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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 132 HIT数 16569
日付 2011/09/20 ハンドルネーム aoi32
タイトル 君に会える朝 前編
本文 このお話はnimoさんのHP開設のお祝いに贈った作品です。
「ホテリアーファン」には未発表のお話です。









- 前編 -

 

 

 

“ドンヒョクさん、朝食まだでしょう?
 ご一緒にカフェでいかがですか?”

“いえ、今日は大事な用があって
 もう出かけないと”

“毎朝 わたしと会いたいのなら 
 大事なお仕事は減らしていただかないと”

“すみません、後で電話します”

“いいわ、いつか仕返ししてあげます
 覚悟しててくださいね”

“わかりました、僕も手伝いますよ”

“あら、そんなことおっしゃっていいのかしら?
 …わたし、本当は怖いのよ”


さわさわと風に揺れる新緑の隙間から 
やわらかな木漏れ日が降りそそぎ 二人を包んでいた。

からかうように笑いながら睨むジニョンの笑顔が眩しくて
ドンヒョクは思わず目を細めた。

 

…毎朝、こうしてあなたに会えたらいいのに…

 

思わず ドンヒョクの口から出たその言葉に嘘はなかった……。

 

 

 

 

 

「…ジニョン! 駄目だ! …行くな!!!」


自分の叫び声で目が覚めた。

ドンヒョクはベッドからゆっくりと起き上がると額に手を当てる。

ぐっしょりと汗を掻いていた。


夢だったのか…


一瞬、ドンヒョクは安堵するが すぐにぞくっと背中に寒気を感じた。


「…最悪だ…」


ドンヒョクは両手で顔を覆うと またベッドにそのまま倒れこんだ。

そして ちらっと隣に視線を移す。

だが、ほんの僅かな期待はすぐに消えて無くなる。

いつも そこに寝ているはずの彼の半身はいない。

ドンヒョクは深くため息をつくと またゆっくりと目を閉じた……。

 

 

 

 

―― ソウルホテル スタッフルーム

 

「え? 浮気?」

ジニョンはこぼれそうなほど目を大きく開けて聞き返した。


「そう、う・わ・き」

イ・スンジョンはすました顔で何度もうなずいた。


「浮気って、誰の話?」

ジニョンは相変わらず話の内容を呑み込めない。


「やーね、理事のことよ。あなたのだんな様のシン・ドンヒョク」

スンジョンはにっこり笑って赤い唇を尖らせた。


「やっぱりそうなのね。
 ふーん、ドンヒョクさんと浮気?
 何だかいちばんピンとこない組み合わせね」

ジニョンがあまりにも落ち着き払っているので
スンジョンはイラついてきた。


「ずいぶん余裕があるのね。
 いいこと?ジニョン、あなたたち結婚して何年目? 
 うちが4年目だから…」


「3年目…だわね」


「そう! まさに3年目。…危ない時期なのよ!」


「危ない時期って、何が?」


「“3年目の浮気”ってね! 夫が浮気に奔る可能性が高い時期ってことよ。
 うちのダーリンも去年ね…」


「え? オ総支配人、浮気したのー!?」


「浮気ってほどじゃないけど、
 ホテルに出入りのインテリアデザイナーにね。
 ふん、あたくしよりちょっと若くてセクシーなだけの女なのに…
 鼻の下をこ~んなに長く伸ばしてデレデレしてたわ」

いまわしい過去を思い出したのか イ・スンジョンがぷりぷり怒って興奮している。

そんな事ぐらいで…と ジニョンは呆れたが
ドンヒョクさんに関してはそれさえも有り得ないわと
これ以上、スンジョンの話を聞く気にもならない。


涼しい顔で平然としているジニョンがあまりにも憎らしかったので
スンジョンは舌打ちしながら言った。


「いいこと?ジニョン。
 理事だって男なんだから浮気をすることもあるのよ!
 どんなに愛妻家でも、男だったら一度や二度は気の迷いみたいなものが
 必ずあるんだから!」


この人は…どうしてもドンヒョクさんに浮気して欲しいのかしら!
そして どんな小さな事でも探し出して “ほら見なさい!”と
勝ち誇ったような顔でわたしに言いたいの?


…よほど暇なのね…

夜勤明けでぐったりしてるわたしに そんな話題をぶつけてくるなんて…

 

「…わかったわ。イ先輩がそこまで言うなら
 直接、本人に聞いてみる」

半ばうんざりしたジニョンは反撃に出た。


「え?」

スンジョンは驚いてジニョンを見る。


「…そうよね。…ドンヒョクさんも男だし…
 あんなに素敵でクールでセクシーで仕事もできるいい男なんだもの…
 女の人が放っておくはずないわよね」

「ジ、ジニョン」


「わたしが鈍感だから 今まで気がつかなかっただけかも…
 そうだわ、きっと!」


「あ、あの ジニョン?
 いえ、やっぱり 理事にかぎってそんなことはないかも…
 ええ、そうね!
 シン・ドンヒョクはジニョン一筋!
 そうよ、何も心配する事はないわ ジニョン!」


「……」


「やーね、ジニョンったら ちょっとからかっただけよ!
 だから気にしないで!
 …っと、そろそろ行かなくちゃ、ハウスキーパーの朝礼の時間だわ!
 じゃ、じゃあね ジニョン!」


スンジョンは慌てて立ち上がると そそくさと部屋から出て行った。

そのペンギンのような後ろ姿を見送りながら
ジニョンはくすくすと笑い出した。


やっぱり、先輩にはこの手がいちばんね

ドンヒョクさんに直接聞く、なんて恐ろしいことだもの

…でも、ちょっと興味あるかも

“ドンヒョクさんは浮気したことある?”…なんて聞いたら

あなた、どんな顔するかしら?

きっと呆れて笑いながら… でも、半分怒って こう言うわね

 

“ばかだね ジニョンは  僕はジミョン以外の女性には興味はない”

そうでしょう?


…わたしも… わたしも ドンヒョクさん以外の男性には興味はないわ

 

 

 

 

 

ソウルホテルの正面玄関にシルバーの車が滑り込む。

見慣れたその車を ドアマンはにこやかに迎える。

車のドアが開いて、中から一人の長身の男が降りてくる。

そして 車の傍にスッと立つ。


「おはようございます、シン理事」

「ああ、おはよう」

「ソ支配人のお迎えですか?」

「うん、久しぶりにホテルで朝食を一緒にと思ってね」

「そうでしたか。
 先程までフロントにいらしたようですが、今はお姿が見えませんね」

「ありがとう、探してみるよ」

ドンヒョクは涼しげに笑うと ドアマンに車のキーを渡した。

 

 

 

 









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