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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 52 HIT数 8059
日付 2010/02/10 ハンドルネーム aoi32
タイトル ドンヒョクとレウォンの冬休み
本文

ドンヒョクとレウォンの冬休み

 


―― ソウルホテルの室内プール ―-

 

新年をソウルで過ごしている宿泊客や訪問客が初泳ぎをしようと、プールに来ていた。


休暇中のビジネスマンや優雅な女性客が多いようだ。


のんびりした雰囲気の中で、一際、目立っているのが
少し前からずっと泳ぎ続けている一人の男。


彼は、逞しく引き締まった肉体を惜しげもなくさらし、水しぶきをあげ
のびやかに美しいフォームで泳いでいる。


女性客の熱い視線を集めながらも、まったく、それに気がつかないかのように
彼は泳ぎを、バタフライからクロールに変えた。


その時だった。


折り返してターンをした彼と同時に、隣のコースに飛び込んだ男がいた。


その男はピッタリとくっついて、彼の隣をクロールで泳ぐ。


二人はほとんど同時にゴールした。


プールの淵にたって、最初の男はゴーグルを外し
後から泳ぎ始めた男を睨みつけた。


「…また、おまえか、カン・レウォン。」

大きく息を弾ませながら、ドンヒョクは言った。


「ボス、泳ぎも完璧ですね。」

レウォンもゴーグルを外すと、いつものように、太陽のような明るい笑顔を向けた・・。

 

 

 


目の眩むような2ショットだった。


プールからあがったドンヒョクは、プールサイドを足早に歩く。


レウォンもその後をついて行く。


二人の男の体を、水滴が滑るようにきらきらと光るように落ちていく。


ドンヒョクはデッキチェアーに置いてあったタオルを取ると、軽く自分の体を拭いた。


レウォンはそれを見て内心驚いた。


…すげえ腹筋! 負けてるよ、俺…

 


「お前、ここに何しに来たんだ?」

ドンヒョクは冷たい目でレウォンに言った。


レウォンは少しも気にせず、明るく言った。

「何しに…って、泳ぎに来たんですよ。
 仕事も休みだし、体もなまってるし、何か運動でもしようかと…
 そしたら、久しぶりに泳いでみようかと思って。」


「それで なぜ、ここなんだ?」


「それは もちろん…」


「…やっぱり、言わなくていい。」 …聞かなくてもわかってるよ


「…ボスも同じだったりして…
 せっかくの長い休暇なのに、ジニョンさんは仕事ですか?残念ですね~。」

レウォンは笑いながら言った。


「………」

ドンヒョクは氷のように冷たい視線を向けた。

 


端正な顔立ちからは想像もできない、逞しく伸びやかな肉体を持つドンヒョク。


人なつっこい瞳と優しい顔立ちでも、若々しい引き締まった肉体のレウォン。


プールサイドの女性客たちは、すっかり泳ぐことなど忘れ、
ギリシャ彫刻のように美しく、すらりとした男二人を、熱い思いで見つめていた。

そして今年は良い年になりそうだと、ここに来て本当にラッキーだったと思っていた。

 

 

 


ドンヒョクがプールに来ていると知ったジニョンが、様子を見に来た。

「…あっ、ドンヒョクさん!」

優雅で、すっと背筋が伸びた後姿で すぐにドンヒョクだとわかったジニョンは声をかけた。


「ジニョン?」

ドンヒョクは振り返った。


「もう、泳ぐのは終わり?  …あら?」

ジニョンはドンヒョクの近くにいるレウォンに気がついた。


!!!


ドンヒョクは大股でジニョンに近づくと、彼女の肩を押さえ
もう一方の手で彼女の目を覆った。


「なっ、何?」


「見なくていい。」


「え…?」


「そのまま後ろを向いて…」

ドンヒョクはジニョンの体を後ろに向かせた。


「どうしたの?ドンヒョクさん。」


「…僕以外の男の裸は見なくていい。」

ドンヒョクはジニョンの後ろから彼女の肩に手を置き、耳元で囁いた。


「なっ…!」

ジニョンの顔も、耳も、うなじも、真っ赤になった。


「このまま 仕事に戻りなさい。」


「……」

ドンヒョクの真剣な声に、思わずジニョンは笑ってしまった。


「それは 理事としての業務命令ですか?
 それとも 我儘で、嫉妬深い わたしのだんな様の忠告?」


「両方です。」

そう言うとドンヒョクは、笑いながらジニョンを後ろから抱きしめた。


少し濡れた、彼の逞しい胸と腕がジニョンをやわらかく包み込む。


「…勤務中なんですけど シン理事。」

ジニョンは恥ずかしそうにうつむいた。


「そうでしたね…」

信じられないほど ドンヒョクの目も声も優しい。


二人はくすくす笑い出した。


「あの~、俺 ここにいるんですけど…」

レウォンが情けない声を出した。


「お前はもう一度、泳いで来い。」

ドンヒョクは振り向いて、冷たく言った。

 


その時だった。


「兄さん、お待たせ!」


今度はジェニーが入って来た。


仕事の後、ドンヒョクと夕食を一緒にする約束をしていたのだ。


今夜は、ジニョンが夜勤なので、兄妹二人だけのディナーだった。


「ジェニー。」

ジニョンが笑いかけた。


「あ、お姉さん?  今夜は兄さんをお借りしますけど、よろしいでしょうか?」


「良かったわね。いちばん高い物をご馳走してもらってね、ジェニー。」


「ええ、もちろん。ちゃんとリサーチ済みよ。…あら?」

ジェニーもレウォン気がついた。


「こんにちは、ジェニーさん。」

レウォンが笑いかけた。


「え… レウォンさん?」

ジェニーは一瞬、動揺した。


以前、ジェニーの寂しい気持ちを、何気なく言い当てたのはレウォンだった。


少しの心の動揺が、ジェニーを慌てさせた。


ジェニーは無意識のうちに後ずさりをしたので、水で濡れた床にヒールが滑り
バランスをくずし、そのままプールの方に体が傾いた。


「ジェニーさん!!」


慌ててレウォンがジェニーをつかまえようとしたが、やはり間に合わず
二人は一緒にプールに落ちてしまった。


ドンヒョクはジニョンを見ていたので、一歩遅れてしまった。


ジェニーは慌ててもがいていたが、すぐにプールの底に足がつくことに気がついた。


しかも、彼女は兄に似て、水泳は得意だった。


だが、レウォンはジェニーを助けて彼女を引き上げようと
彼女の両脇に手を入れた。


!!!

ジェニーはびっくりした。

「どこ、触ってるのよ!!!」


「え?」

レウォンが声を上げたのと、ジェニーが彼に平手打ちを浴びせたのが、ほとんど同時だった。


「あ……」

「え……?」


レウォンとジェニーは、呆然とお互いを見た。

 


「………」

ドンヒョクは、なぜか自分の頬を手で押えた。


「ジェニー…」

ジニョンはびっくりしてプールの方を見つめた。


「…ジニョン…」

ドンヒョクはつぶやくように言った。


「え?」


「…僕は ジニョンが泳げなくて、本当に良かったと思うよ…」


「………」


ドンヒョクは、あの時のことを思い出していた。


ジニョンは、あの時 助けを求めて、夢中でドンヒョクにしがみついて来た。


初めてジニョンの顔を間近で見て、水の中で彼女の背中を抱いた……

 


「…ジニョン。」


「はい?」


「もう一度 プールに落ちてみない?」


「………」


「すぐ助けるから。」


「…ドンヒョクさんも 平手打ちされたいの?」


「……」

ジニョンはドンヒョクを少し睨んだ。

ドンヒョクは笑って、また頬を押えた。


「冗談だよ。」


ジニョンは、あきれたように笑い、ドンヒョクを見つめた。


「もう嫌よ、あんな苦しい思いをするのは…」


「そうだね。…ごめん、ジニョン 変な事言って。」


「…プールに落ちて あなたに助けてもらって、また 恋におちて…
 苦しい思いをするのは…嫌…」

ジニョンはそう言って、少し切なそうに微笑み ドンヒョクを見つめた。


「…ジニョン…」

ドンヒョクは驚いたようにジニョンを見つめ返した。

 

…今年も やっぱり、ジニョンに夢中…


確かな予感だった……

 


二人はまた ゆっくりと深い愛情に満ちた眼差しで、お互いを見つめ合った……。

 

 

 


「ちょっと!!! 兄さん!お姉さん! わたしのこと忘れてない???」

 


二人は驚いて振り返った。


……忘れていた…

 

そこには 自力でプールから這い上がったジェニーが
ぷりぷり怒りながら びしょ濡れで立っていた。


そして その後ろには…


レウォンが、左頬だけ赤くして ぼんやりと立っていた。


彼は大きなため息をつく。


2日後には ニューヨークに戻る予定のレウォンだった……。

 

 








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