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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 77 HIT数 7900
日付 2010/06/10 ハンドルネーム aoi32
タイトル 男女5人恋物語 -4- 混乱のスターライト
本文

男女5人恋物語 -4- 混乱のスターライト



 


―― ソウルホテル スカイラウンジ“スターライト” ――

 


「なあ、ジェウク。 悪い事は言わないから ソ・ジニョンの事はあきらめろ」

オ・ヒョンマンは パク・ジェウクの肩を軽く叩いた。


「先輩まで そんな事言うんですか」

ジェウクはむすっとした顔で言った後 マティーニを一気に飲みほした。


「そうよ、ジェウクさん。 シン理事とジニョンは固い絆で結ばれてるのよ。
 誰も あの二人の間には入れないの」

イ・スンジョンはうっとりとした目で遠くを見つめている。


「信じられませんよ。あんな冷たそうな男とジニョンさんが固い絆で結ばれてるなんて。
 きっと ジニョンさんは あの男に脅されてるんだ。
 おとなしくて、体が弱くて、繊細なジニョンさんは あの男が怖くて逃げ出せないんですよ」

ジェウクの目が鋭く前を睨んでいる。


「え?」

オ・ヒョンマンが目を丸くした。


…こいつは何を勘違いしてるんだ? さっきから かなり飲んでるし…


「おとなしくて、体が弱い? 繊細? え? 誰の事かしら???」

イ・スンジョンの目はもっと丸くなった。


「それに、理事が怖い?ジニョンを脅している?え? それって・・ものすご~く激しい誤解かも」

スンジョンは 何かというと目に入ってくる ジニョンにだけはとどまる事を知らないほど大甘の
ドンヒョクの姿を このハンサムな勘違い青年に見せてあげたいと思った。


ヒョンマンは この後輩が 昔から思い込みが激しかった事を今になって思い出していた。


…よく言えば 一途な性格なんだが…


「あ~、何だかすっきりしない! 先輩、ピアノを弾いていいですか?」

ジェウクはラウンジの中央にあるステージ上の グランドピアノを指して言った。


「お、いいね~! 久しぶりにジェウクの歌が聴けるのか?」

ヒョンマンはニヤッと笑った。


…そうそう、少しこれで気を紛らわしてくれよ…


ジェウクはウィンクをして立ち上がった。


スターライトでライブ演奏が始まった。

 

 

 


♪一目惚れなんて 信じなかった僕が
    
 君と出会った日 変わってしまったよ

 こんな僕を見て 誤解するかもしれないけど
     
 溢れる想い 抑えきれないんだ

 愛してると 好きだと言ってくれ
     
 僕しかいない 耳もとで そうささやいて
     
 君が愛しくてたまらない ぼくの気持ちを知ってるかい
     
 君に会いたくて会いたくて
     
 君と会う日は 何も手につかない
     
 僕の気持ちに 気付かぬふりしてるのかい

 いつか君も ぼくのまっすぐな気持ちに気付くはず
     
 何度 愛してると言っても 言葉だけじゃたりないよ

 君の気持ちを教えてくれ

 

 

 


スターライトに軽快なメロディーが流れる。


ピアノを弾きながら ジェウクが歌う。


たまたまそこに居合わせた客も 喜んで手拍子と歓声を送った。

 


「まあ、さすがジェウクさん! 素敵な声ね~! なんて上手なのかしら!」

スンジョンが興奮して叫んだ。


「ふん… 相変わらずいいね。大したもんだ!」

ヒョンマンは苦笑いをしながら言った。

 

 

 


「先輩! それに、総支配人も! 今夜はお揃いでデートですか?」

突然、軽やかで明るい声が響いた。


驚いてヒョンマンとスンジョンが振り向くと そこにはジニョンが
ニコニコしながら立っていた。


そして 彼女の斜め後ろには ドンヒョクが静かにたたずんでいた。


彼の手は さり気なくジニョンのほっそりとした背中に添えられている。


「こんばんは。総支配人、イ支配人」

ドンヒョクは にこやかに微笑んだ。


「おっ、おお! 理事! 久しぶりですね! そっ、それに…めずらしいですね!
 ここで お会いするとは!!!」

ヒョンマンは明らかに慌てている。


「そっ、そうね~! 初めてだわね、ここで会うのは…」

スンジョンも 目をパチパチさせて、横目でステージの方をちらっと見た。


ジェウクが ピアノの前からこっちを見ていた。

 


…まっ、まずいわ~!!!  スンジョンは 心の中で叫んだ。

 

「そうね~。今夜は 久しぶりにスターライトで夜景を見ながらカクテルを飲もうかと…
 ね、ドンヒョクさん」

ジニョンは ドンヒョクを見上げて微笑んだ。


「そうだね。 じゃあ、僕たちもお二人の邪魔をしないように あっちへ行こうか」

ドンヒョクもやわらかい眼差しをジニョンに向ける。


「そうね。 じゃあ、総支配人、先輩 ごゆっくりね~!!!」


そう言うと二人は 反対側の窓側の席へ向かった。

 

 

 


「どっ、どうしましょう、あなた!! ここなら理事たちに会わないだろうと思って
 ジェウクさんを連れてきたのに…。まさか、あの二人も来るなんて」


「うっ、う~ん」


「こうなったら あの二人に気づかれないうちに ここを出ましょうか?」


ヒョンマンとスンジョンはヒソヒソ話をしていた。

 


「…そんな事しませんよ」


「え?」

「え?」


そこにはジェウクが立っていた。


久しぶりに人前で歌ったジェウクはすっかり自信を取り戻し 
酔いも重なって強気になっていた。


「僕も ソウルホテルの理事夫妻にご挨拶をしないと…」


「おっ、おい 待て! ジェウク?」


ヒョンマンが止めるのも聞かずに ジェウクは ゆっくりと歩き出した。

 


…まっ、まずいわ! これは…危ない展開よ!!!

    
スンジョンは慌てながらもこの先どうなるかと 内心、わくわくしていた。

 

 

 


「…こんばんは。 シン・ドンヒョクさんと奥さまのジニョンさん」

ジェウクがにこやかに声をかけた。


「……」

「ジェウクさん???」


ドンヒョクは無表情のまま ジニョンは驚いてジェウクを見た。


「ご挨拶するのは初めてですね?  パク・ジェウクと申します。
 グランドハイアットホテルの支配人をしております」


その言葉に ドンヒョクはゆっくり立ち上がった。


「シン・ドンヒョクです。 こちらこそお礼を申し上げるのが遅くなりました。 
 チェジュドでは 僕の妻がお世話になりました」


二人の男はにこやかに微笑み合った。


そして 固く、強すぎるほど固く握手をした。

 


…この男は… いい度胸をしてるじゃないか… また このホテルに来るなんて…


ドンヒョクは 最近、耳に入ってきた フロントでジニョンに告白したという男の
顔をじっと見た。


パク・ジェウク…? そうだ、この男だった


チェジュドのホテルで敵意に満ちた目で ドンヒョクを見ていた男。


あの時は 気にすることもないと眼中にも入れなかった男。

 


…この男… “僕の妻”だって? ずいぶん 自信たっぷりじゃないか


どうせ、強引にジニョンさんを縛りつけてるくせに…


ジェウクの勘違いは まだまだ続いていた。


彼はまた ドンヒョクを睨みつけた。

 


バチバチ…っと火花が散った。


慌てて駆けつけたヒョンマンとスンジョンには その火花がはっきりと
見えたような気がした。

 


「ド、ドンヒョクさん…」


ジニョンは不安げにドンヒョクの名前を呼び、彼の腕に手を回した。


ジニョンの顔は青ざめていた。


すぐに、それに気づいたドンヒョクは“大丈夫だよ”と言うように 
ジニョンを見てやわらかく笑った。


それを見ていたジェウクは むっとした顔をした。


「お、おい ジェウク。 ほら、もう一曲 歌ってくれ!」

ヒョンマンは 慌ててジェウクの背中を押した。


「そっ、そうね。 もっと聴きたいわ! 歌ってくださいな、ジェウクさん」

スンジョンも 一緒にジェウクを促した。


        

 

 

「…ドンヒョクさん、ここを出ましょうか?」

ジニョンは困った顔で言った。


「うん?」

ドンヒョクは ブルーマルガリータを一口飲んで顔を上げた。


「…ごめんなさい」

ジニョンは目をふせた。 


…また ドンヒョクさんに嫌な思いをさせてしまったわ

わたしがジェウクさんに もっと、はっきり言わなきゃいけないの?


「ジニョンが謝る事ないよ。それに、ここを出る必要もない」

ドンヒョクはジニョンの手に自分の手を重ねた。


「でも… あの、ドンヒョクさん… 回し蹴りとか…しない?」

ジニョンは 遠慮がちにドンヒョクを見つめる。


それを聞いて ドンヒョクは笑い出した。

「ばかだな、ジニョンは… 僕はそんな事しないよ」


「ほんとに?」


「うん。 でも、本心は 今すぐにでもあいつを外に連れ出して 一発…」


「ドンヒョクさん!」


「冗談だよ。 さあ、それより ジニョンも飲んで」


「え? ええ」

ジニョンは ドンヒョクと同じブルーマルガリータのグラスを手に取ると 一気に飲みほした。


いっそのこと酔ってしまいたかった。


「え…?」

ドンヒョクは 驚いてジニョンを見つめた。


そして、思い出していた。


いつか、サファイアヴィラで ジニョンが赤ワインをゴクゴクと一気に飲みほした事を…


「おいし~!!! あ、ミヒさん おかわりをお願いね~!」


ジニョンはにっこり笑った……。

 

 

 


♪こんなにも時が経つのが遅いなんて
       
 傷だらけの僕らには つらい時期だけど
      
 トゥルルル 大丈夫 乗り越えられるさと言っても
       
 心の奥から まだ無理だと聞こえる Oh~

 僕なしでも元気だと 風の便り届いても
       
 笑顔の裏の涙 
       
 誰よりも知っている

 トゥルルル 僕を許してくれ
       
 卑怯者だと憎んでもいい

 トゥルルル 僕しかいないと 君は言ったね
       
 こんな馬鹿な僕を愛していると
    
 ララララ 強がるたびに
       
 心の奥から まだ無理だと聞こえる

 

 

 


切ないバラードが スターライトの店内に響きわたる。


ジェウクが 時々、ジニョンを目で追いながらピアノを弾き、歌う。


ドンヒョクは静かにカクテルを飲み ジニョンだけを見ている。

   
ジニョンも ドンヒョクだけを見て微笑みかける。


全面 ガラス張りのラウンジの外には ソウルの夜景が広がっている。


カクテルグラスを合わせる音。


顔を寄せ合い クスクス笑いながら 語り合う恋人たち。


このスターライトで 一体、いくつの恋の駆け引きがされているのだろう…

 


何杯かのカクテルを飲んだジニョンは頬を赤くして とろんとした目で
ドンヒョクを見上げた。


「ねえ、ドンヒョクさん」


「うん?」


「ピアノの音が大きくて…ドンンヒョクさんの声がよく聞こえないの」


「うん」


「だから… 隣に座ってもいいですか?」


「いいよ、おいで」

ドンヒョクは笑って応える。


ジニョンは嬉しそうにドンヒョクの隣に座ると 彼の腕に手を回し、肩に頬を寄せた。


「ジニョン、窓側に席を替わろうか? 外がよく見えるよ」


「いいの。 夜景よりもドンヒョクさんがいいの。それに、こっち側の方が落ち着くから…
 どうしてかしら? あ… いつもドンヒョクさんの左側で眠ってるからかしら?」 


「ジニョン…」


見ると ジニョンは酔っているのか 気持ちよさそうに目を閉じていた。


愛の言葉満載のジニョンに ドンヒョクの胸の奥が熱くなる。

 


…無邪気で 可愛くて 愛しいジニョン


どんなに時がたっても、彼女への愛情はドンヒョクの心に満ち溢れている…

 


「…ジニョン」


「はい?」


「もう帰ろうか」

ドンヒョクが ジニョンの耳元で囁く。

「…そうね」

ジニョンは うっとりとドンヒョクを見つめる。

 


もっと、もっと 愛の言葉を聞きたいから… 愛の言葉を囁きたいから 家に帰ろう


そして、ゆっくり抱きしめて熱いキスもしたいから はやく二人だけになろう…

 


二人が 立ち上がろうとした時に邪魔が入る。


ドンヒョクが不機嫌になる時は ジニョンと過ごす時間を邪魔された時と決まっている。


「あれ、もうお帰りですか?」

ジェウクが二人に近づいて来た。

彼も酔っているようだった。足元がふらついている。


ジニョンがまた 困ったような顔をした。


「…ジニョンさん、僕の歌を聴いてくれましたか?」


「ええ… とてもお上手ですね」


「嬉しいな。…そうだ、今度はジニョンさんが歌ってくれませんか? 
 僕が伴奏しますから」


「え?」


「スンジョンさんが言ってました。 ジニョンさんは歌が上手だって」


「え? いえ、わたしは…もう帰りますから」


「いいじゃないですか。そんなにご主人に気を使わなくても。
 もっと楽しみましょうよ」

ジェウクは ジニョンの細い腕を掴んだ。

恐れを知らないジェウクは にこやかに笑った。

 


「…その手を離せ」


ついに、ドンヒョクが言った。


静かな、それでいて 低く、辺りに響きわたる声だった。


「え?」

ジェウクがドンヒョクを見た。


ドンヒョクは ジェウクの腕を掴んだ。


「ジニョンに触るなと言ってるんだ…」

 


ドンヒョクは 身も凍るような冷ややかな視線をジェウクに向けた……。

 

 

                         つづく… 


 








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