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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367516/1904757
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 11 HIT数 7698
日付 2009/10/14 ハンドルネーム aoi32
タイトル ずっと一緒 -4- 目をあけて ジニョン
本文

ずっと一緒 -4- 目をあけて ジニョン

 


「もしもし…」


「!!!」


「もしもし?」


「…そちらは、ソ・ジニョンの携帯ですよね?」


「あ、この携帯の持ち主のお知り合いですか?」


「僕は彼女の夫ですが…」


「…そうですか。こちらは警察の者ですが、
 奥さんの乗ったタクシーが事故を起こしまして…」


「えっ?」


「運転手と二人、病院に運ばれました」


「そっ、それで彼女のケガの具合は?」


「すみませんが、詳しい事はソウル病院の方へ行ってください」


「…わかりました」

ドンヒョクは携帯を切ると、ぎゅっとそれを握り締めた。


体が震えてきた。

顔が真っ青になっている。

唇を噛みしめ、目を閉じる。


「…ジニョン…どうして!」


ドンヒョクは苦しげにつぶやく。

そして、頭の中でカウントダウンする。


…10、9、8、7、……

落ち着け!シン・ドンヒョク!とにかく病院へ!


…5、4、3、……

ジニョンは大丈夫だ!


…2、1、0、…GO !!!


ドンヒョクは目を開け振り向くと、キッと前を睨む。

部屋から出るとレオを探す。


「レオ!!!」


「ボス?どうした」


「ジニョンが乗ったタクシーが事故を起こしたらしい。
 病院へ行ってくる!」


「えっ?」


「あとの事は頼む」


「わかった、誰かに車出させるか?」


「いや、大丈夫だ。行って来る」


「ああ」

 

ドンヒョクは走り出した。

ジニョンのもとへまっすぐに走り出した。

 

二人の話を聞いていたヘヨンが声をかける。

「…レオさん」

声が震える。


「そういう事だ…だから、ジニョンさんを確保する必要はなくなったよ」

レオが力なく言う。


「では、今度いらっしゃった時には必ず…」


「ああ」


ヘヨンはこれからのドンヒョクのスケジュールを調整するため、
自分のデスクに向かった。

 


カン・レウォンが首をかしげながら、オフィスに戻ってきた。


「あの~、今、ボスがすごい勢いで走って行ったんですけど、
 何かあったんですか?」


スタッフ一同の冷たい視線。


「カン・レウォン、仕事しろよ!」

「わかってますよ。…あ~、それにしても、走る姿もかっこいいよな~。
 今日は色んなボスを見られて面白いな~」

レウォンは陽気に言う。

スタッフ一同、ためいき。

 

カン・レウォン、24歳

ドンヒョクに憧れる軽い男

君にはもっと修行してもらわないと…

 

 


―――

 

 

「…頭に外傷がありましたので、一応、脳波の検査とCTを撮りました。
 幸い今のところ脳には異常ありません。
 あとは、右腕の打撲と、右肩に裂傷がありました。
 今は鎮痛剤で痛みをおさえています。
 意識が戻るのを待ちましょう。」


医師はドンヒョクに言った。

 


―――

 


ドンヒョクは静かに病室のドアを開ける。

真っ白なベッドで眠っているジニョン。

頭と右腕の白い包帯が、あまりにも痛々しい。

青白い顔…

あの、くるくるとよく動く瞳は深く閉じられ
いつもの艶やかな桜色の唇は、白くくすんでしまっている。

 

「…ジニョン…」

ドンヒョクは苦しそうにうつむいた。

ベッドの側の椅子に座ると、ジニョンの左手を両手で包み込んだ。


白くてしなやかな手…

でも、その腕には点滴の針とチューブがつながっている。

ジニョンの手が温かいことが、ドンヒョクを少し安心させる。

彼女の薬指のマリッジリングと、きれいなピンクの爪にキスをしてみる。


「…せっかくおしゃれしたのに…」

ドンヒョクは彼女の頬を優しく撫でる。


「…ジニョン、起きて」

ドンヒョクは彼女の耳元で静かに言う。


「ジニョン、いつまで眠ってるんだ…起きてくれ」

ドンヒョクは彼女の手をぎゅっと握り締める。


「寝すぎだよ…まったく君はどこでも眠れるんだな」

ドンヒョクは苦笑いをする。


「…ジニョン、目をあけて僕を見て…僕だけを見てくれ」


ドンヒョクは切なげにつぶやき、彼女の唇に指でそっと触れた。

でも、ジニョンは目覚める気配はない。


「ジニョン、どうして起きてくれないんだ」


ドンヒョクはたまらなくなって、立ち上がり、身をかがめると
ジニョンの唇にそっとキスをした。


「…ジニョン、いつもこれで起きるじゃないか」

 

…あと、5回…


そんな彼女の声が聞こえたような気がした。

 

…わかったよ…


ドンヒョクはふっと笑う。

そして、熱いものがこみあげてくる。

 


そっと優しく キスをひとつ 
         
ちょっと切なく キスをひとつ

少し強気で キスをひとつ

やっぱり悲しい キスをひとつ

涙といっしょに キスをひとつ 

 

「!!!」

最後のキスの時に、ジニョンの唇が微かに動いた。


「…ジニョン?」


彼女はその大きな目をゆっくりとあけた。

そして、キスの相手を見つめて、優しく微笑んだ。


「…ドンヒョクさん」


彼女の頬と唇が、ほのかに桜色に染まる。


「…やっと目がさめたね」


それでもドンヒョクは切なげに微笑む。


「…ドンヒョクさん、どうして泣いてるの?」


ジニョンが不思議そうな顔をする。


ドンヒョクは、そんなジニョンを愛しそうに見つめて言った。

 

「…もう一度キスしようと思ったのに
 ジニョンが目をさましちゃったからだよ……」


 













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