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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 55 HIT数 8500
日付 2010/02/11 ハンドルネーム aoi32
タイトル 行かないで -3- EVERYTHING
本文

行かないで -3- EVERYTHING


 

ジニョンを責める事ができるだろうか…

また泣かせてしまうかもしれない

そんな事が この僕にできるのか?


ジニョンがあんなに泣くとは思わなかった

彼女の悲しい涙は見たくなかった


ドンヒョクの胸まで押しつぶされそうな気がした。


だが、その一方で

ドンヒョクのためにだけ泣いてくれたジニョンが、たまらなく愛しかった。


透きとおったガラスの粒のようなジニョンの涙はとても美しかった。


そして もっと自分のために泣いて欲しいと、信じられないことを考えていた。


そしてドンヒョクは

ジニョンが自由でいつまでも輝いていて欲しいと思っていた。


仕事をしているときの、まっすぐで美しいジニョンが好きだった。


誰もがほっとするような笑顔のホテリアーのジニョンが好きだった。


だが、その反面

ジニョンのその笑顔を自分だけのものにしたいとも思っていた。


ジニョンを束縛したかった。


誰にもわたしたくなかった。

 


なぜ、こんな気持ちになるのだろう


どうして、こんな裏腹なことを思ってしまうのだろう…


…矛盾している……

 


深夜、自宅に帰る途中でドンヒョクは車を走らせながら、そんな事を考えていた。


自分の複雑な感情をもてあましていた。


こんな思いは、夜の闇の中に捨ててしまいたかった。

 

 

 

 


ドンヒョクが家に帰ると、ジニョンはリビングルームのソファで眠っていた。


ジニョンの閉じた睫毛と白い頬が涙で濡れていた。


…ジニョン……


その一瞬でドンヒョクの心は揺れた。


胸の奥が痛かった。


ドンヒョクはジニョンの涙を指で拭うと、顔を近づけて静かに言った。


「ジニョン、こんな所で寝てると風邪をひくよ。」


「…う…ん」

ジニョンの睫毛が少し動いた。


ドンヒョクは、ふわりとジニョンを抱き上げた。


ジニョンの体の温もりと髪の甘い香りが
冷たい外から帰ったばかりのドンヒョクをほっとさせた。


ジニョンがゆっくりと目をあけた。


そして、そこに優しく自分を見てるドンヒョクを見つけて微笑んだ。


「…ドンヒョクさん、帰ったの?」


「うん。」


「お帰りなさい。」


「…ただいま ジニョン。」


ジニョンはまた微笑み、何か言おうと口を少し開きかけたが
何も言わず そのままドンヒョクの首に両手を回した。


そして、静かに唇を重ねてきた。


昼間の涙で濡れた唇と違い、やわらかくて温かい唇だった。


…ジニョン?


いつもと違うジニョンが、激しくドンヒョクとのキスを求めてきた。


ジニョンの甘くてやわらかい唇が、ドンヒョクの唇の中を探すようにさまよう…


彼女の甘美で濃密なキスに戸惑うドンヒョクは
とうとう耐えきれずに、抱えていたジニョンをゆっくり下に降ろした。


その時も二人の唇は離れることはなかった。


ドンヒョクは息もできないほどきつく、ジニョンを抱きしめ
ジニョンの指はまるで、ドンヒョクの存在を確かめるように彼の髪の中に入ってきた。

 


しんと静まり返った部屋の中
二人の唇が激しく重なり合う音と吐息だけが聞こえていた……。

 

 

 


リビングルームから寝室へ向かう途中
二人に服がまるで導くように床の上に散らばっていた。


ベッドの中で
ジニョンはうつぶせたまま、顔をドンヒョクの方へ向けた。


ドンヒョクは彼女の乱れた髪を優しく撫でつけた。


ジニョンはとても幸せそうに、そして切なげに微笑んだ。


潤んだ瞳は、まっすぐにドンヒョクを見つめている。


ドンヒョクも優しそうな笑顔で見つめ返した。

 


可愛くて、純粋で、はかなげで、明るくて、泣き虫で、優しくて

そして 息もできないくらい熱くひたむきな思いをぶつけてくるジニョン


君は いくつの顔をもっているのだろう


結局、僕はジニョンを責める事なんてできない

 


そしてドンヒョクは

そんなジニョンに夢中にならずにはいられない。


ジニョンのすべてを深く愛さずにはいられない。

 


ジニョンはドンヒョクの指に自分の指を絡ませた。


「…ドンヒョクさん。」


「うん?」


「ニューヨークに行っても わたしのこと忘れないでね。」


「もちろん。」


「毎日電話してね。」


「うん。」

「体に気をつけて… 風邪ひかないでね。」


「うん。」


「それから、他の女の人と二人きりで会わないでね。」


「仕事でも?」


「仕事でも。」


「…わかったよ。」

ドンヒョクは思わず笑ってしまう。


「それから…」


「まだあるの?」


「………」

     


“…行かないで…”  …わかってる…これは 言ってはいけない言葉

 


「…早く、帰ってきてね。」


「うん… わかったよ。」

 


“でも… お願い…  行かないで…そばにいて…”

 


「…約束よ。」

ジニョンはドンヒョクに笑顔を向けた。


「うん、約束する。」


ドンヒョクは起き上がると、ジニョンの白い背中にキスを並べていった。


「ドンヒョクさん、くすぐったい。」

ジニョンがクスクス笑いながら体を上に向けた。


そして、あわててシーツで胸を隠した。


ドンヒョクはふっと笑い、ジニョンの額にキスをした。


「…ジニョン もう一度…」


「え?」


「もう一度 僕はジニョンを抱く。」


「なっ…!」

ジニョンはすぐに真っ赤になった。


「今の復習と、昼間の復讐だよ。」


「ふくしゅう?」


「ジニョンも僕のことを忘れないように、復習しておかないと。
 それから…大切な事を、最初に僕に言わなかった罰だ。
 この罪は大きいよ。僕からの復讐を受けてもらうよ。」


「あ……」

ジニョンはドンヒョクの言葉に動揺した。


そして、彼が何のことを言ってるのか理解した。


「忘れた? 僕は嫉妬深いんだよ。」

やっと、自分のペースを取り戻したドンヒョクはにっこり笑った。


「ドンヒョクさん、わたしは…」


「話は後でゆっくり聞くよ。」


「でも…」


「愛してる ジニョン。」


「ドンヒョクさん。」


「愛してるジニョン。僕には君だけだ。」


「ドンヒョクさん…」


「だから 僕をもう不安にさせないでくれ。」

ドンヒョクの目が悲しいほど切ない。


「ごめんなさい… ごめんなさ…い…」

ジニョンの瞳が揺れる。


「約束だよ。」


「ええ、約束する。」


「ジニョン…」


「…わたしは ドンヒョクさんの復讐を受けるわ。
 あなたからの罰をちょうだい。」

 


綺麗に微笑んだジニョンの瞳から涙が溢れ、頬を伝わり

彼女の髪を濡らしていった……。

 

 

           つづく…


 








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