ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367398/1904639
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 41 HIT数 7717
日付 2010/01/21 ハンドルネーム aoi32
タイトル November -6- さよなら 愛してる
本文

November -6- さよなら 愛してる 
 

 

 

―― 国際空港の出発ロビー ――

 


「…まさか、ボスが見送りに来てくれるなんて思いませんでしたよ」

レウォンが嬉しそうに言った。


「…ジニョンが仕事で来られないから、伝言を伝えに来ただけだ」

ドンヒョクが冷たい視線を向けた。


「ジニョンさんの代わり?」


「弟みたいなレウォンだけど、また静かな生活に戻れるから
 当分、帰って来なくていいそうだ」


「………」


…本当 にジニョンさんの事になると 
子供みたいに我儘になるんだ… ボスって…


レウォンは思わず笑い出した。


ドンヒョクは怪訝な顔をした。


「じゃあ、俺からもジニョンさんに伝言があります」


「何だ?」

レウォンはふっと笑うとドンヒョクに近づく。


「…え?」

ドンヒョクが驚いた。


レウォンがドンヒョクを抱きしめたのだ。

身長が同じくらいの二人は、今にも頬が触れ合いそうだった。


「…何の真似だ?」

ドンヒョクは、真直ぐに立ち無表情のまま言った。


「ジニョンさんがボスを抱きしめると、どんな感じかなと思って」

切ないレウォンの瞳はドンヒョクには見えない。


「…?…」


「ジニョンさんがいないから、代わりにボスを抱きしめてるんです」


「……」


「…さよなら… それから…愛してます…」

レウォンがドンヒョクの耳元で言った。


「!!!」


「…と、ジニョンさんに伝えてください」


「!!!」


思わず、ドンヒョクはレウォンに掴み掛かろうとしたが
次に何が起こるか予期していたレウォンは素早く逃げた。

そして、明るく笑った。


「ちゃんと伝えてくださいよ、ボス」


「誰が言うか!」

ドンヒョクはレウォンを睨みつけた。


レウォンはドンヒョクのその顔がけっこう好きだった。


「は…じゃあ、行って来ます」

レウォンが頭を下げた。


「一生、帰って来るな。」


レウォンが楽しげに笑った。


ドンヒョクも少しうつむいて、微かに笑う。

 


レウォンは真直ぐに前を向いて、出国ゲートの中に入って行った……。

 

 

 

 


―― 空港のパーキング ――

 


「…もしもし、ジニョン?」


『ドンヒョクさん?』


「レウォンが今、行ったよ」


『そう…』


「……」


『…ドンヒョクさん、寂しい?』


「……」


『寂しい時は、寂しいって言っていいのよ』


「…ジニョンが研修で、一週間いなかった時みたいに寂しい」


『…微妙ね』

ジニョンはくすくす笑った。


その声に意地悪ドンヒョクが動き出す。

 


「…ところで、ジニョン?」


『え?』


「今日、思い出した事があるんだ」


『何を?』


「2日前、僕がジニョンにレウォンの事を好きか 聞いたのを覚えてる?」


『え? ええ」
 
「あの時ジニョンは 僕の次の次の次の…次ぐらいにレウォンが好きだって言ってた」


『は?』


「僕とレウォンの間に、ジニョンの好きな男が3人もいるんだね」


『あっ、あれは言葉の弾みみたいなもので…!』


「嫉妬深いシン・ドンヒョクとしては、是非ともその3人が誰なのか知りたいね」


『え?』


「今夜帰ったら、ジニョンの答えをじっくりと聞かせてもらうよ」


『え?』


「納得いく答えを聞くまでは、寝かせないからね」


『え?』


「じゃあ、今夜」


『まっ、待ってドンヒョクさん!  もしもし?もしもし?』


携帯電話の向こうでジニョンが大声をあげている。


あまりにも大きな声なので、ドンヒョクは携帯を耳から離した。


『もしもし? ドンヒョクさん? もしもし?』


ジニョンの叫び声が響く。

ドンヒョクはおかしくて笑い出した。

 


その時だった。


飛行機が空に向けて飛び立った。


そして、青空に吸い込まれて行くように段々と小さくなって行く。

 


雲ひとつない11月の青い空。

     
…青空みたいな奴だったな……


ドンヒョクは、次第に見えなくなる飛行機の方を見て呟く。

 

「…Good luck to you …カン・レウォン…」

 

ドンヒョクの顔には、おだやかな微笑がうかんでいた……。

 

 

           つづく…

 

 








前の書き込み November -7- 寝かせない夜 ― どっちが好き? ―
次の書き込み November -5- ムーンライト・キス
 
 
 

IMX