝の上に座るジニョン。


ドンヒョクは ジニョンの熱くて甘いキスを受けていた。


ジニョンの指が ドンヒョクの髪を、瞼を、頬をそっと撫でていく…


彼女の白く細い指から 甘い香りがほのかに香る。


そして ジニョンの唇が 優しくその後を追いかけていく… 

 


「ジニョン…」

 

 
ドンヒョクは 目を閉じて その甘美な感触に酔いしれる。


切なくて 息苦しくて どうしようもない感情が溢れ出す。


眼鏡を外されたドンヒョクは ほんの少し動揺してる瞳を隠すことができない。


彼は 戸惑ったままジニョンを見つめた。


ジニョンは まるで悪戯を思いついた子供のように きらっと瞳を輝かせて微笑んだ。

 


「…ずっと、こうしたかったの。いつか見た夢のように…」


「夢…?」


「ドンヒョクさんがピアノを弾いてる姿を見てたら 何だか悔しくなって…」


「え?」


「だって、ドンヒョクさんの目も、声も、指も… 全てピアノの鍵盤に向かっていて 
 一人占めされたみたいなんだもの。 わたし… ピアノにまで嫉妬したのかしら…」


ジニョンは ドンヒョクの首に両手を回して囁いた。

 


…何て可愛い事を言うんだ 僕のジニョンは…

 


ドンヒョクの口元に やわらかな微笑が浮かぶ。

 


「…ドンヒョクさん」


「うん?」


「最高に嬉しいプレゼントだわ。 ありがとう…」


「喜んでもらって嬉しいよ」


「それから…」


「それから?」


「たくさん愛してくれて ありがとう」


「ジニョン…」

 

 

 


…ずるいよ ジニョン…


それは 僕のセリフだ


この世に生まれてきてくれて ありがとう


僕と出会ってくれて ありがとう

       
僕と結婚してくれて ありがとう


そして 僕をたくさん愛してくれて ありがとう

 


今日はそのお礼だよ


そして ジニョンの誕生日だから 君の好きにしていいよ


僕は 何でも君の言う事をきくよ


以前 君は言ったね?


高価なプレゼントがいいとは限らないって…

     
だとしたら 今回は合格かな?

 


ねえ ジニョン

    
君は この後 何をしたい? 


僕は何をすればいい?

 

 

 


ドンヒョクは 彼とピアノの間を邪魔するようにしなやかに座るジニョンを 
やわらかく抱きしめた。


そして 彼女の耳元で囁いた。

 


誕生日おめでとう ジニョン


そして…


また この言葉を言わせてくれて ありがとう……

 

                               

 


Moon River and me... ...and you...

 


                                 

 

                           おわり







 

 



背景・画像は akkeさん

Thanks ☆☆** v(o^▽^o)v**☆☆ Thanks 









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