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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1370247/1907488
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 54 HIT数 8410
日付 2010/02/11 ハンドルネーム aoi32
タイトル 行かないで -2- 瞳はダイアモンド
本文

行かないで -2- 瞳はダイアモンド


 

本文 テジュンはジニョンの腕から手を離した。


「…ジニョン、やっぱり 君は…」

ドンヒョクは呆然とした顔でジニョンを見た。


「ドンヒョクさん…」

ジニョンの大きな瞳と白い頬は涙で濡れていた。


「お、おい!シン・ドンヒョク! 誤解するなよ!
 これは ジニョンが変な事を 突然言うから!」

テジュンは慌てていた。 この状況はまずい…


ドンヒョクは悲しげな表情でテジュンを見た。


え…?  テジュンは動揺した。


ジニョンは居たたまれない気持ちで、その場から走り出した。


「ジニョン!!」

ドンヒョクもすぐ後を追おうとしている。


「おい!ドンヒョク!!!」 …ジニョンを責めるなよ


テジュンが呼び止めると、ドンヒョクは振り返った。


「ごめん、テジュンさん。また後で連絡するから!」


「え? あ、ああ。」

ドンヒョクはそのままジニョンを追いかけて行った。


後に残されたテジュンは呆然として拍子抜けした。


どうしてだ? 

怒って俺に掴みかかってこないのか?

そうだ、以前のあいつなら そうしていたはずだ…


もしかして…

もう、俺の事は気にならないってことなのか?


それはそれで、テジュンの胸の中は複雑な気分だった。


何だよ…テジュンは一人でぼやいていた……。

 

 

 


ドンヒョクがジニョンに追いついたのは
ダイヤモンドヴィラの広いエントランスだった。


ドンヒョクはうつむくジニョンの手を引いて 
自分の胸の中に閉じ込めた。


「…ドンヒョクさん、ドンヒョクさん…」

ジニョンはドンヒョクの胸の中で彼の名前を呼んだ。


「…ジニョン…」

ドンヒョクはジニョンをしっかりと抱きしめた。


「ドンヒョクさん…ドンヒョクさん…」

ジニョンの閉じた瞳から涙が溢れ出し、ドンヒョクのスーツを濡らしていった。


「ジニョン… やっぱり、我慢してたんだ。
 昨夜は平気そうな顔してたのに…」


「…すごく我慢してたの。…本当は すごく辛くて、悲しくて…
 でも、泣いちゃいけないと思って…」


「うん。」


「でも、今日は…何だかすごく疲れてて…
 仕事してる時は忘れる事ができるのに、ふとした瞬間に思い出しちゃうの。」


「うん…」


「どうしてなの? わたし、ずっと一人で暮らしてきたのに…
 一人でも平気なはずなのに。どうして、こんなに寂しくなるの?」


「ジニョン、我慢しなくていいんだ。
 寂しい時は寂しいと言ってもいいって、君が言ってたじゃないか。」


「ええ…」


「ジニョン。」


「…ドンヒョクさん、ドンヒョクさん…」

ジニョンはまたドンヒョクの名前を呼んだ。


またドンヒョクがジニョンを抱きしめると その体は小さく体を震えていた。


これ以上、強く抱きしめたら折れてしまいそうなほど華奢な体だった。


ドンヒョクは、ジニョンの頬を両手で包み込むと、彼女の涙を指でぬぐった。


だが、その涙は止まることを知らないように
次々とジニョンの大きな瞳から溢れてきた。


ドンヒョクは、涙で濡れているジニョンの唇にそっと、自分の唇を重ねた。


ジニョンの唇はいつものようにやわらかかったが、ひんやりと冷たくて涙の味がした。


ドンヒョクは彼女の唇を温めようと、ゆっくりと唇を合わせていった……。

 

 

 


ジニョンの唇がドンヒョクの唇の温度と同じくらいになった頃、静かに二人は離れた。


ジニョンはまだ震えていた。


「ジニョン、もう泣かないで…」


「ドンヒョクさん。」


「そうだよ、もっと僕の名前を呼んで。」


「ドンヒョクさん。」


「僕はここにいる。いつだって ジニョンの側にいる。
 たとえ離れていても…ジニョンの胸の中にいる。」


「ドンヒョクさん……」


ジニョンはまたドンヒョクに寄り添い、彼の胸の中で泣いた。


透明な涙の粒が、ぽろぽろこぼれ落ちていく。


ドンヒョクの胸も、ジニョンの涙の海に沈んでしまいそうだった。


いつまでも泣いているジニョンが悲しくて、愛しかった。


ドンヒョクはジニョンを抱きしめ、背中を何度も撫でながら
その耳元で 大丈夫だよ、大丈夫だよと繰り返して囁いた。


他にどうすればいいのか、ドンヒョクにはわからなかった……。

 

 

 


「ジニョンが、そんな事を言ったのか?」


ソウルホテルの社長室でソファに座ったまま、ドンヒョクは驚いてテジュンを見つめた。


ジニョンを何とかホテルに戻した後、ドンヒョクはテジュンの所に来ていた。


“ドンヒョクさんが アメリカに行ってしまうのよ!!!”


ドンヒョクが聞いたのは、ジニョンのその叫び声だけだった。


「ああ、どこまで本気か、わからないが。」

テジュンはそう言うと大きなため息をついた。


ドンヒョクはそんなテジュンを黙って見つめた。


「大体、ジニョンからホテルを取ったら 何が残るんだ?」

テジュンは続ける。


「…僕が残るじゃないか…」

ドンヒョクが低い声で言った。


「え?」


「ジニョンがホテリアーでも、そうじゃなくてもジニョンに変わりはない。
 ジニョンが仕事を続けても辞めても 僕は彼女を受け入れるよ。」


「ドンヒョク?」


「…決めるのは ジニョンだ。ジニョンが選ぶのならどっちでもいい。」


「ドンヒョク? 何をムキになってるんだ?」

テジュンがドンヒョクの顔を覗き込んだ。


「…別に…」


「何だよ。やっぱり、さっきの事を気にしてるのか?」


「違う。」


「ドンヒョク?」


「もう、会社に戻る。」

ドンヒョクは立ち上がると、テジュンに背を向けた。


「おい! また、嫉妬してるのか?」


「……」


「おまえ、ジニョンのことになると 本当にガキみたいだ。」

テジュンはあきれたように言った。


「………」

ドンヒョクは背を向けたまま黙っていた。


そんなドンヒョクにテジュンは声をかけた。


「いつ、アメリカに発つんだ?」


「来週。」


「期間は?」


「……」


「うん?」


「…3か月…」


「そうか… けっこう長いな。」


「出発前にまた来るよ。」

そう言うとドンヒョクは、部屋のドアを開けた。


「おい、ドンヒョク。ジニョンを責めるなよ。」

テジュンはドンヒョクの背中に声をかけた。


ドンヒョクは何も言わず、片手を軽く上げた。

 

 

 


部屋から出たドンヒョクは うつむいていた顔を上げた。

 


今の自分は、きっとひどい顔をしているんだろう


嫉妬でゆがんだ顔をしてるのだろう…


ジニョンを責めるな、だって?


そんなこと約束できない

 


ジニョン…


なぜ、最初に 彼に話すんだ? 


なぜ、君の気持ちを彼から聞かなくてはいけないんだ?


なぜ… 僕ではなく ハン・テジュンなんだ…?

 


わからないよ… ジニョン……

 

 

 

                  つづく…

 


 








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