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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367523/1904764
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 1 HIT数 8195
日付 2009/10/07 ハンドルネーム aoi32
タイトル 恋するジニョン
本文 2005年6月にホテリアーファンに掲載した
初めての創作ストーリー


恋するジニョン

 

 

― 深夜 ―

 

「ただいま…」


わたしは静かにドアを開け、小さくつぶやいた。

仕事を終えて帰宅してみれば、もう日付は変わっていた。

ふと見ると寝室から明かりが漏れている。


「ドンヒョクさん?まだ起きているのかしら…」


静かにドアの隙間から中をのぞく。

部屋に入るとベッドの上で彼は眠っていた。

眼鏡をかけたまま…

すらりと美しい右手は胸の上に、左手は経済誌を持っている。

わたしはふっと笑い、彼の眼鏡をそっと外し
本と一緒にサイドテーブルに置いた。

そしてベッドの側の床に膝をついて彼の寝顔を見た。


すやすやと眠るあなた…


深く吸いこまれそうな黒い瞳は閉じられ

普段の彼からは想像もできないような…子供のように無防備な寝顔。


…無防備すぎる…

こんな寝顔を見られるのはわたしだけよね?


躊躇いがちにそっと彼のさらさらの髪にふれる。

その時、胸の奥にきゅっと熱いものがこみあげてきた。


…愛してる…


もう、一緒に暮らしはじめて3か月

それなのに、なぜこんなにドキドキするの?

もうずっと一緒にいるのになぜこんなに切ないの?


ねえ、知ってる? ドンヒョクさん


わたしが辛い時や悲しい時 ふわっと抱きしめてくれるあなた


「大丈夫だよ、ジニョン」


そのひと言で どんなにわたしが元気になるか…

あなた、知ってる?


何気なく髪をかきあげる仕草に

眼鏡をはずし小さなため息をつく時に

わたしの手をいとも簡単に包んでしまう

あなたのすっと長いきれいな手を見た時に

泣きたくなるほど胸がきゅっと痛くなるの…


あなた、知ってる?

 

…まるで初めて恋をしてるみたいよ

 

 

 

 

― 朝 ―

 

カーテンの隙間から漏れる光で目がさめた。

…いつのまにか眠ってしまったのか

以前の僕にはありえない事だな


…ジニョン?


隣を見ると彼女が眠っている。

気持ちよさそうに静かに寝息をたてて 僕の方に体を向けている。

そして、その細い指は僕のシャツの袖を掴んで…


いつか君は言ったね

 

「あなたがそばにいないと、よく眠れないわ。
だから、どんなに遅くなっても家に帰ってきてね」

「わかってるよ、ジニョン。
でも、もうすぐアメリカに出張だよ。
…どうする?」

「…その時はくまのぬいぐるみでも抱いて眠るわ」

「じゃあ、特大のをプレゼントしようか?」


君はちょっと睨んで、すぐ笑った。

そして、すぐ悲しそうな目を僕に向ける。

…最近、時々 そんな目をするね…?

 


とても幸せそうな君の寝顔を見てたら 僕も幸せになるよ

君の前髪をそっと上げると額にキスをした。


「…ん… ドンヒョクさん…」


君が寝言で僕を呼んだ。


…僕の夢をみてるの?


長い睫毛をふせて

あのくるくると動く瞳は閉じられたまま

口元が微かにほころんだ。

本当に、本当にかわいくて愛しくて

このままどこかにしまって置きたくなるよ


今度はその唇にキスをしようとして、顔を近づけた。


「…う…ん  …お…すし…」


「!!!…」


…お…すし…?


思わず、僕の動きが止まった。


お寿司って言ったの?

 

驚いた僕に気づくこともなく 君はまた幸せそうに微笑んだ…。

 

 


…そして 数時間後

 

久しぶりに二人そろって休日

少し遅い朝食

朝の光がいっぱい差しこむリビング

ラジオから流れる曲は Yuhki Kuramoto


昨夜のちょっとセンチメンタルなジニョンはどこにいったのか

今朝はご機嫌…


…今朝作ったオムレツはめずらしく上手にできたわ

ふわっとしてたし、美味しかったし…


…それに…


ジニョンはコーヒーカップを両手でつつむように持ちながら

向かい側に座っているドンヒョクを見る。


今日の彼は、きれいなローズ色のインナーに白いラフなシャツをはおり

濃いブルーのジーンズをはいている。

その長い脚を優雅に組んで、

新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる。


高級ブランドスーツを完璧に着こなす彼もすてきだけど

今日みたいなジーンズも似合ってるわ

…もう、何着ても似合うんだから


ジニョンは少し嫉妬する。


ドンヒョクがテーブルのコーヒーカップを取った。

大きな手と長くてきれいな指。

ジニョンはどきんとする。


…コーヒーのCM見てるみたい

…きっと売れるわよね…


そんな想像をすると、自然に口元がほころんでくる。


突然、ドンヒョクが新聞から目を上げて、ジニョンを見た。


「ジニョン?何だか楽しそうだね」

「えっ!あっ、あら、そう?」

「何かいい事あった?」

「い、いえ別に」

ジニョンはあわてて首を横に振った。


「そう?」

ドンヒョクは優しく微笑んだ。

 

…まさか、自分の夫に見とれてたなんて言えないわ…


ジニョンはごくんとコーヒーを飲んだ。


「そうだ、ジニョン。今日は久しぶりにデートしようか。
ドライブでもする?」

「えっ、ホント?」

「うん。で、今夜は外で食事しよう。…寿司なんかどう?」

「お寿司!?ええ、行くわ!ちょうど食べたいと思ってたの!」

「…やっぱり。」

「え?どうしてわかるの?」

「いや、何となく…」

ドンヒョクは笑いをこらえた。


「あのね、昨日、イ先輩が雑誌を持ってきて、その特集記事が
゛お寿司の美味しいお店はココ!”だったの。
とっても美味しそうなお寿司だったのよ~」

ジニョンは夢見るように目をキラキラさせた。

ドンヒョクは思わず笑い出した。


「何かおかしい事言った?」

「いや・・・ジニョン、君ってやっぱり、何て言うか・・・一緒にいて飽きないよ」

ドンヒョクはジニョンを見つめて、優しく笑った。


ジニョンの胸の奥の方で、また何かがきゅっと音をたてる。

昨夜のあの思いがよみがえってきた。

一瞬、彼から目をそらし、うつむく。

そして、何か決心したように、また顔をあげた。


「…ドンヒョクさん」

「うん?」

「あのね…」

「うん」

 

「…愛してる…」

 

ジニョンは小さな声でやっと言った。

ドンヒョクは驚いて目をまるくした。

 

「え?…今、なんて言ったの?」

「…愛してるわ…」


ジニョンは今度ははっきりと言った。

瞳が潤んでいる。

ドンヒョクは、新聞をテーブルの上にばさっと置くと
すっと立ち上がってジニョンの方に近づいてきた。


「もう言わない…」


思わずジニョンはうつむく。

なぜか涙が出てきそうだった。


ドンヒョクはジニョンのそばに来ると、その場に跪いた。

!!!

ジニョンは驚いて彼を見る。

ドンヒョクは下からジニョンを見上げた。

いつもジニョンがそうするように…


「ジニョン? もう一度言って…」


深い、深い瞳を見てると、すいこまれそうな錯覚がした。

ジニョンの目から涙が一粒落ちた。

胸が痛くて、痛くて苦しかった。


「…愛してるわ、ドンヒョクさん…」


ジニョンの声が震えている。


ドンヒョクはそれを聞いて、ふわっとやわらかく微笑んだ。

そしてジニョンの頬の涙を指で優しくぬぐった。


「ありがとう、ジニョン」

「……」

「それから…僕も愛してるよ」


やっとジニョンが微笑んだ。


「…あのね、わたし、最近、変なの。
あなたを見てるだけで、胸が熱くなって…胸の奥が痛くなるの。
…だから、ずっと言いたかったんだわ。」

「僕を愛してる?」

「愛してるわ。あなたに恋してるみたいよ」


ジニョンは切なそうに微笑んだ。


「…じゃあ、僕の恋するジニョンさん。
 一緒に踊ってくれませんか?
 いい曲が流れてるよ」

「でも、わたし踊りは…」

「大丈夫。以前にもそう言った女性がいたけど、
 僕の記憶では、足を踏まれたおぼえはないよ」

「まあっ…」


ドンヒョクは立ち上がって右手をさし出した。


…あの時と同じ…


大好きなあなたの手

大好きなあなたの瞳

大好きなあなたの胸


「…また5分だけ?」

「ジニョンが望むなら、一日中でも…」


二人は一緒に笑った。


ジニョンは彼の手に自分の手を重ねた。

ドンヒョクは彼女の手をにぎって、ゆっくりと立たせ
自分の方に引き寄せる。

ジニョンは瞳を閉じて彼の胸につつまれた。

 


朝の光の中、静かなピアノの曲が流れている。


ジニョンはドンヒョクの胸の中でつぶやいた。

 

 

…永遠にあなたのそばにいます…





















本編ではドンヒョクとジニョンが再会したところで終わりますが
二人には あの後 幸せな結婚生活を送ってほしいと願いをこめて書きました。
ドンヒョクにとても優しいジニョンです^^



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