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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367523/1904764
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 65 HIT数 8221
日付 2010/02/19 ハンドルネーム aoi32
タイトル 行かないで -13- TRUE LOVE
本文

行かないで -13- TRUE LOVE

 

 


「ジニョン、遅くなってごめん。 花屋が混んでて…」

ドンヒョクは そう言うと薔薇の花束をジニョンにわたした。


「大丈夫よ、ドンヒョクさん。ありがとう、とても綺麗だわ。」

ジニョンは嬉しそうに薔薇の花に顔を近づけ その甘い香りにうっとりした。


「9時間ぶりだ。 会いたかったよ。」


「わたしも…」


思わず ドンヒョクはジニョンを抱きしめた。


ジニョンは驚いて 花束をドンヒョクの背中の方へ持って行った。


「ドンヒョクさん、お花がつぶれてしまうわ。」


「ルームサービスは気に入った?」

ドンヒョクがジニョンの耳元で言った。


「ええ、とても… でも、こんな色のドレスを着るのは初めて。似合うかしら?」


「うん。 思わず、目眩がしそうだったよ。 すごく綺麗だ、ジニョン。」


「ほんとに?」


「僕が遅れてる間に 他の男に誘われてるんじゃないかって、心配したよ。」


「もう、そんな事ないわよ。ドンヒョクさんったら、心配性ね。」


「当然だよ。 君が昼間 一人で外出してるのかと思うと
 心配で仕事が手につかないんだ。」


「大丈夫よ、ドンヒョクさん。わたしは子供じゃないのよ。
 それに、この街も 昼間ならそんなに危険な所ではないと思うわ。」

ジニョンは明るく笑った。


「でも、心配なんだ。」

ドンヒョクは ますます強くジニョンを抱きしめた。 


「…あ、あのね。 カクテルの注文を聞かれて よくわからなかったから
 このドレスと同じ色のカクテルをくださいって、お願いしたの。」

ジニョンは困ってしまい、話題を変えた。


「そう。」

ドンヒョクは少し体を離すとジニョンのドレスを見つめ やわらかく微笑んだ。


テーブルの上には 美しいルビー色のカクテルが置かれていた。


「…“マンハッタン”?」

ドンヒョクは そのカクテルを見つめる。


「そうよ。 綺麗なカクテルでしょう? マンハッタンの夕日みたい…」

ジニョンが嬉しそうに言う。


「ジニョンにぴったりだ。 じゃあ、僕は“マティーニ”を頼むべきかな?」

ドンヒョクはふっと笑うと、ジニョンの髪をいとおしそうに撫でた。


「…?…」

ジニョンは不思議そうな顔をする。


ドンヒョクはそれ以上何も言わず、またジニョンを抱きしめた。

 


…可憐で、かわいいジニョン


他の男が手を出してこないように 君を僕の胸の中に閉じ込めよう


そして 君が僕のものだという印をつけよう……

 


ドンヒョクはジニョンと唇を重ねる。


最初は優しく…そして、次第にそれは激しく、狂おしいほど熱をおびてくる。


「ん……」

ジニョンは驚いてしまう。

 


…これは 挨拶のキスじゃないわよね?


だって… 頭がくらくらしてくるもの

       
体も こんなに震えているわ…


ドンヒョクさん… 息ができないわ……

 


ドンヒョクも ジニョンとの甘くてやわらかなキスに
どこまでも深く落ちていくような気がしていた。

 


…ジニョン… ジニョン…


誰にも君をわたさない

         
君は…僕のものだ……

 

 

 


―――――――――

 

 

 


…ぶち壊してやる!

 


レウォンはドンヒョクの相手が誰かもわからないまま、決心していた。


どんな事があっても ドンヒョクをジニョンの元へ帰すのだと心に決めていた。

 

   
…これは ボスのただの気の迷いだ


ジニョンさんとずっと離れてるから 錯覚してるだけだ


ジニョンさんの涙は見たくない


俺がジニョンさんを守るんだ!

 


レウォンは 二人に向かって歩き出した。

 

 

 


いきなり腕を強く掴まれて ドンヒョクは驚いた。


「ボス! ボスはもう妻子持ちなんだから、こんな事はやめてください!!!」

レウォンの声が 大きく響いた。


「!!!」

二人のキスが止まる。


「…また、おまえか? カン・レウォン。」

ドンヒョクは 身も凍りつきそうな冷たい視線をレウォンに向けた。


ドンヒョクが不機嫌になるのは ジニョンとの時間を邪魔された時と決っている。


「…え? ボス… ジ…ジニョンさん? えーーー???」

レウォンは あまりの衝撃にその場に固まった。

 


…なぜ? え? えーーー!!!

なぜ、ジニョンさんがここにいるんだーーー???

 


だが…いちばんショックを受けたのはジニョンだった。


ジニョンは大きな瞳をさらに大きくして言った。

 


「…妻子持ちって… ドンヒョクさん、あなた…子供がいる…の?」

 

 

 


「ちっ、違うんです、ジニョンさん! これは、ほんのジョークです!
 妻子持ちって言った方がインパクトがあって… 
 あのっ、プライドのある女性は これで諦めて……」

ジニョンに睨まれて レウォンは言葉を失う。


「…諦める…って、そんな女の人がまだいるのね。ドンヒョクさん。」

今度はドンヒョクを睨むジニョン。


「え…?」

ドンヒョクも言葉を失う。


「ちっ、違います、ジニョンさん!
 向こうから近づいて来るだけで ボスは…見向きもしな…い…」


「………」


ますます泥沼にはまるレウォン。


ドンヒョクはあきれた様にレウォンを見ると、首を横に振り静かに言った。


「ジニョン、違うんだ。 落ち着いて僕の話を聞いてくれ。」


「いやっ! 聞きたくない!」
 
ジニョンはそう叫ぶと その場から逃げるように店を飛び出した。


「ジニョン!」

ドンヒョクも慌てて後を追って行った。

 


テーブルの上には ルビー色の薔薇の花束と“マンハッタン”のカクテルグラス。


残されたレウォンは 頭を抱えた。

 


どっ…どうしよう!!!


このまま あの二人が気まずくなってしまったら…


ラ、ラッキー???


って 違うだろうーーー!


違う! 絶対、違うー!!!


どうするんだ? 俺ーーー!!!
  

 

 

 

外に出たジニョンは急ぎ足で どんどん歩いて行く。


その後をドンヒョクが追いかける。


「ジニョン!」


「いやっ! ついて来ないで!」


「夜の一人歩きは危ないし、それに…道に迷ったらどうするんだ。
 ここはNYなんだ、ジニョン。」


「…だったら、それ以上、近づかないで!」


「近づかなければ ついて行ってもいいのか?」


「………」


ジニョンは何も応えず どんどん歩いて行く。


ドンヒョクも黙って後をついて行く。

 


…わかったよ ジニョン


どこまでだって ついて行く


だから…僕を拒まないで


僕の話を聞いて…


僕を… 見て……

 

 

 


マンハッタンの賑やかな通りを歩いて行くジニョン。


迷うことなく まっすぐに進み しばらくすると右に曲がった。

 


ジニョンは どこに行こうとしているんだろう?


ただ 闇雲に歩いてるわけではないようだが…


一体、どこへ……?

 


ジニョンはこのまま行けば どこに着くかわかっているのだろうか?


まるで 以前、来た事があるような…ジニョンの背中が語っていた。


ドンヒョクは はっとした。
   

 

…ここは… もしかして……?

 


5thアベニューのロックフェラーセンターの近くに来ていた。


そこには 歴史的にも芸術的にも高い水準の建造物がある。


しかも それはマンハッタンの高層ビルの景色の中にもすっかりなじんでいる。


不意に、ジニョンの足が止まった。


そして 彼女は目の前にある教会を見上げた。


そこは… ジニョンと出会う前、ハードな仕事が終わった後 
束の間の休息を求めてドンヒョクが訪れていた あの教会だった……。 

 

 

 


中に入ると あたりは静寂に包まれていた。


ほのかなキャンドルの灯りと幻想的なステンドグラス。


荘厳な祭壇。


ドンヒョクがここへ来たのも久しぶりだった。


そこにいるだけで、厳かな気持ちで満たされていくようだった。


ジニョンは 最前列の椅子に座り 手を組んで 祈りを捧げていた。


ドンヒョクは少し躊躇った後、通路を挟んで同じように最前列に座ると
ジニョンを見た。


ジニョンは手を組んで、目を閉じて 何かを祈っている。


美しい横顔だった……。


「…ジニョン…」

ドンヒョクは静かに彼女の名前を呼んだ。


ジニョンはゆっくりと目を開け 話し始めた。


「…ここに来たのは 3度目なの。」


「え?」


「NYに来てから 昨日と今日の昼間に来たの。」


「…ジニョン。」


「ドンヒョクさんが NYのどんな場所で、どんな気持ちで生きてきたのか知りたくて
 ウォール街のあなたのオフィスビルの前まで行って…
 そして…この教会にも来てみたの。」


「…そんな事…君はひと言だって言わなかったのに。」


「自分に目標がないと生きているのが苦しい…
 自分のスタイルを決して崩さない…
 そんな厳しい生き方をしてるドンヒョクさんのことを…もっと知りたくて。」


「ジニョン…」


「…あなたの誠実さ、わたしには決して嘘をつかないって 
 とても信頼できて、尊敬できる人だって…わたし、わかってるのに
 信じてるはずなのに… どうして、こんな些細な事で
 あなたを疑ってしまうのかしら…?」


「…ジニョン。」


「こんな自分が情けなくて あきれてしまって…今 懺悔してるの。」


「ジニョン。」


ドンヒョクは堪らなくなって ジニョンの隣に座った。

そして、彼女の肩を抱いて自分の方へ引き寄せた。

ジニョンの瞳から涙がこぼれた。


「…ごめん…なさ…い。」


「ジニョン。」


「ごめんなさい…ドンヒョクさん。」


「ジニョンが謝る事はない。 謝らなければならないのは僕の方だ。」


「ドンヒョクさん。」


「…ジニョンと出会う前の事だ。 過去の事だと言っても 
 ジニョンを傷つけた事には変わりはない。」


「…ドンヒョクさん。」


「でも…信じてほしい。 今はジニョンだけなんだ。
 …僕にはジニョンだけなんだ。」


「ドンヒョクさん…」


「僕は…ジニョンがいないと…生きていけない。」


ドンヒョクはそれ以上 何も言えなかった。


声が震えて、言葉が出てこなかった。

 


          

 

…ジニョン  

     
僕は知らなかったよ

     
君がこの教会に来ていたなんて


そんな事を考えていたなんて…

     


君は…僕の事をずっと思ってくれてた?


僕は君を信じている

        
君も 僕を信じてくれるよね?

         
僕だけを 信じてくれるよね……?








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