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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 34 HIT数 8134
日付 2010/01/14 ハンドルネーム aoi32
タイトル あなたなんて大嫌い 後編
本文

あなたなんて大嫌い 後編

 

 

 

「……で、シン・ドンヒョクとソ・ジニョンの破局の原因は何だ?」


「はっ、破局なんてしてないわ!!」


「…じゃあ、喧嘩の原因は?」


「喧嘩じゃなくて…わたしが一人で怒ってるだけかも…」


「…そんな事だろうと思ったよ」

テジュンがあきれたように言った。


「何よ! テジュンさんまでわたしをばかにするのね!」

ジニョンが叫んだ。

 


ソウルホテルの社長室のソファに座って、テジュンはあきれてため息をつき
ジニョンは頬を膨らませた。

 

 

 

 


それは、昨夜の事…


ドンヒョクとジニョンの家

 


「…え? 教習所に通うっ…て?」

ドンヒョクが驚いてジニョンを見た。


「そうよ、車の運転免許を取るの」

ジニョンは元気よく言った。


「…僕は賛成できないな。ジニョンには無理だよ」


いきなりのドンヒョクの否定的な言葉にジニョンはむっとした。


「なぜ、すぐに決めつけるの?」


「…ジニョンはちょっとした事ですぐ慌てるし、一つの事に夢中になるとまわりが
 見えなくなるし、家の中でもすぐ何かにぶつかるし、何もない所でもすぐ転ぶし
 どこでもすぐ眠るし、それに方向オンチだし、反射神経もいいとは言えないし
 スポーツも苦手だし、泳げないし…」


ドンヒョクが次々と理由を言ってくれる。


「泳げないのは関係ないでしょう!!
 そっ、それに! よくもまあ、そんなに人の欠点をすらすらと言えるわね!!!」


「欠点なんて言ってないよ。そんなところが可愛いって思ってるよ」


「わたしの事、ばかにしてるのね?」


「してないよ、ジニョン 落ち着いて…
 大体、仕事の時間も不規則な君が、いつ教習所に通うの?
 ただでさえ、ハードな仕事なのに…君は計画性がなさすぎる…」


「……」


「車の運転なんてしなくてもいいじゃないか。
 僕がどこでも送ってあげるから」


「それが嫌なの。…あなたの負担になるのが嫌なの!」


「負担だなんて思わないよ。前にも言っただろう?
 …とにかく、教習所に行くのは反対」


「…あなたって本当に横暴なのね」


「ジニョン」


「もういい…」


「ジニョン…」


「…嫌いよ、あなたなんて。 ドンヒョクさんなんて大嫌い!!!」

 

 

 


ジニョンはそこまで話してうつむいた。


また大きなため息をつくテジュン。


「…今度ばかりは、シン・ドンヒョクの意見に賛成だな」


「テジュンさんまでそんな事言うの?」


「…ジニョン お前、3か月前の交通事故の事をもう忘れたのか?」

テジュンはジニョンを見つめた。


「え? わ、忘れてない…わ」

ジニョンは動揺した。


「いや、忘れたんだ。でなきゃ、車の運転をするなんて言い出ださないはずだ」


「…テジュンさん」


「あの時、ドンヒョクがどんなにジニョンの事を心配したかわかってるのか?」


「わかってるわ…」


「レオさんから知らせを受けて、最初にジェニーと一緒にかけつけた時、
 お前の意識はまだ戻ってなかった。あいつ、お前の側にずっとついてて
 …青ざめた顔して何度もお前の事を呼んでた…」


ジニョンの瞳から涙が溢れ出した。


「…でも、俺を見て言ってた…」

 


“大丈夫だよ、テジュンさん。必ずジニョンは目を覚ますから…
 …それに、もしこのままだとしても 僕はずっと側にいるから
 目を覚ますまであきらめないから……”

 


「…そう言って 少し笑ったんだ……」

テジュンがまたジニョンを見つめた。


止めどなく…ジニョンの瞳から涙がこぼれ落ちてくる。


「…わたし…ずっと思ってた…
 ドンヒョクさんはわたしのために全てを失った…って。
 本当にたくさんのことを捨ててきたんだって。
 だから、これ以上 負担になるのは嫌だったの。仕事の邪魔はしたくなかったの。
 …だから、少しでもあの人の負担をなくそうと思って……」


「ばかだな、ジニョンは。そんなふうに思ってたのか?
 あいつは何も失ってないじゃないか。
 地位とか財産よりも、あいつは価値あるものを手に入れたんじゃないのか?
 ソ・ジニョンと、今まで持てなかった安らぎの時間、信頼できる仲間とか…
 それに…俺みたいにしょうもない友人とかさ。
 ま、あいつがどう思ってるかは知らないが……」


「…テジュンさん…」

 


その時テジュンの携帯電話が着信を知らせた。


「…もしもし…ああ、もう着いたのか?早かったな。
 今、ホテルの見回りをしてるから、社長室で待っててくれ。
 …ああ、すぐ行く」


テジュンはジニョンを見た。


「もうすぐドンヒョクがここに来る」


「え?」


「俺が呼び出したんだ。後は二人で何とかしろ。
 なぜ、あいつが今回の事を反対する一番の理由…お前の事故の事を
 ひと言も言わないのか、よく考えてみろ」


テジュンは立ち上がってジニョンに背を向けた。


「あの事故で一番辛い思いをしたお前に
 もう思い出してほしくなかったんじゃないのか?
 でも、俺は言うぞ… あいつみたいにお前に優しくないからな」


「…テジュンさん、ありがとう…」


「ばかやろう… 俺にこんな事言わせるな」

 


テジュンはそう言うと部屋から出て行った……。

 

 

 


ドンヒョクが社長室のドアを開けた。


ジニョンは迷う事なく駆け寄って ドンヒョクの胸に飛び込んだ。


「ジニョン? どうして ここに?」

ドンヒョクは驚いていた。


「…ごめんなさい!ドンヒョクさん」

ジニョンの瞳からまた涙が溢れてきた。


「…僕の方こそ悪かったよ ごめん、ジニョン 昨夜は言い過ぎた」


「ううん、ドンヒョクさんは少しも悪くないわ。
 わたしが悪かったの。ほんとに鈍感で、何も考えないで…」


「…ジニョン、僕は……」


「もう、何も言わないで…」


「ジニョンの事が心配だったんだ …それだけなんだ。
 だから もし、ジニョンがどうしてもって言うなら協力するよ」


「!!!」

   


…ああ、そうよ!

この人はこういう人だった

いつも、まっすぐにわたしを見て
         
わたしの事だけ思って… 見守ってくれて…

そんな…愛しい大切な人……

 


「…、教習所の事は、もう少しちゃんと考えてみる。
 だから また、ドンヒョクさんの車に乗せてね」

ジニョンはドンヒョク見つめた。


「…それでいいの?」

ドンヒョクが少し躊躇ったように言った。


「いいの…」


ジニョンはドンヒョクをぎゅっと抱きしめた。


「本当は ドンヒョクさんの車の助手席に座ると、とても安心できるの」


「うん、あの席はジニョンの指定席なんだ。
 あそこに乗せるのは ジニョンとバラの花束だけ……」


「…最高に甘い台詞ね…」

ジニョンはくすっと笑った。


今度はドンヒョクがジニョンを抱きしめた。

 


「…ドンヒョクさん…」


「うん?」


「キスして…」


「今?」


「そうよ、昨夜からの分…」


ジニョンは潤んだ瞳でドンヒョクを見つめた。


ドンヒョクはふっと笑う。

 


「…最初はね “お休みのキス”」

「うん…お休みジニョン…」

…チュ

 

「…次は “おはようのキス”」

「おはよう、ジニョン」

…チュ

 

「最後は…“行って来ますのキス”…」

「行って来るよ、ジニョン」

…チュ

 

……優しい、優しい “愛の挨拶のキス”

 


ジニョンは しっとりと濡れた瞳でドンヒョクを見つめた。


今度はドンヒョクがジニョンの頬を両手で包んだ。


「…え…?」


ジニョンの瞳が揺れる。

 


「…もうひとつ… “愛してるのキス”…」


ドンヒョクはそう言うとジニョンと唇を重ねた。


それは… 甘くて、熱くて、息もできないくらいの激しいキス。

 
ジニョンの震える手がドンヒョクの背中に回る。
 

ドンヒョクもジニョンの体をきつく抱きしめる。
 

…人前ではできないような ため息が出るようなキス……

 

 

 


そのキスをドアの隙間から見てるのはイ・スンジョン。


あまりの驚きに声が出ない。


テジュンに口止めされたが、我慢できず見に来たのだった。


そんな彼女の腕を掴み、その場から引きずり出したのは、オ・ヒョンマン。


「あっ、あなた…」


「覗き見なんて悪趣味だ。やめなさい」


「あっあら、違うわよ。あたくしはジニョンが心配で…
 でも、あっという間に仲直りしたわね」

少し残念そうなスンジョン。


「大体、本当にあの二人が喧嘩したのか?」


「それは間違いないわ!!」


「また君の勘違いじゃないのか?」


「失礼ね!・・あ~、それにしても昨夜からの分を今キスするなんて…
 10回はしてたわね」


「そんなにしてないだろう?せいぜい、3、4回…」


「あらっ・・ダーリンもしっかり見てるんじゃない。
 それよりっ・・最近、あなた、キスしてくれないわね?」


「あっ、あの二人と比べないでくれ! あっちはまだ新婚じゃないか!」


「一年前でもあたくしたちは、そんなにキスしなかったわ!!」
  

「そっ、それは…」


「…ダーリン!!」


スンジョンの真っ赤な唇がヒョンマンに襲いかかった。


「やっ…やめなさい!!」


苦しそうにもがくヒョンマンの顔をがっしり押さえ込むスンジョン……。

 


「………」


社長室に戻ろうとしていたテジュンは立ちすくんだ。


そして、慌ててその光景から目を背ける。

 


…何…だ? 今のは……

み、見なかったことにしよう!!!

 


テジュンはその場から逃げるように、また歩き出した。

 


…きっと…

まだ、社長室に戻ってはいけないという、何かの暗示かもしれない…

 


テジュンは 今、自分の部屋で何が起こっているかわかったような気がした。


そして、また深いため息をつくと、何度も首を横に振った……。

 

 

 


その頃 社長室では……


ドンヒョクはまだジニョンを抱きしめていた。


優しく、包み込むようにしっかり抱きしめる。


そして、幸せそうなジニョンの耳元で囁く。


「ジニョン…」


「え?」


「僕からも頼みたい事があるんだけど」


「…何?」


「もう、二度と “大嫌い”なんて言わないで」


「あっ、あれは嘘よ」


「ショックで心臓が止まるかと思ったよ…」

本気で言うドンヒョクの声は切ない。


「ごめんなさい…」

ジニョンの胸がきゅんとする。


「…もう二度と言わないわ…」

ジニョンがドンヒョクの体をぎゅっと抱きしめる。


「…それから」


「ん…」


「夜の公園のベンチに一人で座るのは危ないから、やめようね…」


「え? ……えーーー???」

 

 

 

                 おわり 

 










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