ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1369884/1907125
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 78 HIT数 8197
日付 2010/06/10 ハンドルネーム aoi32
タイトル 男女5人恋物語 -5- (終) ドンヒョクの純情 前編
本文

男女5人恋物語 -5- (終) ドンヒョクの純情 前編 



 


「ド、ドンヒョクさん! 喧嘩はだめよ!!!」


ジニョンは ドンヒョクのもう一方の腕をつかんだ。


だが、その声は彼には聞こえていないようだ。


ドンヒョクはジェウクの腕をつかんだまま 彼を睨みつけた。


「もう二度と ジニョンに近づくな」


ジェウクは負けずに睨み返し ドンヒョクの手を振り払った。


「何、言ってるんですか? 僕はただ、ジニョンさんの歌を聴きたいって
 言ってるだけですよ」


「嫌だと言ってるじゃないか」


「それは あなたが ジニョンさんにそう言わせてるんでしょう?」


「え?」 


「あなたがジニョンさんを束縛して 自由を奪ってるからでしょう?」


「え…?」


「ジニョンさんは あなたが怖くてたまらないんだ。」


「………」

 


???


ドンヒョクはジェウクが何を言っているのか、まったく理解できなかった。


それは 生まれて初めての経験だった。

 


「わかりました。では、ジニョンさんの代わりにあなたが歌ってくれますか?」

       
    
??? …ドンヒョクは ますます訳がわからなくなってきた。


…なぜ、そんな展開になる? この男 大丈夫か?

     


「だめです!!! ドンヒョクさんは歌いません!」

それまで黙って聞いていたジニョンが突然、叫んだ。


「ジニョンさん?」


「ジェウクさん、さっきから聞いていれば… まあ、よくそれだけ勝手な事を
 言いますね」

ジニョンが強い口調で言った。


「は?」


ジニョンは いつものジニョンではなかった。かなり酔っていた。


そして、事実ははっきり言わないと かえって相手を傷つけてしまうという事を知っていた。


「前にも言ったはずです。わたしは夫に束縛なんかされてないって。 
 あなた どうしてそんな大きな誤解をしているんですか?」


「ジニョンさん?」


「それから、あなたと一緒には行けないって言ったでしょう? ちょっとしつこくないですか?
 わたし、しつこい人って 好きじゃないんです」

ジニョンは そう言うとそっぽを向いた。


「しつこい…」

ジェウクは今までに無いショックを受けた。


ドンヒョクは 思わず笑いそうになるのをこらえた。


…いいぞ、ジニョン もっと言ってやれ!


そしてドンヒョクは“ジニョンは しつこい男は嫌い”というフレーズを
頭の中に保存する事を忘れなかった。


「それから、ドンヒョクさん」


「は、はい?」


今度は 突然、ジニョンが自分にふってきたので思わずびくっとした。


「あなたもそんな怖い顔しないで。喧嘩はだめよ。あなたが思ってるほど 
 わたしはモテないんだから。 …心配しすぎよ、ドンヒョクさんは…」


「………」

 


ジニョンがモテないって…? 


じゃあ 今、目の前にいる ショックで呆然としている男は何なんだ?

 


ドンヒョクは また混乱し始めた……。

 

 

 


「さあ、帰りましょう、ドンヒョクさん」

今夜はジニョンが にっこり微笑んで手を差し出した。


「…そうだね」


ドンヒョクはその白いしなやかな手を取ると ゆっくりとジニョンを引き寄せた。


そして 彼女を自分の胸の中へ閉じ込めた。


「ドンヒョクさん?」

 


…残念だけど そのジニョンの願いは聞けそうもない


僕はジニョンが心配だし… 君に近づいて来る男に嫉妬し続ける……

 


        

 

寄り添うように二人が帰った後、残されたジェウクは 
まだショックから抜けきれずにいた。


チェジュドで一目惚れした 美しく輝くような笑顔のジニョン。


おとなしくて 控え目で はかなげで 恥ずかしがりやで…
冷酷な夫に束縛されているジニョン。


そのイメージは粉々に崩れ落ちていた。
    
      
そして、とどめの彼女の言葉…


“あなたは しつこい”  しつこい、しつこい…


ジェウクの頭の中を その言葉がエンドレスで駆け巡った。

 


「お、おい、ジェウク しっかりしろ!」

ヒョンマンが 気の毒そうに声をかけた。


「でも、これでジニョンの正体も知ったし。早く彼女の事は忘れて…ね?ジェウクさん」

スンジョンもジェウクを慰める。


…そうそう、ジニョンは酔うと 怒ったり泣いたり…感情が激しくなるのよ
     

「………」

ジェウクは黙ってうつむいている。


「ジェウクさん?」


「…いえ…」


「え?」


「忘れるなんて とんでもない!」

ジェウクは 顔を上げた。


「え?」


「…はかなげに見えて、実は凛としている… 何て素敵な人なんだ。
 僕は諦めませんよ。あの人を忘れるなんて…出来そうもない」

ジェウクは ガッツポーズをしながら爽やかに笑った。


ヒョンマンは また思い出していた。


おとなしくて、控え目な女性が好みのジェウクが今まで付き合ってきた女性は 
なぜか、皆 気が強かったという事を……。

 

 

 

 

 


帰りのリムジンの中 ジニョンはウトウトしながらドンヒョクの肩にもたれていた。


久しぶりにたくさんお酒を飲んで 彼女はすっかり酔っていた。


ドンヒョクが一緒だから安心… ジニョンは彼に頼りきっていた。


ドンヒョクは 全てを信頼して自分に身を預けてくるジニョンが愛しくて 
彼女の髪を何度も撫で 顔を近づけて額にキスをした。


「ジニョン、大丈夫?」


「う…ん ちょっと飲み過ぎちゃったみたい… ごめんなさい…」


ジニョンは 目を閉じたままドンヒョクの肩に頭をのせている。


もうすぐ眠ってしまいそうだ。

 


…謝る事はないよ…


今夜は またいつもと違うジニョンを見たような気がする


君のくるくると変わる表情のように ジニョンはますます魅力的になっていく


僕は そんなジニョンにふさわしい男になれるんだろうか…

 


「ジニョン?」


「ん…?」


「ひとつ 気になる事があるんだけど」


「な…に?」


「スターライトで あの男が僕に歌えって言った時
 ジニョンはすぐに だめだって即答したね?」


「…ん?」


「どうして?」


「…んん、どうして? う…ん… あのね……」


「うん」


「…ドンヒョクさんには歌って…欲しくなかった…の」


「どうして?」


「…歌は ジェウクさんの方が上手…かな…って」


「え?」


「…わたしは ドンヒョクさんの…歌のほうが す…き…」


「ジニョン」


「…ドンヒョクさんの歌を…聴くのは わたしだけで…いい…の」

 


ドンヒョクの静かな追求に ジニョンは 半分眠りながら応えていた。


そして 彼女は ドンヒョクの胸に落ちてきた。


すうっと寝息をたてて ジニョンは眠ってしまった。


ドンヒョクはふっと笑い 胸の中にジニョンを抱き寄せた。


そして 彼女の背中を 優しく、何度も撫でた。

 


…愛してやまないジニョン 


可愛くて、純粋なジニョン

        
君の 正直でまっすぐなところ…好きだよ

             
でも…

 


ドンヒョクは じっと何かを考えていた。 


彼は負けず嫌いだった。


そして、仕事とかゲームよりもジニョンの事で負けるというのは 
自分の中では絶対許せない事だった。


勝つためには どんな事でもする覚悟だった。


ジニョンは 自分の言った事がドンヒョクを考え込ませる原因になったとは まったく
知ることもなく、ドンヒョクの胸の中で気持ち良さそうに眠っていた……。

 

 


 

 

 

 


―― 翌日 ――

 

      
ソウルホテル

 


オ・ヒョンマン総支配人は ドンヒョクからの電話を受けていた。


「理事! 昨夜は私の後輩が失礼しました。あいつも相当酔ってたみたいなので
 許してやってください。
 私からきつく言っておきましたから あんな真似は二度としないと思います」

ヒョンマンは平謝りをした。


『その事は もういいんです』

ドンヒョクは さらっと言った。


「え? そうなんですか?」

ヒョンマンは ドンヒョクの意外な言葉に驚いた。


『もっと ショックな事があったので…』


「え?」


『いえ、何でもありません。それより、総支配人にお願いしたい事があって…』


「…だめです」


『まだ何も言ってませんが…』


「ソ支配人に休暇を…っていう話じゃないんですか?」


『大変 魅力的な話ですが、今回は違うんです』


「あっ!!! もしかして、あのリストが必要になったとか?」


『リスト?』


「ソウル市内の産婦人科医で 女医さん限定の病院で…いやあ、あれから さらに
 項目を増やしまして、看護師も事務員も女性ばかりの…」


『残念ですが、まだそのリストは… いえ、ぜひ いつか使わせていただきたいと…
 いえ、総支配人 そうじゃなくて…』
 

「おっと、失礼しました。つい 話がそれてしまいましたね。
 …それで何ですか? 理事が私に頼みたい事というのは?」


『…実は…』

 


無愛想な二人にしては 案外、面白いやり取りの後 ドンヒョクは本題を話し始めた……。




                       後編につづく… 








前の書き込み 男女5人恋物語 -5- (終) ドンヒョクの純情 後編
次の書き込み 男女5人恋物語 -4- 混乱のスターライト
 
 
 

IMX