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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 75 HIT数 7982
日付 2010/05/28 ハンドルネーム aoi32
タイトル 男女5人恋物語 -2- ベルベットボイスの君
本文

男女5人恋物語 -2- ベルベットボイスの君

 

 



―― ソウルホテル ――

 

ジェウクの突然の告白に ジニョンは驚いて言った。


「なっ、何を言ってるんですか? ジェウクさん!」


「わかっています。 ジニョンさんにはご主人がいることぐらい…
 だから、諦めようとしました。でも、だめだったんです。
 あれからずっとジニョンさんの事を考えていました」


「ジェウクさん やめてください。 ここは ホテルのフロントです」

ジニョンはジェウクの言葉を遮るように言った。


「………」


「大切なお客様をお迎えする場所です。 あなたも支配人ならおわかりですよね?」

今までとは違う 強い口調でジニョンが言った。


「…すみません。 そうですね」


「それに わたしは…」

ジニョンが言いかけようとした時だった。


「…ジェウク? パク・ジェウクじゃないか?」

オ・ヒョンマン総支配人が大股で歩いて来た。


「オ先輩!」

ジェウクが声を上げた。


「やっぱりジェウクか! 久しぶりだな。今はグランドハイアットホテルの支配人だったな」


「はい。 ご無沙汰しています、先輩」


「はは… それで今日は? もしかして 私に会いに来たのか?」


「あ、はい。 久しぶりに先輩に会いたくなって…」

ジェウクは 少し笑いながら言った。


「相変わらず調子がいいな。 よし、昼飯でも食べに行こう」

ヒョンマンは上機嫌だった。


「はい」


二人は笑いながら歩き出した。


ジニョンは 目を丸くしたまま見送った。


途中で ジェウクはゆっくりと振り向き ジニョンを見た。


そして“また来ます”と声に出さず口だけ動かし明るく笑った。

 

 

 


――――――――

 

 

 


―― グランドヒルトンホテル ――

 

 
フロントに一人の長身の男が近づき その場にすっと立ち止まる。


そして 彼は低く、静かに響く声で言う。


「シン・ドンヒョクですが… ジウォン流通のソン社長に取り次ぎを」


「はい。シン・ドンヒョク様ですね? …え?」


事前に聞いていた名前の相手を迎えようと顔を上げたコ・イェジンは 
その顔を見て固まってしまった。


彼は以前、チェジュドでの研修の時に会った 一目見たら忘れられない容姿と 
優雅な雰囲気を持った まさにその人だった。


仕事を忘れ、フロントのカウンター越しに イェジンは言葉をなくし 
ぼ~っとドンヒョクを見つめた。


「…?」

ドンヒョクは怪訝な顔をした。


「あっ、申し訳ございません! シン・ドンヒョク様ですね。 
 ソン様から承っております。こっ、こちらにどうぞ」


イェジンはフロントから離れ、ドンヒョクを案内するため先に歩き出した。


「ソン様は会議室でお待ちです。 ご案内いたします」


「ありがとう」


会議室へ向かう途中、ドンヒョクの携帯電話が着信を知らせた。


「ちょっと失礼…」


ドンヒョクはそう言うと電話に出て話し始めた。 


聞き惚れてしまいそうな滑らかな英語だった。

 


…“ベルベットボイスの君”


英語もばっちりね~!!!  すごいわ!


それに…やっぱり声が最高だわ!!
  
            
今日も素敵なスーツをお召しで…ネクタイも趣味が良くて、とてもお似合い!


ちょっと冷たそうな所が すごくいい!!!


でも、わたしの事は覚えてないみたい…


残念だけど、名前がわかっただけでラッキー!!!

 


イェジンは 少し離れた場所から さり気なくドンヒョクを見ていた。


表情を変えることなく電話で話していたドンヒョクだったが 一瞬、話が止まり 
次に韓国語に変わった時だった。


「おい! レウォンか? いい加減にしろ! 大体、いつもおまえは最後のところで
 詰めが甘いんだよ。…甘えた声を出すな。…え? 何を言ってるんだ!一生そこにいろ!」


ドンヒョクは 怒りの表情を抑えられないまま携帯を切ったが
すぐに 近くにイェジンがいる事に気がつく。


そして、つい電話で怒鳴ってしまった事を後悔した。


彼は 少し決まり悪そうに咳払いをして言った。


「…失礼…」


「いえ」


イェジンはまた先に立って歩き出したが、今度は笑いをこらえるのが大変だった。

 


…クールなだけじゃないわ、怒った顔もなかなか…


何だか… ますます素敵!!!


    

イェジンがそんなことを考えてるとは気づかないドンヒョクは 思っていた。

 


…まったく、レウォンが相手だと ついペースが乱れる…


またNYに来てくれ、だって? 


やっと ジニョンと楽しい日々を過ごしてるのに


何て恐ろしい事を言うんだ あいつは!

 


ドンヒョクは 思わずぶるっと震えてしまった。


相変わらず 怖いものなしの天然のレウォンには弱いドンヒョクだった。

 

 

 


―――――――

 

 

 


―― ソウルホテル ――

 


「ちょっと、聞いたわよ! ソ・ジニョン! 
 あなた フロントでお客様に愛の告白されたんですって?」

イ・スンジョンが大慌てで、しかも嬉しそうにスタッフルームに駆け込んできた。


「ちょっ、ちょっとイ先輩!そんな大きな声で言わないでください!」

ジニョンは慌ててスンジョンの口を押さえた。


「あら、失礼…」


「それに…お願いだから、その事は他の人には言わないで…」

ジニョンは困ったような顔をしている。


「わかってるわよ、あたくしは誰にも言わないわ」


「ほんとに?」


「でも…もう、みんな知ってるわよ。あたくしだって 厨房で聞いたんだもの」


「え~!!!」


「…理事に知れたら 大変だわね。 でも、久しぶりに怒った理事の顔が見られるかも…
 バラ300本の怖い顔も凛々しくて、素敵よね~!」

スンジョンが うっとりした顔になる。


「先輩!!!」

ジニョンはスンジョンを睨みつけた。

 


…もう、他人事だと思って!!!


でも…確かにドンヒョクさんに知れたら大騒ぎになる?

 


ジニョンは大きなため息をついた。


「ジニョン? 大丈夫よ。もう結婚して一年たったんでしょう?
 理事だって少しは落ち着いたんじゃない?」

落ち込んでしまったジニョンを見て スンジョンが慰めるように言った。


「そうね…」

 


…そうだったら良いけど、そうでもないのよね


以前と同じ、いいえ! ドンヒョクさんの嫉妬はますます激しくなったような…

    
それだけドンヒョクさんは わたしを愛してくれてるのよね


な~んて、嬉しかったりして…
 

 

今ひとつ のん気なジニョンだった。

 


「何 思い出し笑いしてるのよ…」

スンジョンが呆れ果てている。


「あっ、あら、違うわよ!
 …それより、先輩? その人、パク・ジェウクさんっていう人なの。
 グランドハイアットホテルの支配人で オ総支配人の知り合いみたいだったわ」


「パク・ジェウクさん?え? あの人だったの?…知ってるわ、うちのダーリンの
 大学の時の後輩よ。あたくしたちの結婚式にも来てくれたはずよ。あなた、覚えてない?」


「先輩の結婚式?」


「あ、そうね。 ジニョンはその時、披露宴を担当してくれたから忙しかったわね。
 それに、あの頃は理事と遠距離恋愛中で…寂しい時だったから覚えてないわね」

スンジョンがしみじみと言った。


「あの頃の……」

ジニョンもぼんやりと思いにふけっていた。


「うちのダーリンとジェウクさん、学生の頃 バンドを組んでたんですって。
 あら、そんな意外そうな顔をしないでよ。 ダーリンってけっこう歌うの上手なのよ。
 でも、担当はキーボードで ジェウクさんがボーカル。とても上手って事よね。
 けっこう人気があったみたいよ。
 …ふ~ん、それにしても驚いたわ。 ジェウクさんだったのね!」


「歌…?」

 


なぜかジニョンは ますます考え込んでしまった。

 

 

 


――――――――

 

 

 


―― 夜 ――
   

 

ジニョンは自宅で電話を受けていた。


「もしもし…」


『あ、ジニョンさん? わたしよ、コ・イェジンです』


「まあ、イェジンさん?」


『お久しぶりです。 今、大丈夫?』


「ええ」


『あのね、また ジニョンさんに会いたいと思って電話したの』


「そうなの? 嬉しいわ。 わたしもイェジンさんに会いたいわ」


『じゃあ、早速 明日とかはどうかしら? 話したい事もあるし』


「話したい事?」


『ええ、実は今日 驚いた事があって…
 あの チェジュドで会った彼がうちのホテルに来たのよ!』


「え?」


『ねっ、これって すごい偶然でしょう?』 

 


…ああ、そうだった!


まだイェジンさんに ドンヒョクさんの事を話してなかったわ


こっ、これは まずいかもーーー!!!

 


「あ、あのね…イェジンさん!」

ジニョンは 受話器を持ったまま振り向いた。


!!!


ジニョンの言葉が止まった。


いつ帰宅したのか そこにドンヒョクが静かに笑いながら立っていた。

 
そして、軽く手を上げるとすぐに部屋から出て行った。


「……」


『ジニョンさん? どうかした?』


「あ、いいえ。 わかったわ… 明日、会いましょう。 
 わたしもイェジンさんに話があるの!」


『ええ。 じゃあ、また明日 電話するわね』


「ええ、じゃあ その時に…」

 


ジニョンは電話を切るとすぐに寝室に向かった。


ドンヒョクはスーツのジャケットを脱ぎ ネクタイを解いていた。


「ドンヒョクさん、お帰りなさい!」


「ただいま。 もう 話は終わったの?」

ドンヒョクが 笑いながら顔だけジニョンの方へ向けた。


「ええ。…あの…ね、ドンヒョクさん。 今日 グランドヒルトンホテルに行ったの?」


「うん? よく知ってるね。仕事で行って来たよ。…グランドヒルトン…ああ、そうか
 ジニョンの友人がそこの支配人だったね。 すっかり忘れてたよ」


「え、ええ」


「今度 紹介して、ジニョン」


「そうね… 今度ね…」


ジニョンはそう言うと ドンヒョクの背中から抱きついた。


そして 彼の大きな背中を包んでいるまっ白なシャツに頬を寄せた。


「…ジニョン?」


「…ごめんなさい。 何だか、いろいろな事があって…忙しくて
 心がざわついてるみたい…」


「大丈夫?」


「ええ。…でも、ドンヒョクさんがキスしてくれれば もっと元気になるかもしれない」


「…この体勢じゃ無理かな?」


ドンヒョクはふっと笑い 自分の胸に回したジニョンの手を包み込んだ。


ジニョンは ドンヒョクの体から手を離すと 恥ずかしそうにうつむいた。


彼女は つい言ってしまった事に少し後悔した。


ドンヒョクはジニョンの方に体の向きを変えると 彼女の頬を両手で包み込んだ。


そして 静かに唇を重ねる。


「…ん…」


ジニョンは目を閉じて ドンヒョクの唇を受け入れる。


そして 自分の体を抱きしめるドンヒョクの逞しい胸と腕の感触を 体中で感じてみる。


ドンヒョクの大きくて温かい手が ジニョンのほっそりとした体を優しく包み込む。

 


長い、長いキスの後 二人はゆっくりと唇を離し おたがいを見つめた。


「…ドンヒョクさん…」

ジニョンは 頬を赤くして少しうつむいた。


「元気になった?」

ドンヒョクは 愛しくてたまらないというように彼女の頬を撫でた。


「ええ…」

ジニョンは 恥ずかしそうにうなずいた。


「でも ジニョン…」


「え?」


「僕はまだ元気じゃないんだけど…」


ドンヒョクはやわらかくジニョンを見つめた。


そして 彼の指はジニョンの頬から唇に移動していく。
 

「え?」


「どうしたらいいと思う?」


ドンヒョクはジニョンをゆっくりと見つめた。


「…あの…」


ジニョンは 戸惑ったようにドンヒョクを見つめ返した。

 

 

…どうしたらいい? …って、どうすればいい…の?

 


ドンヒョクは もう一度ジニョンを抱きしめる。


そして 愛しさと静かな情熱をこめた声で ジニョンの耳元に囁いた。

 


「僕は…キスだけじゃ駄目なんだ……」

 

 

 

                         つづく…








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