「ジニョン」

わたしを呼ぶあなたの声

低くて、甘くて…大好き！

もう一度、その声が聞きたくて

わたしは聞こえないふりをする

「ねえ、ジニョン」

ふふ…また呼んでくれたのね

でも、わたしはまた夢中で本を読んでるふりをする

…もう一度、呼んでくれないかしら

「ソ・ジニョン」

あ、そろそろ、イライラしてきたかしら？

声が少し大きくなった

ここで返事しないとまずいかも…

でも、怒っている声も大好き！

次はきっと、怒りマーク付きよね

でも大丈夫

だって、わたしは

あなたの機嫌を直す方法を知っているもの

「ジニョン、聞こえないの？」

…ついに怒ったかしら？

「なあに、あなた」

わたしはあなたを見つめてにっこり笑う

「………」

あなたは黙ってわたしを見つめる

ほら、簡単でしょ？

とてもシンプルなあなた　大好きよ……

「ジニョン」

何の用事もないのに、君の名前を呼んでみる

でも君は返事をしない

本を読んでるんだね

「ねえ、ジニョン」

もう一度、名前を呼びたくて言ってみる

また、返事をしてくれないね

君の悪い癖だ

ひとつの事に夢中になると

まわりが見えなくなる

「ソ・ジニョン」

少し、イライラしてきた

どうして返事をしてくれない？

どうして僕の方を見てくれない？

…もしかして、わざと聞こえないふりをしてる？

僕をじらして楽しんでる？

僕が本気で怒ったら

「好きよ、ドンヒョクさん」

とか言って、にっこり笑うつもりなのかな？

それで、僕の機嫌が直ると思ってる？

君の考えてる事ぐらいわかってるよ

だから…そう上手くはいかないよ

「ジニョン、聞こえないの？」

僕は怒ったふりをする

「なあに、あなた」

君は僕を見つめて、にっこり微笑む

「………」

…ちょっと　想定外だった…かな…

さて、ゲームに勝ったのはどちら？