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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 76 HIT数 8222
日付 2010/05/28 ハンドルネーム aoi32
タイトル 男女5人恋物語 -3- 哀愁のカサブランカ
本文

男女5人恋物語 -3- 哀愁のカサブランカ

 

 



―― ソウルホテル ――

 


「まあ、エキゾチックね! ここが カサブランカなのね?素敵だわ~!」

イェジンは辺りを見回して声をあげた。


ジニョンとイェジンは楕円のバーに座ると ブルーマルガリータを注文した。


「でも、びっくりしたわ。あなたから電話がきたと思ったら、ホテルの近くまで
 来てるって言うんだもの!」

ジニョンは笑って言った。


「ごめんなさいね。 思ったより早く退勤できたから ソウルホテルまで行っちゃおうと
 思って。 なかなか 他のホテルに来る機会なんてないでしょう?」


「確かにそうね」


「それと…ライバル・ホテルの視察も兼ねて…ね?」」


「まあ」


二人は おたがいを見て笑った。


「ね、ジニョンさん。 昨夜の電話の続きなんだけど…
 何と あのチェジュドで会った彼の名前がわかったのよ!」

イェジンは ジニョンに言いたくてたまらなかった事を 早速、口にする。


「なっ、名前?」


ジニョンは 引きつった笑いを浮かべた。


…早く、言わなくちゃ!


「あの、イェジンさん? その人の名前って もしかして…」

 

 

 

 

 


「え? もう退勤した?」


ソウルホテルのフロントで ドンヒョクは声を上げた。

 


…やっぱり、連絡もしないで迎えにきたのは まずかったな…

 


フロント係のテヨンは 同情していた。


そして理事は 昨日、ソ支配人が告白された事をご存知なのかしら?と 思った。


ジニョンと行き違いになって落胆していたドンヒョクに声をかけたのは テジュンだった。


「シン・ドンヒョク! ジニョンに振られたって?」

テジュンは面白そうにからかった。


「テジュンさん。べつに、振られたわけでは…」


「ま、いいじゃないか。 久しぶりにどうだ、一杯?」


「テジュンさんと?」


「ジニョンばかりかまってないで たまには俺に付き合えよ」


「…いいですよ、行きましょう」


ドンヒョクは いつものように明るい太陽のようなテジュンに思わず笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 


カサブランカに行く途中だった。


ドンヒョクは 怪訝な顔をテジュンに向けた。


「テジュンさん」


「うん?」


「気のせいか、周りの様子がいつもと違うような気がするんだが」


「そっ、そうか?」


「何となく 僕と目が合うのを避けているような、笑い方も引きつってるし…」


「きっ、気のせいだろう? ドンヒョクが恐れられてるのは昔からだからな!」


「………」

 


テジュンは内心焦っていた。


シン・ドンヒョクが昨日の事を知ったら… どうなるか…


ちょっと、面白そうな気もするが…


いやいや、また何か壊されたら大変だ!!!

 

 

 

 

 


ジニョンは戸惑いながらイェジンを見つめた。

 


「その人の名前は… シン・ドンヒョクじゃない?」


「え? どっ、どうして知ってるの? ジニョンさん!」

イェジンは驚いた。

 


…やっぱり!  


ジニョンは顔を両手で覆った。


…イェジンさんとは とても気が合うんだもの!


それなら 好きなタイプも同じよね……

 

         
「あの、実は… ドンヒョクさんは このソウルホテルの理事で、わたしの…」


ジニョンが言いかけた時だった。

 


「…ジニョン?」


「え? あ、ドンヒョクさん???」


ドンヒョクとテジュンが 二人でカサブランカに入って来た。


「ここにいたのか? もう帰ったかと思ったよ」


ドンヒョクはそう言うとやわらかく微笑みかけた。


そして、彼の長い指が とても自然にジニョンの白い頬に優しく触れた。


「え???」


イェジンは 今まで見たことも無いくらい目を見開き、ドンヒョクとジニョンの
顔を交互に見た。


何が何だかわからないという表情をしている。


ジニョンは 慌ててドンヒョクの指をぎゅっと握りしめた。


そして 椅子から立ち上がって ドンヒョクの傍に立った。


「あっ、あの… イェジンさん! 紹介するわ… わたしの夫です」

ジニョンの声が少し上ずっていた。


「ジニョンの友達?  初めまして、シン・ドンヒョクです」

ドンヒョクはそう言うと イェジンに笑いかけた。

 


“ベルベットボイスの君”が ジニョンさんのご主人???


イェジンはショックを受けずにはいられなかった。 


驚きのあまり声も出なかった。


そして、初めて見るドンヒョクの笑顔が 彼女の心をさらに動揺させた。


皮肉な事に、その笑顔はますます彼女の胸を 痛いほどときめかせた。


でも、今ここで そんな素振りを見せてはいけない…


わずか数秒の間に そんな思いがイェジンの頭の中をかけめぐった。

 


「…あ、もしかして あなたは… 確か、昨日…」

今度はドンヒョクが驚いてイェジンを見た。


「はっ、はい! 昨日、うちのホテルでお会いしました」


「ああ、そうだ。 グランドヒルトンホテルの…」


「はい、支配人をしております。コ・イェジンと申します。よろしくお願いします」

 


背筋を伸ばして、まっすぐ前を見れば…大丈夫!

        
シン・ドンヒョクさんは ソン様の大切なお客様


そして… 


ドンヒョクさんの事を思い出すだけで 頬を染めるほど愛してる… ジニョンさんのご主人

 

 
「こちらこそ、よろしく。…そうか、ジニョンがチェジュドで知り合いになったのは
 あなたなんですね」


「はい。 あの、それで… わたし、ドンヒョクさんにもチェジュドのホテルで
 お会いしてるんです」


「え?」


「ホテルのロビーでぶつかってしまって。書類を拾っていただきました」


「ああ、あの時の…」


ドンヒョクは やっと思い出した。


…そういえば そんな事もあったか…?

 


それまで 黙って話を聞いていたテジュンはぼやいた。


「こいつは…ほんとに ジニョン以外の女には興味がないんだな」

 


…彼女の気持ちなんて 少しも気づいてないな…

 

 

 

 

 


ジニョンは落ち込んでいた。

 


「…ごめんなさい、イェジンさん。隠すつもりはなかったの。
 ただ、言いそびれて… 今日になってしまって…」

ジニョンはしゅんとして うつむいていた。 

イェジンに悪い事をしてしまったとひどく後悔していた。


「もう、やあね、ジニョンさんったら!早く言ってくれればいいのに。
 もう少しで泥沼にはまるところだったわ!」

イェジンは明るく笑うと ジニョンの顔を覗き込んだ。


「…本当にごめんなさい」

ジニョンは ますます小さくなっていく。


「いいの。 …でも、わたしったら あなたの前でドンヒョクさんの事を
 いろいろ言ってしまったわ。 はっ、恥ずかしいーーー!
 …お願いだから、忘れてね、ジニョンさん」

イェジンは ジニョンの耳元で小さな声で言った。


「そんな… イェジンさんが恥ずかしがることなんてないわ。
 だって、その時は わたしもドンヒョクさんの事だなんて気がつかなかったもの!」

ジニョンは慌てて言った。
 

「そうだな。 大体、ジニョンは 物事をあまり深く考えないからね」

ドンヒョクは 少し笑いながら言った。


それを聞いて テジュンはふっと笑った。


…ドンヒョク、それはおまえも同じだよ。ジニョン以外の女に関しては…
       
       
「何を笑ってる?テジュンさん」


「いや、その通りだなと思って。 ジニョンはあきれるほど単純で 余計な事は
 ポンポン言うくせに、肝心な事は言わない」


「テジュンさん。それは言い過ぎじゃないか?」

ドンヒョクが軽く睨んだ。


「お、怒ったか?シン・ドンヒョク。 いいね~!
 その、ガキみたいにすぐムキになるところが!!!」


「テジュンさん」


ドンヒョクの冷たい視線にも すっかり慣れたテジュンはなぜか楽しそうだ。

 


イェジンは やっと平静を取り戻していた。


そして…やはり、視線はドンヒョクに向いてしまう。


今夜のドンヒョクは 紺のピンストライプのスーツに濃いブルーのネクタイ。

 

 
…やっぱり今日も完璧なスーツ姿 とてもお似合いだわ!


ジニョンさんが選んでるのよね? きっと…


そうよね… だから わたしたちは気が合うのよね?


好みが似てるんだもの…

 


そして ジニョンの隣に座っているドンヒョクは 長い脚を優雅に組んで 
静かにカクテルを飲む姿は まるで映画のシーンのように美しい。


時折、ジニョンの方を見てやわらかく微笑むドンヒョク…

 


…ああ、彼はあんな風に笑うんだわ


わたしには 決して見せてくれなかった笑顔


ドンヒョクさんは ジニョンさんを愛してる…

 


「…皆さん、とても仲がいいんですね。 
 ソウルホテルの社長と理事がこれだけ言いたい事を言い合えれば 
 ホテルは安泰ですね」


イェジンが悪戯っぽい笑顔を向けた。


「…………」

「………」」


ドンヒョクとテジュンは お互いを見て黙ってしまった。


そして、同時に顔を横にそらして ふっと笑った。


…そんな甘いものじゃないが… 二人は同じ事を考えていた……。

 

 

 

 

 


「ジニョンさん、安心して。 
 わたし、妻子持ち… いえ、奥さんがいる人には興味ないの!」


「え…?」

イェジンの突然の発言に ジニョンはぎょっとした。


「不倫は嫌いなの。だから、今回の事はパ~ッと忘れて またいい男を探すわ!!!」

イェジンは大きな黒い瞳を輝かせた。


「イ、イェジンさん…」

ジニョンは引きつった笑いを浮かべた。


ドンヒョクは驚いてイェジンを見た。


テジュンは 明るく笑うイェジンを ただ黙って見ていた……。

 

 

 

 

 


家まで送って行くと言った、ドンヒョクとジニョンの申し出を丁重に断り 
二人を何とか先に帰らせたイェジンは カサブランカのカラオケルームにいた。


隣にはテジュンが座っている。


テジュンに呼び出されたヨンジェとヒョンチョルは カラオケで歌い、踊り
その場を盛り上げていた。


賑やかで軽快な“SE7EN”や“RAIN"の歌を聴きながら テジュンはあきれたように笑い
イェジンは一緒に楽しそうに口ずさんでいる。

 


「大丈夫ですか?」

テジュンがイェジンに耳元で大声で言った。

「はい?」

イェジンはテジュンを見た。


「さっきは かなり無理してたでしょう?」


「え?」


「ジニョンが気にしないように わざと明るく振舞ってたんじゃないですか?」


「ハン社長…」

イェジンが驚いて テジュンを見つめた。


「もう、あの二人はいないから 無理しなくていいですよ」

テジュンの笑顔が まるでイェジンの悲しみを包み込んでくれるようだ。


「…ハン社長」


「テジュンでいいですよ」


「…テジュンさんって…いい人ですね」

イェジンの瞳が揺れる。


「ハン・テジュン。 いい人ね…と言われて34年。 何だかそれも考えものだな」


「そんな…」


おどけたテジュンを見ていたイェジンは少し笑っていたが しばらくすると 
彼女の大きな瞳から 大粒の涙が溢れ出してきた。


テジュンは さり気なくハンカチをわたした。


イェジンは頬を伝わる涙を拭こうとするが 涙は止まる事を知らないように
次々とこぼれ落ちてくる。


「ごっ、ごめんなさい。 やだっ… わたしったら、変ですね。
 今頃 思い出して泣くなんて…」


「いや、いいんじゃないですか? 今日中なら…いつ、泣いても…」


「え?」


「ただし…明日からは もう泣かない方がいい」


「…そうですね」


「…と 以前、自分に言い聞かせていました」

テジュンはふっと笑った。


「テジュンさん?」


「はは…昔の事です」


「テジュンさんも 失恋した事があるんですか?」


「何度も…ね」


「ご結婚はしてないんですか? 恋人は?」


「独身です。 今は、恋人もいませんよ」


「…テジュンさん」


「はい?」


「わたしが さっき言った事…半分は本当です」


「え?」


「ドンヒョクさんの事、すぐに忘れることは無理かもしれませんが
 わたし… 奥さんがいる人はだめだというのは本当です」


「え?」

テジュンは驚いてイェジンを見た。


イェジンはやっと笑顔を向けた。


彼女の頬には もう涙の跡も残っていなかった・・・。

 

 

 

 

 


ずっとカラオケで歌いまくっていたヨンジェとヒョンチョルは 
ふたりでヒソヒソ話をしていた。


「なあヒョンチョル、あの二人…なかなか良い雰囲気じゃないか?」


「社長にも ついに春が来たんでしょうか?」


「だったらいいけどな。 まっ、社長は あと少しっていう所で押しが足らないからな~。
 俺たちが歌って盛り上げようぜ。 
 今夜は全てシン理事のおごりだから 何でも好きなものを注文しろって 社長が言ってた!」


「本当ですか? ヨンジェさん。」


「ああ。 理由は知らないけどな」


「やった! ああ、でもイェジンさんって 綺麗な人ですねー!!!」


「ジニョンさんとは また違うタイプの美人だよな」


そこへ イェジンが手を上げた。


「はい! コ・イェジン、次…歌います!  
 さあ、テジュンさん? 一緒に歌いましょうーーー!!!」


「え? おっ、俺はいいですよ」


「だめです! さっ、立って!」

イェジンがテジュンの手を引っ張った。

ヨンジェが歓声を上げた。


「はーい! では、お二人には クレイジーカイでいきます!!!」


「おっ、おい? 何だ、それは! 俺は知らないぞ~!!!」

テジュンは悲鳴を上げた。


「いいから、いいからーーー!!!」


イェジンは楽しそうにはしゃいで マイクをテジュンにわたした。


そして 手を上げてマイクに向かって大声で叫んだ。

 


♪ Stepping out!!!


           

つ、ついていけない~!!!

 

 

                          つづく…

 








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