ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367541/1904782
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 107 HIT数 7544
日付 2010/12/23 ハンドルネーム aoi32
タイトル 3つのポインセチア -2- 雪降る夜のデート
本文 3つのポインセチア -2- 雪降る夜のデート




『ドンヒョクさん、どうしたの?』

「ジニョン、今日は何時に仕事が終わる?」

『え・・っと・・。5時ごろになるかしら。』

「わかった。じゃあ、迎えに行くからデートしよう。」

『え? ドンヒョクさんのお仕事は?』

「ああ、大丈夫。」

『そうなの? 嬉しいわ。 じゃあ、待ってるわ。』

「うん。・・それから・・ジニョン・・。」

『え?』

「いや、何でもない。  ・・・愛してるよ、ジニョン。」

『ふふ・・。わたしも すご~く愛してるわ、ドンヒョクさん。』

「うん。 じゃあ、また後で。」

『ええ、じゃあね、ドンヒョクさん。』






ドンヒョクは携帯電話を切ると、それをぎゅっと握り締めた。

そして、微かに顔を歪めるとうつむいた。



「・・・ボス・・。」

レオがドンヒョクの後ろから声をかけた。


「わかってる。 打ち合わせどおり進めてくれ。」

「OK、ボス。 じゃあ、明日な。」

「ああ・・。」


レオは軽く手をあげると、部屋から出て行った。

後に残ったドンヒョクは 虚ろな瞳で外の景色を眺めた。


静かに雪が降り始めた午後だった。



   ――――――


「いいね。」

ドンヒョクは 目の前にいるジニョンの姿を見て満足そうに微笑んだ。


「・・そう?」

ほんのりと頬を紅潮させて振り向いたジニョンは
ちょっと恥ずかしそうな笑みをドンヒョクに向けた。

お洒落なブティックの店内には 
ふわりと暖かそうなコートが綺麗に並んでいる。


ドンヒョクが何度かジニョンに着せ替え人形をさせて選んだのは
春に咲く花のように優しげなコーラルピンクのコート。


白い清楚なワンピースも しっとりと妖艶な黒いドレスも
何でも着こなしてしまう美しい妻に ドンヒョクはため息をつく。



「うん、よく似合ってる。」

ドンヒョクは眩しそうにジニョンを見ると、そのコートの衿を直した。
そして、彼女の耳元で囁いた。

「 ――――― 」


「!!!」

ドンヒョクの言葉に また頬を染めるジニョン。

「もうっ、ドンヒョクさんったら。」

ジニョンは少しドンヒョクを睨むが、すぐに笑ってしまう。

ドンヒョクの最高の賛辞に嬉しさを隠す事はできない。


ドンヒョクもやわらかく微笑み返した。

ジニョンは上質なコートの肌触りにため息をついた。


「でも、ドンヒョクさん。・・わたし、コートはたくさん持ってるわ。
 去年も一昨年も、あなたに買ってもらったわ。」

贅沢に慣れないジニョンのいつもの“でも”が始まった。


「いいじゃないか。 ソウルはこれからもっと寒くなるよ。」


「でも・・。」


「寒がりのジニョンが震えないように。」


「あら、わたしは寒くないわよ。」


「え?」


「だって、ドンヒョクさんがコートの代わりになって
 いつでも わたしを包んでくれるんでしょう?」


ジニョンの言葉にドンヒョクは静かにうなずく。

「うん。・・だから、僕がいない時にそのコートを着て。」


「・・ドンヒョクさんがいない時?」

ジニョンは不思議そうな顔でドンヒョクを見上げる。

そして、何かを思いついたように楽しそうに笑った。

「そうね。ず~っと一緒にいるわけじゃないものね。」

ジニョンはくすくす笑うと、コート衿を立てて自分の頬に当てた。

「あったか~い!」

ジニョンは嬉しそうにドンヒョクに笑いかけた。


ドンヒョクもつられて思わず笑ってしまう。

ジニョンの笑顔を見るだけで ドンヒョクの周りの温度が
上がったような気がする。




だが、ジニョンの視線がドンヒョクから外れた時

彼の顔から微笑が消えた事には ジニョンは気がつかなかった。





  ―― そのコートが羨ましいよ。
 
       ジニョンの身体をずっと包んでいられるなんて・・・


  ―― もうっ、ドンヒョクさんったら・・



 


   ―――――――



「ねえ、ドンヒョクさん。」


「うん?」


「お食事も美味しかったし、コートと・・DVDまで買ってくれてありがとう。」


「気に入った?」


「ええ、とっても。 ・・でも、どうして?
 今日は何かの記念日だったかしら?」

ジニョンは考えてるが思い出せない。

「でも・・DVDは見終わるのに時間がかかりそうね。」


「どうして?」


「だって・・ドンヒョクさん、すぐ邪魔するじゃない。
 結局、この前の最終回をまだ見てないわ。」

ジニョンは口を尖らせて言うと、恥ずかしそうにうつむいた。


ドンヒョクは ジニョンのそんな仕草に心を奪われる。

恥ずかしがりやで可愛いジニョン。

でも、ジニョン。 君は気がついてるんだろうか。

そんな何気ない表情が 僕の心を虜にしてしまうという事を・・。


「ドンヒョクさん?」

ジニョンに呼ばれてドンヒョクははっとした。


「・・じゃあ、もう邪魔しないから ゆっくり見て。」


「ドンヒョクさん?」

ジニョンは怪訝な顔をする。


「・・もう少し歩こうか。」

ドンヒョクは静かに笑うと手を差し出した。


「え? ええ。」

二人は手をつないで歩き出した。


    変・・。 ドンヒョクさん、何だか変だわ。

ジニョンは不安げにドンヒョクの横顔を見上げた。

    いつもより寂しそうに見えるのは気のせい?




クリスマス・イルミネーションが輝くソウルの街を歩く。

夜になって また雪が降り始めていた。

白い羽根のような雪が二人の肩に舞い降りる。

頬に触れた雪の冷たさにぷるっと震えたジニョンが愛しくて 
ドンヒョクは彼女の肩を抱く。

ジニョンはふふ・・と小さく笑うと ドンヒョクに寄り添う。

そして 彼の腕に両手を回して、その温もりに身をまかせる。

  ・・・どんなコートより ドンヒョクさんの方が暖かいわ・・。



「・・もう、クリスマスの時期なのね。」


「うん、そうだね。」


「うちもクリスマスツリーの飾り付けをしなくちゃね。」


「じゃあ、これから帰ってしようか。」


「これから? 今年は早めなのね。」


「うん。 あ・・。」

ふとドンヒョクの足が止まる。


「ドンヒョクさん?」


「おいで、ジニョン。」

ドンヒョクはジニョンの手を引くと 近くのフローリストの前に
連れて行った。

店頭を飾っているのは 色とりどりのポインセチアの花。

ドンヒョクは 大きめの鉢植えを二つ手に取った。

鮮やかな赤とミルクのようなオフホワイトのポインセチア。


「うん、これにしよう。」

ドンヒョクは笑いながらジニョンに見せる。


「・・二つも買うの?」


「部屋が明るくなるだろう?」


「え? ええ・・。」


「あと・・ジニョンが選んだ 白いツリー・・。
 今年はもう一本、用意すれば良かったな。
 ・・・もっと大きい・・2メートルぐらいの・・。」


「・・ドンヒョクさん・・?」



「・・もっと賑やかにしたいな・・。」



「ドンヒョクさん、どうしたの?」



「・・・・・」


「何だか変よ。」



「・・・・・・・」



「何かあったの?」



「・・・ジニョン・・。」



「・・はい。」



「・・明日・・NYへ行く事になった・・。」



「え?」



「・・今回は・・どのくらいの期間になるかわからないんだ。

   クリスマスまでには帰れないかもしれない・・。」


冷静なドンヒョクの言葉が静かに響いた。



ジニョンは呆然としてドンヒョクを見た。


ドンヒョクが何か言いたげにジニョンを見つめる。


ジニョンは思わず視線をそらし、ゆっくりと下を向いた。


彼女は何も答えることが出来ない。


ジニョンは ドンヒョクの言葉を他人事のように聞いていた。


彼が何を言ってるのか理解できなかった。



ドンヒョクの腕の中には 赤と白のポインセチアがおさまっていた。



赤いポインセチアの葉に白い雪が落ちてくる。






・・・ポインセチアは寒さに強いのかしら・・・?


その時、ジニョンは そんな見当違いなことを考えていた・・・。






背景・コラージュ by akke






  





前の書き込み 3つのポインセチア -3- あなたが...
次の書き込み 3つのポインセチア -1- ラブシー...
 
 
 

IMX