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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 50 HIT数 8239
日付 2010/01/28 ハンドルネーム aoi32
タイトル 粉雪のクリスマス -5-(終) パーティー
本文

粉雪のクリスマス -5-(終) パーティー



 


―― 1年後 ――


12月24日 クリスマス・イブ

 


今年は雪は降っていない


ソウルホテルのロビー

 


「…まさか、あそこで あんなキスをするなんて。」

チェ・リナはジニョンの顔を覗き込んだ。


「……」

一瞬で真っ赤になるジニョン。


「おかげで、パーティーは盛り上がりましたし、父も喜んでましたけど…
 去年のイブにお見合いもしないうちにふられて、今年は目の前で
 ラブシーンを見せつけられたわたしって いったい…」

リナはそう言うと、うつむいて肩を震わせた。


「あっ、あの ごめんなさい、リナさん。」

ジニョンは慌てて言った。


リナはクスクス笑い出した。


「冗談ですよ。ドンヒョクさんにとても愛されているジニョンさんに
 ちょっと意地悪したくなっただけです。」


「もう、リナさんったら…」

ジニョンとリナは顔を見合わせて笑った。

 


「…それにしても 遅いわね、ドンウォンたち…」

リナが首をかしげながら言った。


「お友達?」


「ええ、今夜 こちらでクリスマスパーティーがあるんですけど、
 一緒に行く予定なの。4人いるんですけど。」


「4人?」


「ええ、みんな幼なじみみたいなもの。でも、何だか頼りなくって…
 やっぱり、わたしは年上の大人の男性の方が好きなんですよね。」


その時だった。


「…リナ!!!」


声がする方を見てみると 若い男性が歩いて来る。

やはり、4人…それも 横に並んで。

かなり目立っている。

まぶしい……


「あ…」

ジニョンは思わず声を上げた。


「リナ!早かったな!!!」


「遅いわよ!あなたたち。」


「ごめん、ちょうど渋滞で…あれ?」

ジニョンは思わず背を向けた。


「…もしかして、シン・ドンヒョクさんの?」

「奥さんですよね?」

「そうだ、え? このホテルで仕事してるんですか?」

「ひゃ~!そうだったんだ!」


「あっ、あの!」

4人が一気にしゃべるので、ジニョンはまた慌ててしまった。


「パーティーの時のドレス姿も綺麗でしたけど、制服もいいですね。」

「ん~! 確かに、きりっとしてて…美しい。」

「あれ?どうかしたんですか?」

「僕たちのこと お忘れですか?」


「キム・ドンウォンです。」

「リュ・サンウです。」

「イ・シウォンです。」

「パク・ドンゴンです。」

「4人合わせて M4です。」


4人はどこまでも明るく言ってのけた。


ジニョンは呆然とした。

 

「ふんっ!」

リナはあきれたように言った。

「あなたたち ホントに軽いわね。少しはドンヒョクさんを見習ったらどうなの?」


「きついな~、リナは。」


「あ、そう言えば シン・ドンヒョクさんは、今日はここにはいないんですか?」

「来てるなら、パーティーに顔を出してもらいたいな。」

「いろいろ、話も聞きたいし…」


「……」

ジニョンは笑ってごまかした。


…まさか 今、来ているなんて 言えないわ

 


ちょうどその頃 少し離れたフロントでは、ドンヒョクとレオが話をしていた。


ホテルの会議室で、取引先との商談を終えたドンヒョクは
にこやかにフロント係のテヨンに話しかけた。


「…ところで、僕のソ支配人はどこにいますか?」


「は? あ、はい…」

彼女はドンヒョクの言葉に反応して、なぜか赤くなった。


それを見て レオはあきれたように言った。

「ボス、よく そんなセリフを平気で言えるな。
 性格が変わったか?」


「何言ってるんだ。人の性格がそんな簡単に変わるわけないだろう?」


「……」

涼しい顔のドンヒョクを見て、レオは黙って顔を横に振った。


「…あの、ソ支配人なら あちらに…」

テヨンは笑いをこらえながら、ロビーの中央を手で指し示した。


ドンヒョクは何気なく振り向いた。


「!!!」

なぜ、あいつらが ここにいるんだ?


ドンヒョクは、数日前のパーティーで、あの4人に囲まれ
もみくちゃにされたことを思い出し、ゾクッとした。


どこまでも明るくて、軽い男たち。


あ、またジニョンが囲まれて 困ってるじゃないか!

 


ドンヒョクは大股で歩き出した。 ジニョンを助けるために。


「ジニョン!」


「ドンヒョクさん。」

ジニョンがドンヒョクに気がついた。


ドンヒョクがジニョンの手を取ろうとした瞬間、また4人がドンヒョクを囲んだ。


「シン・ドンヒョクさん!」

「やっぱり、ここに来てたんですね。」

「今夜は僕たちのパーティーに来てください。」

「さっ、行きましょう。」


「はっ、離せ!」

ドンヒョクはまた4人に腕を掴まれ、背中を押され、身動きが取れなくなった。

 


その時だった。

 


「…ジニョンさん!!!」


誰かがまたジニョンの名前を呼んだ。

 


「え???」

ドンヒョクは一瞬、自分の目を疑った。


その、元祖 明るくて、軽くて、人なつっこい瞳に男が
太陽のような笑顔で 両手を大きく広げてジニョンに向かって走って来た。


「危ない!ジニョン!!!」


ドンヒョクは咄嗟に4人の手を振り切ると走り出し
ジニョンをかばうように彼女の前に立ちはだかった。


その男は突然のドンヒョクの行動に、自分の動きを止められず
そのまま、ジニョンの前に立ったドンヒョクを抱きしめた。


「………」


「………」


「…一体、何を考えてる?カン・レウォン。」


「えっと…今日はボスの代わりにジニョンさんを抱きしめようかと。」


「おまえ、今はニューヨークにいるんじゃなかったのか?」


「ボスが心配してるからクリスマス休暇の間、ソウルに帰れと支社長が…」


「ディックの奴、余計なことを…」

 


レウォンの腕はまるで固まってしまったように、ドンヒョクを抱きしめている。


なぜか、ドンヒョクも振り解こうとしないで、そのまま立っていた。

 


驚いて目を丸くするM4の4人。


びっくりして口に手を当てるリナ。


ドンヒョクの大きな背中を見て微笑むジニョン。


だが、一番 ショックを受けたのはレオだった。


また 見当違いな考えが頭の中をぐるぐる回った。

 


クリスマス・イブのソウルホテルのロビーは賑やかだった……。

 

 

 

 


― 二人の家 ―

 


カラフルで、可愛いオーナメントがたくさんついた白いクリスマスツリー。

ドンヒョクは交互に点灯するライトをぼんやり見つめる。


「…ドンヒョクさん、どうかした?」

そんな彼を後ろから抱きしめるジニョン。


「いや、何だか 周辺が…どんどん賑やかになって来たなと思って。」


「賑やかなのは苦手?」


「思っていたより悪くない。…でも まだ慣れない。」


ジニョンは優しく微笑むと、ドンヒョクの頬にキスをした。


「でも わたしと二人だけのパーティーも悪くないでしょう?」


「それは…世界でいちばん 最高のパーティーだ。」


ドンヒョクはやわらかく微笑んだ。

そして ジニョンの手を引いて抱き寄せた。


愛しいジニョンと唇を重ねる時は、誰にも邪魔はさせない。

 


ドンヒョクは知っていた。


どんなに強く、きつく、息もできないくらいぎゅっと抱きしめても
僕のジニョンは 雪のようにとけて、消えてしまうことはないと…

 


ドンヒョクはジニョンの耳元で囁いた。


「メリークリスマス…ジニョン。」


ジニョンはドンヒョクの胸の中で囁いた。


「メリークリスマス…ドンヒョクさん。」

 


そして二人は、愛してると同時に囁く。


初めて結ばれた去年のこの日と、思いは変わっていない。


たぶん、おたがいへの愛しさはますます深くなっているような気がする。

 


   

 

クリスマス・イヴ


ソウルの街に

      
また 天使のお菓子のような 真白な粉雪が舞い降りてきた……。

 


メリー・クリスマス……

 

 


               おわり

 


 








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