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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367265/1904506
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 19 HIT数 6959
日付 2010/01/06 ハンドルネーム aoi32
タイトル 片思い -3- 花束
本文

片思い -3- 花束




 
店から飛び出したジェニーは、ソウル病院へやって来た。

そして、ジニョンの病室の前で、深呼吸する。

…大丈夫、いつものように わたしはしっかり者のジェニーよ!

 

「お姉さん! 来たわ!具合はどう?」

明るく声をかけるジェニー。


「ジェニー、来てくれたの?」

ジニョンが嬉しそうに笑う。


「スープを作ってきたの。ヴィシソワーズ…冷たいじゃがいものスープよ。
 お姉さん、飲む?」


「わあ、美味しそうね。いただくわ」


「うん、すぐ準備するね」

ジェニーはそう言うと、キッチンへ向かった。

 

 

「どう?」


「ん~、美味しい! 最高だわ。ありがとう、ジェニー」


「良かった。冷蔵庫にまだあるから、兄さんにもあげてね。
 兄さんは味にうるさいから、ちょっとこわいけど」


「大丈夫よ。これなら、ドンヒョクさんも喜んでくれるわ」


「…そうだといいけど…」

ジェニーはドンヒョクの顔を思い出して微笑んだ。


ジニョンは、そんなジェニーを見て言った。

「あのね、ジェニー、お願いがあるんだけど」


「何?」


「わたしが退院するまで、家に泊まってくれないかしら?」


「え?」


「ドンヒョクさんを、見てあげてほしいの。 と言っても
 彼は一人で、何でもできるけど」


「じゃあ、どうして?」


「ジェニーが家で待ってれば、帰ってくれると思って」


「え?」


「このままだと、彼は毎日ここに泊まるわ。
 わたしは嬉しいけど、心配なのよ。 
 仕事がハードなのに、夜もよく眠れないんじゃ、体をこわしてしまう」


「…お姉さん」


「ジェニー、お願い」


「わかったわ。ちゃんと出来るかどうか心配だけど、がんばってみる」


「わたしより、頼りになると思うけど?」


「そんな事ないわ。わたしは妹だもの」


「ふふ、この機会にドンヒョクさんに、たくさん甘えてみれば?」


「え?」

「だって、いつも言ってるのよ、ドンヒョクさん。
 ジェニーはちっとも甘えてくれないって」


「そう…なの?」


「そうよ。 たった一人の妹だもの。
 何でも言う事きいてくれるわよ」


…そうなのかしら?


ジェニーは、さっきまでのモヤモヤしたした気分が、
すっきりと晴れていくような気がした。


そして、ジニョンの笑顔を見て、
やっぱり、お姉さんにはかなわないのかも…と、思った。

 

 


 ―――――――

 

 

 ― 夜 ―


アンティークホワイトとベビーピンクのバラの花束。

抱えきれないほどの花束を持って、ドンヒョクがジニョンの元へ帰ってきた。


「お帰りなさい、ドンヒョクさん。…今日もすごい花束ね」


「ただいま、ジニョン」


ドンヒョクは花束に負けないほどの、あふれる笑顔で
ジニョンにそれを渡すと、彼女の額にキスをした。


「ありがとう。とてもきれいだわ」

ジニョンはうっとりするように花束を見て、それから、彼の頬に感謝のキスを贈る。

…でも、このままだと花屋さんが開けるようになるわね…


「体の具合は?」

ドンヒョクはベッドのジニョンの隣に座ると、彼女の肩を抱いた。


「ええ、だいぶ元気になったわ。 一人で起き上がれるようになったし、
 もう、右手も使えるのよ」


「そう、でも あまり無理しちゃだめだよ」


そう言うドンヒョクの目に入ったのは、
サイドテーブルに置いた、小さな花のバスケットだった。


「…これは?」


「かわいいでしょ? 昼間、素敵な人がお見舞いに来てくれたの」


「…誰?」


「カン・レウォンさんよ。 あなたのオフィスの」


「カン・レウォン?」

ドンヒョクの目が光る。


「この近くに取引先があって、そこから帰る途中だって言ってたわ」


「ああ、そうだね。・・確かにこの近くだ。
 彼とは朝、オフィスで会って、今日は顔を合わせてないな。
 僕はずっと外出してて…」

ドンヒョクが、少し唇を噛んだ。


「ドンヒョクさん?」


「…気に入らないな…何で、あいつが…」


「あ、あのね。 レウォンさんって、お姉さんがいるんですって。
 でも今は結婚して日本に住んでるそうよ。
 …きっと、わたしをお姉さんみたいに思って、
 怪我をしたわたしに、同情してくれたのよ」

ジニョンは、あわてて言った。


「…お姉さん?」

ドンヒョクはまだ納得しない。


「そう言えば、あいつ、何かと君に興味を持ってた。
 …それに、最近少し様子が変だった…

 …もしかして、彼は君のこと…」


「何言ってるの?あなたの奥さんが、そんなにモテるはずないでしょう?」


「……」


…そんな事言うのは、本人の君だけだよ…

まったく、君は自分の事が全然わかってないな…

 

「おばかさんね、何を気にしてるの?」


「…ジニョン」


「わたしが愛してるのは、あなただけよ。知ってるでしょう?」


「…うん」


「誰も、あなたの代わりにはなれないって言ったでしょう?」


「うん」


「他に何か問題でも?」


「ジニョン、その言い方…」


「ドンヒョクさんみたいでしょう?」


ジニョンは楽しそうに笑い、
ドンヒョクの顔を両手で包むと、優しく唇を重ねた。


…これ以上、ドンヒョクの唇から問題点が出てこないように……


 








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