ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367265/1904506
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 17 HIT数 7159
日付 2010/01/05 ハンドルネーム aoi32
タイトル 片思い -1- レウォン
本文

片思い -1- レウォン




…一目惚れだった…

 

クラッシック・ピンクに包まれた大きなベッドの中から

静かに こちらを見つめていた人…

怪我のせいなのか、まるで熱があるような潤んだ瞳で、

口元には穏やかな微笑を浮かべていた人

清楚で、はかなげで…支えてないと倒れてしまいそうな華奢な人

それは、艶やかな黒髪に巻かれた真っ白な包帯が

あまりにも痛々しくて、そう思わせたのかもしれない

 

 

「ちょっと、兄さん。 私たちがいること忘れてない?」

ボスの妹のジェニーさんの言葉に、はっとした自分がいた

その人の隣に、寄り添うように座るもう一人の人がいた

そうする事が、唯一許された人

…ああ、そうなんだ

この人は、ボスの奥さんなんだ

俺は、初めて知ったようなショックを受けた

そうだ 今日、俺は、シン・ドンヒョクという、俺のボスの

奥さんの見舞いに来たんだ


そんな事まで忘れていたんだ

 

 


「ジニョンさん。この男は、うちの新人のカン・レウォンです」

レオさんが俺を紹介してくれた。


「はっ、初めまして!カン・レウォンです。
 ボ、ボスの部下をやってます!」

俺は、らしくもなく緊張していたのか、変な事を言ってしまった。


彼女は驚いて俺を見たが、すぐにニッコリ笑った。

「初めまして、ソ・ジニョンです。
 ボスの奥さんをしてます。」

彼女の言葉に、みんながぷっと吹き出した。


「あ、あら…何か変だったかしら?」

彼女は困ったように隣のボスを見た。


「そんなことない。ジニョンらしいよ。」

ボスは彼女に微笑んだ…この上なく優しそうに…


今日、二度目だ…ボスのあんな笑顔を見るのは

昼間、ジニョンさんからかかってきた電話に出た時

そして、今…


あの、おっかないボスを、こんな風にしてしまう彼女

…一体、どんな人なんだろう……

 

 

彼女は、本当によく笑う人だった

みんなと話してる時も

黒い、大きな瞳をくるくると動かし、

からかわれると、ぷうっと頬をふくらまし、

でも、口元には、いつも柔らかな笑みが浮かんでいた

そして・・・時々、困ったようにボスの方を見て助けを求め

ボスが優しそうに応えると、彼女は安心して微笑み返す


…俺はきっと、ボーッと見ていたんだろう


ヘヨンさんが声をかけてきた

「どうしたの?レウォン、今日はおとなしいわね」


「あ、はい。病院なんで一応、静かにしようと思って」


「まあ、めずらしい」


「そうだ。レウォンはムードメーカーで、こいつがいると
 オフィスが賑やかなんですよ…というか、うるさい。
 …そうか。それが気に入って採用したのか?ボス」

レウォンさんが言った。

「忘れた。ほんとうに何かの間違いだったのかも」

…ボスは冷たい


「ひ、ひどい、ボス。
 君みたいな優秀な男に初めて会ったよ、って言ってくれたのに」
   (お、やっと俺らしくなってきた)


「そんな事言ったおぼえはない」

…ボスはやっぱり冷たい。


「もう、だめよ、ドンヒョクさん。 そんな怖い顔したら」

…ジニョンさんだ


「……」

彼女のひと言で、ボスは黙ってしまった


「ごめんなさいね、レウォンさん。多分、この人は
 男として信用してる人には、厳しい事やわがままを言えるのよ。
 レオさんとか、テジュンさんとか、わがまま言い放題だもの。
 だから、あなたの事も信用してるのよ」

レオさんとテジュンさんが同時にほおっと声をあげた

俺も何だか嬉しかった

二人はニヤニヤしてボスを見た


「上手い事いうなあ、ジニョン」


「まったくだ。本当にわがままだからな、ボスは。
 まっ、あまり信用されるって言うのも考えものだが…」


「…ジニョン…」


なんて事だ

ボスは困ったような、何とも言えない表情をし 彼女を見つめた

彼女はボスを見ていたずらっぽく笑った

そして、とても自然に 彼女は自分の手をボスの手の上にのせた

ヘヨンさんとジェニーさんもクスクス笑った。

 

そして、彼女は俺を見て

花のように綺麗に微笑んだ…

 


…恋におちた瞬間だった…

 

 

 


―― 翌日 ――


 
…っていうか、

こんなの俺のキャラじゃない!!!


昨夜はどうかしてたんだ

夜の病院という、何だかもの悲しいシチュエーション

怪我をして、白い包帯が痛々しい彼女

はかなげなイメージ

それらが、俺を錯覚させたんだ


ほら、よく言うじゃないか

夜、書いた手紙を次の日の朝に読むと、

何でこんなセンチメンタルな事を書いたんだろうって

恥ずかしくなるっていう、あの感じ…

そう、まさにそれなんだ。


一晩寝て、あれは夢だったのかもしれないという気もしてきた

 

大体、俺は自分でいうのも何だが、

女の子にはモテる方だ

今だって、つきあってるガールフレンドはいる

…そうなんだ…


だから、彼女の事なんて


年上の、しかも人妻… しかも、あのボスの…


     

ありえない……

 

 

―――――――

 

 

オフィスに着いてから、俺はPCを開き、夢中でキーボードをたたいた

また、新しいクライアントへの企画書を作る

よけいな事を考えるのはよそう

いつものように、軽く明るく行こう

 

…だけど、それは すぐに無理だと言うことがわかった

 

 

いつものように 颯爽とボスが出社してきた


まさに、その瞬間 オフィス内の空気がピンと張りつめる


いつものように、ビジネススーツを完璧に着こなし

いつものように、優雅でクールな横顔を見せつける

疲れた様子など微塵もない


なぜだ?


昨夜は病院に泊まるって言ってたはず

なのに、昨日とは違うスーツ

昨夜とはまるで別人


なぜ、あんなに隙がないんだ?


俺はボスを見て、何だかモヤモヤしてきた


何なんだ?  この気分は…


そして、ボスを見ていると

俺の脳裏に、あの人の笑顔が浮かんできた

 

…まさか…  …嫉妬?

 

俺は…嫉妬してるのか?

 

あの…ボスに……

 

            








前の書き込み 片思い -2- ジェニー
次の書き込み 90秒のラブ・ストーリー
 
 
 

IMX