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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 31 HIT数 7878
日付 2010/01/13 ハンドルネーム aoi32
タイトル 憧れのランチデート -3- 食べさせてあげる
本文

憧れのランチデート -3- 食べさせてあげる




 


ソウル市内の日本料理専門店「四季」

広い日本風の個室。

鮮やかな紅葉の絵が描かれた襖。

床の間には桔梗、撫子、ススキが生けられ

開け放した障子の間から見える中庭には

美しい桃色の花が咲く百日紅(さるすべり)の木。

石で囲まれた池と、ししおどし。


カーーーン……


…風流ね…

 


3人が昼食にチョイスしたのは、「蕎麦懐石」

のど越しの良い蕎麦と天ぷらの盛り合わせ

焼き松茸、茶碗蒸し…その他いろいろ…


…え? 3人…?

 


「すごい!!豪華ですね~。 これはソバ?
 テンプラ、美味そう! あ、これは、ワサビ?
 これって、鼻につーんとくるんですよね?」

大はしゃぎのレウォン。


「…で、何でここにおまえがいるんだ?」

最高に不機嫌なドンヒョクが睨みつける。


「やだな~。お二人がいけないんですよ。
 とっくに出かけたと思ってたのに、一階に下りて来たら
 あのホールの真ん中で抱き合ってたりして…」

レウォンがブツブツ言う。


顔で笑って、心の中にはどしゃ降りの雨が降る。


ジニョンが真っ赤になる。


「まわりはすごい人だかりで、大騒ぎで 気がついてなかったと思いますが、
 まだ新聞記者達が残っていて、写真を撮ろうとしてましたよ」


「え~!!」

ジニョンが声を上げる。


「だから、俺がお二人を救出したんですよ。
 まったく信じられないな、あんな所で。
 あのまま放っておいたら、どうなっていたか…
 感謝して欲しいな…」

レウォンが偉そうに言ってのける。


「何でお前に感謝しなくちゃいけないんだ!!」

…いいところだったのに…


ドンヒョクが向かい側に座っているレウォンの方に身を乗り出して怒る。


「ド、ドンヒョクさん、落ち着いて」

ドンヒョクの隣に座っているジニョンは慌てて彼の腕を押えた。


…どうも、レウォンが相手だとペースが乱れる。どうしてなんだ?

ドンヒョクは少し混乱していた。


「ね、いいじゃない? レウォンさんには2回もお見舞いに来てもらったし
 今日は、そのお礼ということで」

ジニョンがドンヒョクの手を両手で包み込み、彼の顔を覗き込んで微笑んだ。


「……」


「そう、2回ですよ」

レウォンが意味ありげにドンヒョクを見た。


「…2回…?」

ドンヒョクがつぶやいた。

ドンヒ
ョクとレウォンの視線が絡み合う。


…この男は…もしかして、からかってるのか? この僕を?

それなら、こっちだって考えがある…


「レウォン」


「はい?」


「君は ニューヨークに行きたくないか?」


「は…?」


「ニューヨーク支社で仕事するっていうのはどうだ?
 あっちで少し修行して来い。 1年、いや 3年ぐらいどうだ?」

半分、本気?のドンヒョク。


「いっ、いえ! まだ俺にはそこまで行く力もありませんし、
 もっとボスに鍛えてもらってからで…」


「……」

すがるようなレウォンの目を見ると、なぜか強く言えないドンヒョク。
 

…ニューヨークじゃ駄目か。そうだ それじゃ、日本?

以前から考えていた、日本に支社を作るか…

“日本デビュー” いいかも…

ああ、でも近すぎる。 こいつは週末の度にソウルに戻ってきそうだ
    
そして ジニョンに…


思いっきり、公私混同するドンヒョク。

 


「ドンヒョクさん。何ぶつぶつ言ってるの?
 早く食べないと冷めちゃうわよ。…ほら、食べさせてあげる」

ジニョンが茶碗蒸しをスプーンですくってドンヒョクの口元に運ぶ。


「……

一瞬、固まるドンヒョク。


「ジ、ジニョンさん、俺も!!」

恐れを知らないレウォン。


氷よりもずっと、ずっとはるかに冷たい視線のドンヒョク。


「あら、だめよ レウォンさん。
 ドンヒョクさんは、わたしのだんな様だから食べさせてあげるのよ」

ジニョンはにっこり笑う。


ドンヒョクはふっと笑う。


たちまち機嫌が直るドンヒョク。


レウォンはむっとする。

 


…よーし、食べさせてもらおうじゃないか

それを写真に撮って、オフィス中のパソコンの壁紙にしてやる

そうだ 俺は今、なぜかデジカメを持っている

この前、日本にいる姉貴に頼んで アキハバラで買ってきてもらった

"SANY”のサイバーショット…色はワインレッドが欲しかったが

売り切れてたので スターダストブルーだ

光学3倍ズームで高画質性能。

さっきのラブシーンも綺麗に撮れてるはずだ

…って、何でこの俺が、二人のイチャイチャしてるところを

撮らなきゃいけないんだ?  

 


複雑すぎるレウォン。

 


ニコニコしてスプーンを向けるジニョン。


ドンヒョクさんの機嫌が直ってよかったわ

もう、本当にやきもちやきなんだから…

そこがまた、かわいいんだけど…

 


嬉しいけれど、さすがにとまどうドンヒョク。


…レウォンさえいなければ、茶碗蒸しだけじゃなく、

ジニョンの甘いキスも食べさせてもらえるのに…


小さくため息をつくドンヒョク。

 


そして、シャッター・チャンスをねらうレウォン。


…ああ、こうやって二人のことをからかっていれば

いつかは、ジニョンさんのことを忘れられるのかな……

 


いろいろな思いが交錯するランチタイムは、どんどん過ぎて行く。

 


それにしても……

二人だけのランチデートができるのはいつ?



 


                           おわり


 








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