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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367398/1904639
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 53 HIT数 8624
日付 2010/02/10 ハンドルネーム aoi32
タイトル 行かないで -1- 悲しみがとまらない
本文

行かないで -1- 悲しみがとまらない

 


…来た! ラッキー!!!


ソウルホテルのフロント係のテヨンは、心の中で叫んでいた。


いつ見ても、超カッコイイあの人…


すらっとしてて、優雅な仕草で、端正な顔立ちで、彼女の知っている男性の中でも
最高ランクのあの人。


だが お客様には最高の笑顔でもてなすホテリアーは
そんな感情を表に出してはいけない。


あくまで 品良く、控え目に…

 


「こんにちは、シン理事。」

テヨンは自分の中でも最高の笑顔で、シン・ドンヒョクに挨拶をする。


「こんにちは。ソ支配人は 今はどこにいますか?」

ドンヒョクはにこやかに、静かに尋ねる。


…やっぱり、ソ支配人よね

たまには違う事を聞いてくれないかしら?

でも、今日は“僕の”が入ってないわね

もしかして 少し照れてるのかしら?


「ソ支配人は多分、サファイアヴィラだと思いますが…」


「サファイア?」


「はい。お客様から呼び出しがありまして…」


テヨンはドンヒョクに見つめられて、思わず言葉を失った。


一流のホテリアーへの道は、まだまだ遠い……

 


サファイアヴィラを出たジニョンは、ため息をつくとゆっくりと歩き出した。


「ジニョ…ソ支配人!」


ジニョンが顔を上げると、そこにはハン・テジュンが見回りで歩いて来るところだった。


「テジュ…いえ、社長。」


「どうした?浮かない顔して。サファイアでクレームか?」


「いいえ、お客様から指輪がなくなったって連絡があったの。
 それで 今まで探してました。」


「それで、見つかったのか?」


「ええ、バスルームの隅に落ちていたわ。」


「そうか。」


「…何だか 最近、そんな事ばかり…」


「うん?」


「別に、お礼を言って欲しいわけじゃないわ。
 ただ指輪がなくなったのは、ホテルのせい。
 そして、必死で探して見つけても それが当然っていう感じなんだもの。
 何だか、むなしくなってしまうわ…」

ジニョンはそう言うと、大きなため息をついた。


「ジニョン?」


「あっ、いけない、わたしったら! つい愚痴をこぼしてしまった。
 ごめんなさい、テジュンさん。」

ジニョンは、慌てて口を押さえた。


「めずらしいな。 おまえがそんな事を言うなんて。
 いつも元気で、何の悩みもなさそうな顔してるのに。」

テジュンが笑いながら言った。


「失礼ね。 わたしだって、色々考える事ぐらいあるわ。」


「おまえ、疲れてるんじゃないのか?」


「そうよ! 疲れてるのよ。  何しろ、もう一週間も休みなしなのよ。」

ジニョンは軽くテジュンを睨んだ。


「ふん、その代わり、クリスマスも新年も少し休んだじゃないか。贅沢言うな。」


「それは…そうだけど。」


「どうしても休みたいって、オ総支配人に言ったらしいじゃないか。」


「だって、ドンヒョクさんがクリスマス休暇で、ずっとお休みだったんだもの。」


「クリスマス休暇か… 優雅なもんだ。うらやましいよ。」


「テジュンさんったら。」


「おまえも明日は休みだろう? ゆっくり休め。」


「ドンヒョクさんは昨日から仕事よ、またすれ違い。」


「それは残念だな。」

テジュンは面白そうに言った。


「おまけに 来週からは、もっと忙しくなるわ。 
 ブライダルショーにパーティが3つも入ってる。」

ジニョンはまたため息をついた。

「…何だか、疲れちゃったかも。」


「ジニョン?」


「ねえ、テジュンさん。 昔、女性の幸せについて話した事があったわね。」


「え?」


「ドンヒョクさんが、東海のお父様とここで会った時のことよ。
 わたしはテジュンさんに ホテルよりドンヒョクさんを選んだら駄目かしらって聞いたのよ。」


「ああ、そんな事もあったな。」


「ドンヒョクさんにわたしが必要なように、わたしにもドンヒョクさんが必要なの。」


「ジニョン?何が言いたいんだ?」

ジニョンの思いがけない言葉に、テジュンの胸が少し痛む。


「わたし 最近、考える事があるの。
 ホテリアーをやめて、彼の奥さんとしてだけ生きて行くのも すごく幸せだろうなって。」


「ジニョン…」


「普通に 朝起きて、朝食を作って、彼を送り出したら家事をして そして買い物に行って
 ゆっくり夕食の仕度をしながら彼が帰ってくるのを待つの。
 教習所と水泳も習って…ドンヒョクさんの奥さんなんだから、
 フランス語ぐらい話せなきゃ駄目よね。
 そして、お休みの日には一緒に出かけて…
 そうすれば 彼の出張にもついて行けるわ。
 アメリカだって、もっと遠い国にもついて行けるわ。」


「ジニョン? どうしたんだ?」

テジュンはジニョンの言葉に動揺していた。


もしかして ジニョンは仕事をやめようと思っているのか?


このホテルを、ホテリアーをやめようと思ってるのか?


信じられない…

 


そうしてるうちに ジニョンの瞳に涙が溢れてきた。


「ジニョン? 一体、何があったんだ?」


「…テジュンさん。」


「ジニョン?」


「ドンヒョクさんが…行ってしまうの。」


「え?」


「ドンヒョクさんが またアメリカに行ってしまうのよ!!!」

ジニョンはそう叫ぶと、足早に歩き出した。


「待てよ、ジニョン!!!」


テジュンは慌ててジニョンの腕を掴んだ。


そして、彼はジニョンを自分の方へ引き寄せた。


ジニョンの白い頬には涙がいく筋も光っていた。


寂しさと悲しさに満ち溢れた瞳だった。


テジュンは何も言えなくなってしまった。

 


「…ジニョン……」

 

それは 二人にとって聞き慣れた声だった。


テジュンがジニョンの腕を掴んだまま二人は振り返った。


そこにはドンヒョクが立っていた。


ドンヒョクは二人を見つめている。


そして その瞳は 怒りとも、悲しみとも表現できないような
暗くて深い海の底のような 孤独と切なさを秘めた目だった……。

 


                   つづく…

 








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