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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 56 HIT数 8612
日付 2010/02/12 ハンドルネーム aoi32
タイトル 行かないで -4- PIECE OF MY WISH
本文
行かないで -4- PIECE OF MY WISH

 

 


― 翌朝 ―

 


二人はソファに座り、ドンヒョクはジニョンの話をゆっくり聞いていた。


「…だからね、ほら もうずっとお休みなしで仕事してて疲れてたの。
 その上、お客様のクレームが重なって…
 とどめがあなたからショックな話を聞いて
 何だか何もかも嫌になって…もう、どうでもいいわ、なんて思ってしまったの。
 …それで その時、ちょうどテジュンさんがいたから…」


「ふ…ん。」


ジニョンが懸命に話すのを隣で聞いていたドンヒョクは、
まだ、納得がいかないような返事をした。


「ジニョンは その時側にいた人に何でも話すんだ。」


「ちっ、違うわよ。 テジュンさんは友達だもの。
 それに昔からよく知ってる人だし、同じ仕事仲間だから
 すぐわかってくれると思って。」


「…そうだね、僕はジニョンの友達じゃないし ジニョンの昔のことは
 よく知らないし…同じ仕事仲間じゃないから、すぐには理解できないよ。」


「はい?」

ジニョンは驚いてドンヒョクを見た。

「…ドンヒョクさんったら もしかして、拗ねてるの?」


「違う、拗ねてるんじゃなくて 怒ってるんだ。」


「ドンンヒョクさん?そういうのを、拗ねtるっていうのよ。
 それに、あなたはわたしの友達じゃないでしょう?
 友達はたくさんいるけど わたしのだんな様はあなた一人でしょう?」

そう言うとジニョンはドンヒョクにぴったり体を寄せ
彼の腕にしがみつき肩に頭をのせた。


ドンヒョクの心の中の氷の粒が、あっという間に溶けてしまいそうだった。


しかし、今日はまだ負けなかった。


「ジニョン。」


「はい?」


「じゃあ聞くけど あの時、ジニョンの側にハン・テジュンじゃなく僕がいたら
 同じように 全部話せた?」


「え?」


「僕は仕事の事で 弱音をはくジニョンも、愚痴を言うジニョンも
 ほとんど見た事がない。」


「…それは…」


「僕には言いにくい?」

ドンヒョクはジニョンの肩を抱く。


「え…」


「テジュンさんには話せても、僕に言えない?」

そして、自分の方へ抱き寄せる。


「…ドンヒョクさん…」


「どうなんだろう?」

ドンヒョクはジニョンの顔をゆっくり見つめた。


「う…ん …ドンヒョクさんには言えないかも。」

ドンヒョクの静かな、それでいて引き込まれそうな追求に、ジニョンは本音を洩らす。


「なぜ? 僕と一緒だと緊張する? それとも、まだ遠慮してるのかな。」


「そうじゃないわ。違うわ、ドンヒョクさん。緊張なんかしないし、遠慮もしてない。
 ただ、あなたには仕事での弱音とか愚痴なんて言いたくないの。」


「なぜ?」


「だって、あなたは仕事でも何でも完璧だから…
 わたしの つまらない愚痴なんて恥ずかしくて言えないの。」


「ジニョン…」


「…軽蔑されそうで怖いの。」


「軽蔑なんてしないよ。 僕はジニョンが何でも話してくれる方が嬉しいな。」


「…ドンヒョクさん。」


「僕は ジニョンには自分の弱い部分も欠点も見せてるつもりだよ。
 ジニョンにしか見せてないこともある。」


「ええ…」


「それは 君がジニョンだからだ。
 僕が初めてソウルホテルに来た時から 君は僕を受け入れてくれたから…」


「ドンヒョクさん…」


「だから、僕もジニョンの全てを受け入れたい。
 ジニョンの考えてる事を何でも知りたい。
 ジニョンの事なら何でも知りたい。
 …そう思うのは 僕の我儘だろうか?」


「ドンヒョクさん。」


「こんな僕はジニョンには負担なのかな?」

そう言うドンヒョクの目は切ない。


「そっ、そんな事ないわ! 負担なんて…そんなこと…
 愛してるから… ドンヒョクさんを愛してるから格好つけてたの。
 明るくて、仕事もバリバリするソ・ジニョンを見せたかったの。」


「ジニョン。」


「ごめんなさい。 ドンヒョクさんには、わたしの良いところだけ見せたかったの。
 でも後悔してる。 あなたに、ちゃんと話せば良かった。
 あなたは、わたしの話をどんな小さな事でも聞いてくれる人だって知ってたのに。
 だから、お願い。そんな悲しい顔しないで…わたしまで悲しくなる。」


「ジニョン…」


「ごめんなさい。わたし 謝るから…今度から ちゃんとあなたに話すから。」


「ジニョン。」


「だから 不安にならないで…愛してるの。」

ジニョンはそう言うとドンヒョクの胸に頬を寄せた。


ドンヒョクは思わずジニョンを抱きしめた。


「わかったよ、ジニョン。」


「許してくれる?」


「うん。 …本当はもう、だいぶ前に許してる。」


「ドンヒョクさんったら…」


二人はおたがいを見て微笑んだ。

 


「それで、もう一つ聞きたいことがある。」


「何?」


「僕の奥さんとしてだけ生きて行くのも、いいかもしれないって言ったのは、本心?
 それとも、ただの思いつき?」

「それは…」


「思いつきなら、僕は残念だな。 
 ジニョンを僕の奥さんとして独占できるなんて 夢のような話なのに。」


「ドンヒョクさん、あの…」

ドンヒョクの言葉にジニョンの心が揺れた。

 


…これが 彼の本心なのかしら?

本当は、わたしに仕事をやめて欲しいと思ってるの?

 


うつむいて黙ってしまったジニョンを見て、ドンヒョクはふっと笑った。


「…嘘だよ、ジニョン。 僕はそんなことは思っていない。
 いや、正直に言うと、少し考えたことはある。」


「ドンヒョクさん。」


「でも、僕がいちばん望んでいるのは。ジニョンが輝いていること。
 ジニョンが幸せだと思う方を選べばいい。」


「ドンヒョクさん。 わたしがあなたの奥さんとして、あなたについて行きたいと
 思ったのは嘘じゃないわ。 仕事をやめれば、アメリカでもどこでも
 ついて行けるって思ったのよ。」


「ジニョン…」


「あなたも大切、ホテルも大切。どっちも大切なの。
 だったら、わたしはどうすればいい?」


「よく考えればいい。 ジニョンが考えて選ぶんだ。
 ただ一つ、忘れないで。 たとえ、どちらを選んでも、ジニョンに変わりはない。
 僕はいつだって ジニョンの味方だよ。」


「ドンヒョクさん。」


「それだけは忘れないで。」


「ありがとう、ドンヒョクさん。」

ジニョンは嬉しそうに微笑んだ。

「ドンヒョクさんって、やっぱり優しいのね。」


「そんな事ないよ。 ジニョンのことになると感情がコントロールできなくなる。
 だから、少し無理して理解がある振りをしてるのかもしれない。
 君を自由にしたい。でも、束縛もしたい。
 矛盾してるけど、どうしようもないんだ。」

ドンヒョクはそう言うと微かに笑った。


「ドンヒョクさん…」

ジニョンは言葉が出てこなかった。
 

 

ドンヒョクさんは なんて正直な人なのかしら

まっすぐで、純粋で、嘘がつけない 愛しい人…

 


「…ドンヒョクさんになら束縛されてもいいわ。
 だって、その時はわたしだけを見ててくれるんでしょう?」


「ジニョン…」


ジニョンはまたドンヒョクの肩の頭をのせて寄り添った。


「このまま 時間が止まってしまえばいいのに…」


「ジニョン…」


「…でも あなたは 3日後には行ってしまうのよね。
 長すぎるわ、さんしゅ…」

 


ジニョンの言葉が途中で止まった。


それは ドンヒョクのせいだった。

 


…もう 黙って、ジニョン…

          
ドンヒョクさん、わたしを愛してる?


うん、自分でも呆れるくらい


わたしも… 泣けちゃうくらい 愛してる……      
  

 

 

 

                つづく…

 

 








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