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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 27 HIT数 7802
日付 2010/01/12 ハンドルネーム aoi32
タイトル 森のカフェの物語 後編
本文

森のカフェの物語 後編


 

 

 

12月25日 クリスマスの日

雪がちらつく日だった。

 

彼と彼女は手をつないでカフェの中に入って来た。


そして、窓側の空いてるテーブルまで歩いて来ると、
彼女は自分の着ている白いコートを脱ごうとした。


さり気なく、彼がそれを手伝う…ごく自然に…

二人は向かい合わせで席に着くと、おたがいを見て微笑んだ。


「いらっしゃいませ。」

動揺する気持ちをやっと押えて、ミナは二人にメニューを渡した。


「ありがとう。」

ふいに、彼女はミナの方を見て微笑んだ。


ミナははっとした。


…綺麗な人…


スレンダーな体に合った黒のニットワンピース。


そして、プラチナのネックレス。


シンプルな感じが、彼女にとても似合ってる。


肩までのふわっとした黒髪、白い肌、大きな瞳


…そして 小さくて艶やかな唇…

 


「ジニョン、何にする?」

彼が彼女に話しかける。


「ドンヒョクさんは、いつも何を食べてるの?」

彼女が彼を見つめる。


…ドンヒョクさんっていうの?


「…僕は…」


「バジルかセサミのベーグルか、クロワッサンですね。」

ミナはつい言ってしまってから、「しまった!」と口に手を当てた。


彼…ドンヒョクが驚いてミナを見る。


彼女はクスクス笑い出した。

「やだ、ドンヒョクさん。お店の人に覚えられるくらい、よく来てるのね?」


「…いや それほどでは…」

ドンヒョクは少し困った顔をする。


彼女はまたミナの方を見て笑いかけた。


ミナもつられて笑った。


…来る回数の問題じゃないんだけど…


そう、何度来る人でも、全然覚えられない人もいるし…

 

「あ、わたしこれにするわ。
 『チーズとトマトのベーグルサンド・バジル風味』ね。」


「じゃあ、同じ物を二つ。あと、カフェオレとコーヒー。」


「はい、かしこまりました。」

ミナはそう言うと、オーダーを伝えるために奥に向かった。


…なーんだ、やっぱり恋人がいるのね。

おまけに、あんな綺麗な人

やっと名前がわかったと思ったのに…


ミナはがっかりして、大きなため息をついた。

 


ミナは、さり気なく二人を見る。


彼女が彼に話しかける。


彼…ドンヒョクが楽しそうに笑い、それに答える。


彼女は少し恥ずかしそうにうつむいた。


…ふーん あんなふうに笑うのね …何だか信じられない


ミナは複雑な気分だった。


そのうちに、彼が自分の隣のイスに手を置いて何か言った。


彼女は笑っていたが、すぐに立ち上がって丸テーブルの彼の隣のイスに座った。


そして 二人はおたがいに見つめ合うが すぐに彼女はうつむいてしまった。


彼が彼女の耳元で何か囁いた。


彼女は彼の腕を軽く叩き、少し赤くなった頬を両手で押えた。


彼は、また明るく笑った。

 

ミナは思った。


まっ、いいか…

あの人、何だかとっても楽しそうだし、

一人で来た時には、あんな笑顔見せなかったし、

それに彼女も、なかなか素敵な人だし…

うん、女らしくて…え…???


その素敵な彼女が、惜しげもなく大きな口をあけて
ベーグルサンドをほおばったのだ。


ミナは驚いて目を丸くした。


ちょっ、ちょっと! あんないい男の目の前で

どうして、そんな大口で食べられるの?

さっきまでのイメージと違うわ!

…って、あの人も笑ってるじゃない!

でも…何だかとても嬉しそうね …うん、嬉しそう!

それに、本当に美味しそうに食べるのね…


ミナもつい笑ってしまうのだった。

 

 

その後、彼女 ジニョンは時々、このカフェに来るようになった。


明るい性格のジニョンとミナは、その度によく話すようになった。


彼 ドンヒョクの家が、公園の向こう側にあること


そこに行く前に、ベーグルやパンを買って行くこと


…そして、春になったら 二人は結婚する…ということ…


ミナは、そんなことをジニョンから聞くことになる。

 

 

 


――――――――

 

 

 


春になった。


公園通りの桜並木が満開の頃、二人は結婚した。


そして、カフェに来る時は二人一緒の時が多くなった。


仲良く、二人は並んで座り


ジニョンがしゃべり、ドンヒョクが笑う。


ジニョンが大口をあけてベーグルサンドを食べ、ドンヒョクが笑う。


時々、紙ナプキンで口元を拭いてあげたりする…


ミナは、その度にからかうように言う。


「今日も仲がいいですね。もう、目の毒だわ!」


その言葉に、二人は顔を見合わせて笑うのだった。


ミナは、ため息混じりに微笑んだ……。

 

 

 


――――――――

 

 


今は 9月


今日は二人の休日


ジョギングの後、シャワーをあびて、
白いシャツとジーンズに着替えたドンヒョクは寝室のドアを開ける。


ジニョンはまだベッドの中で眠っていた。


ドンヒョクはベッドに座ると、ジニョンの頬にそっとふれる。


すやすやと眠る彼女。


口元にやわらかな微笑が浮かんでいる。


真っ白なシーツから出た、ジニョンの白い肩と細い腕


レースのカーテンから入る朝の光の中で
彼女の白い肌は輝いている。


ドンヒョクはそんなジニョンを静かに見ている。


久しぶりに、二人で一緒に迎える朝


静かに、おだやかに時間は過ぎて行く。


ジニョンが目をさました。


目をゆっくり開け、ドンヒョクを見つけ、微笑む。


「…おはよう、ドンヒョクさん。」


「おはよう、ジニョン。」


ジニョンは起き上がり、そして、また慌てて裸の胸をシーツで隠す。


ドンヒョクはふっと笑う。


「…ドンヒョクさん ずっとここにいたの?」


「ジニョンの寝顔を見てたんだ。」

ジニョンは頬を赤くする。


「…思い出してたんだ……」


「何を?」


「ジニョンが、この家に初めて泊まった時のこと…」


「…去年のクリスマス・イブ?」


「うん、雪が降ってた…」


「すごく寒い日だったわね。」


「そして 次の日、森のカフェに行ったんだ。」


「そうね…森のカフェ。」

 


カフェ “モン・フォレ”  

二人だけの呼び方・・“森のカフェ”

 


「ドンヒョクさん、よく覚えてるのね。」


「忘れないよ。…あの日、君は僕だけのジニョンになったのだから…」

ドンヒョクはジニョンを見つめる。


ジニョンも恥ずかしそうにドンヒョクを見つめる。


…彼女の白い肌がまぶしい…

 


そうだ…

あの日からずっと、僕は君から目を離せなくなった

もう、誰にも渡すことはできないと思った

 


ドンヒョクはジニョンに顔を近づける。


「…キスしてもいい?」


「だめって言ったら、しないの?」


「…する…」


花のように綺麗に笑うジニョン。


その彼女の笑顔にはいつも完敗のドンヒョク。

 


…… 数分後


ベッドサイドの床に


ドンヒョクの白いシャツがふわりと落ちてきた。


ほんの少し前まで…彼が着ていたはずの


…真っ白なシャツ……



 

 










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