ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1370024/1907265
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 30M/100M
メンバー Total :297
Today : 0
書き込み Total : 957
Today : 0
ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 81 HIT数 7897
日付 2010/06/18 ハンドルネーム aoi32
タイトル 雨の降る風景  ― ドライブに連れてって ― 後編
本文

雨の降る風景  ― ドライブに連れてって ― 後編

 



空から落ちてくる雨が車のライトに照らされ 美しいシルクの糸のように光っている。


フロントガラスに雨がぶつかり 流れて 透明な雫が飛んでいく。


ジニョンは ゆったりとシートに座り 雨を眺めている。


やはり、ドンヒョクの車の中は安心できるし 落ち着いていられる。

 


「結婚前… よく、夜のドライブしたわね」


「うん」


「二人とも あまり時間が合わなくて、会える時間が少なかったから」


「そうだね。 ホテルまでジニョンを迎えに行って…」


「ドンヒョクさんったら わたしの家までまっすぐ帰らなくて…
 わざわざ遠回りして送ってくれたわね」


「僕はいつも ジニョンの家がホテルからもっと遠ければいいのにと思ってた。
 そして、渋滞に巻き込まれればいいのにと思ってた。あの時みたいに…」


「わたしも… このまま時間が止まればいいのに…って いつも思ってた」


ドンヒョクは はっとしてジニョンを見た。


ジニョンもドンヒョクを見て微笑んだ。

 


…少しでも長く一緒にいたい…と思っていた、あの頃…


でも、今のわたしはどうなの? 


一緒にいるのは当然だと思ってる?


ドンヒョクさんが 傍にいるのは当たり前だと思ってる…


 
  
雨が二人をつつむ…


そして、雨をよけるワイパーの音


車の中にいると まるでこの世界に二人だけしかいなくて 
雨に閉じ込められているような気がする


目を閉じて深呼吸したくなるような雨の匂いと 透明な雨の粒…


そして 不思議な事にそれは 自分の気持を素直にさせる…

 


「…今日ね、テジュンさんに送ってもらったの」 …もしかして?


「うん…」 …知ってるよ…

 

    
やっぱり、見てたのね…

        
そして あなたの不安の原因は それなのね?


ジニョンは溜息をついた。 …本当に、しょうがない人ね…

 


「…あ~あ、わたしのだんな様は いつになったら
 わたしを信用してくれるのかしら?」

ジニョンは 悪戯っぽくドンヒョクの顔を覗き込んだ。


「ジニョンのことを信用してないわけじゃない」

ドンヒョクは 前を向いたまま言った。


「そう?」


「でも、テジュンさんは… 彼はまだ君のことを…」

ドンヒョクは そう言うと唇を噛み締めた。


そして ちらっとジニョンを見ると、すぐ視線を元に戻した。


「やーね、ドンヒョクさんったら…そんなことないわよ。
 テジュンさんは もう わたしのことなんて…」


「そう思ってるのは ジニョンだけだ」

ドンヒョクは少し強い口調で言うと ハンドルをぎゅっと握り締めた。


「違うわよ。 今日だって、ついでに送ってもらっただけよ」


「………」


…う~ん、全部 説明しなきゃだめなのね…


「車の中では ドンヒョクさんの話ばかりしていたわ。 
 あの日以来、スターライトのピアノマンの話で持ちきりだとか
 ドンヒョクさんと総支配人のピアノレッスンは さぞかし面白…いえ
 冗談の一つも出ないで緊張感が漂っていたのではないかとか…」


「………」


「そんな話をしているうちに テジュンさんが寄る所があるって言って
 ホテルに入って行って…」

 


キキィ―――――ッ!!!!!

 


「きゃっ!!!」

ジニョンは驚いて悲鳴をあげた。


ドンヒョクが 突然、急ブレーキをかけたのだ。


車は鈍い音をたてて止まった。


「ドンヒョクさん???」


ジニョンは 胸を押さえながらドンヒョクを見た。


ドンヒョクは 信じられないというような顔でジニョンを見た。


「もうっ、危ないじゃない! 」


「今…何て言った?」


「え?」


「ホテルって言ったのか?」


「え? ええ、そうよ。ホテル…」


「何を考えてるんだ! ハン・テジュン!」

ドンヒョクは スーツのジャケットから携帯電話を取り出した。


「ドンヒョクさん…何を?」


「ハン・テジュンに抗議の電話を! シン・ドンヒョクの妻を何だと思ってるんだ!」

ドンヒョクは興奮して叫んだ。


「だめよ ドンヒョクさん。 テジュンさんは 今、デート中よ」


「え?」


ジニョンは 怒りの表情を隠せないドンヒョクの手から携帯電話を取ると 
その手をそっと包み込んだ。

   
彼の手は 驚くほど冷たかった……。

 

 

 


―――――――――――

 

 

 


グランドヒルトンホテルのパーキングに 車を止めたテジュンは
ジニョンに向かって言った。


「降りてくれ ジニョン」


「降りてくれって… テジュンさん、何をするつもりなの?
 それとも、こんな雨の中 わたしを外へ放り出すの?」

ジニョンは怒って叫んだ。


「違う、違う」


「何が違うのよ!」


その時 車の窓をコツコツと叩く音がした。


ジニョンは振り向いた。


「え? イェジンさん?」

見ると、そこには コ・イェジンが笑いながら立っていた。


「え~~~!!!」

ジニョンは あまりにも意外な人物を見て驚いた。


「だから、ジニョン。 後ろの席に移動してくれ」


ハン・テジュンは照れくさそうに言った。

 

 

 


「びっくりした~~! まさか、二人が こんなことになってるなんて!
 全然、知らなかった。
 もう! イェジンさんったら、どうして教えてくれなかったの???」

後部座席のジニョンは 興奮して言った。


「違うのよ、ジニョンさん。 そんなんじゃなくて わたしがテジュンさんに 
 いろいろ相談にのってもらってるの。 テジュンさんはわたしにとって 
 とても尊敬できるホテリアーで頼りになる先輩なの」

助手席に座ったイェジンは 恥ずかしそうに振り向いて言った。


隣で運転してるテジュンは 照れくさそうに笑っている。


「ふ~ん、尊敬できて 頼りになる先輩ね~。
 …何だか、誤解してない? イェジンさん」


ジニョンは からかうように言うと 嬉しそうに笑った。

 

 

 


―――――――――

 

 

 


「ね? なかなか良い感じでしょう?」

ジニョンは そこまで話してドンヒョクの顔を覗き込んだ。


「………」


「これで わかってくれた?」


「…うん」


「安心した?」


「ごめん ジニョン」


「もう…」


ジニョンが困ったようにドンヒョクを見ると ドンヒョクはやっと笑った。


…ジニョンは 最初からドンヒョクを許していた。

 

 

 


―――――――

 

 

 


ドンヒョクは またしても笑いをこらえることが出来なかった。


あの時と同じ ハンバーガーショップ。

 


「お詫びに好きな物をご馳走するよ」


そう言ったドンヒョクに 迷うことなくここを選んだジニョン。


ジニョンは また惜しげもなく大口を開けてハンバーガーを頬張った。


「…素敵なレディーが台無しだ」

そう言いながらも ドンヒョクはとても楽しそうだ。


「何か言った? ドンヒョクさん」

ジニョンが少し睨んだ。

唇の端にマヨネーズがついている。


「いや、何も…」

ドンヒョクは笑って ジニョンの唇に紙ナプキンを当てた。


「そう? ありがとう」

ジニョンは そのままドンヒョクに唇を拭いてもらった。


「…その豪快な食べ方に落ちたのかな… 僕は…」


「え?」

ドンヒョクに見つめられて ジニョンはつい赤くなった。

 


…もう 何て言う目で見るの?

     
眼鏡の奥の どこまでも深くて 最高に優しくて ちょっぴり切ない黒い瞳


そんな目で見つめられたら 胸がいっぱいになって食べられなくなるじゃない…

 


ジニョンは 顔の火照りをごまかすように慌てて視線を外に向けた。


ハンバーガーショップのガラス越しに 降りしきる雨を見つめる。


ドンヒョクも ジニョンと同じように 外の景色を見る。

 


…あの時も 雨だった…

 

 

 


ジニョン…

     
また 僕のジャケットをかざして 雨の中を一緒に走ろうか


傘はいらないんだ…


ジニョンが一緒なら 

        
こんな雨の日だって 幸せな気分になれるんだよ

     

      
だから… またいつか僕がつまらない嫉妬をした時には

       
傍に来て ただひと言 “愛してる”と言ってくれないか…

 

 

 


ねえ ドンヒョクさん

     
なぜ わたしがまた このお店を選んだかわかる?

      
あの日も 今日みたいに雨が降ってた


あの時 初めて二人だけであなたの車に乗ったのに とても安心できたの

      
それが不思議だった


どうしてなのかしら? 


それが知りたくて

          
あの時の気持ちが 知りたくて・・・。

 

     
それでね… わかったの

      
たぶん きっと こんな気持ちだった

    
雨が わたしたちを 近づかせてくれた

                  
二人が 寄り添うようにしてくれたの…

 

 

 


“…ドンヒョクさん”

 


“うん?”

 

  
“好きよ……”

 

 


 









コラージュはbluemaさんから頂いたものです。
ありがとうございました^^
     








雨と紫陽花と大好きな二人
じめじめとしたこの季節に 少しでも気持ちが
和んでいただけたら嬉しいです^^



  
前の書き込み ドンヒョクさんと呼ばせて 1
次の書き込み 雨の降る風景  ― ドライブに連れて...
 
aoi32
これからも よろしかったらドンヒョクに会いにきてくださいね。ありがとうございました。 2010/07/31 23:01
aoi32
聖さん、お返事が今頃になってしまいました。遅くなってすみませ~ん(^_^.) 私にとっても どんなに新しい作品が出ても、やっぱりドンヒョクは一番なんです^^ 2010/07/31 22:59

職場の窓から今にも雨が落ちそうな空を横目に没入です・・。何時までも醒めないドンヒョク熱の私をつつんでくれました。ありがとうございます。 2010/06/30 15:26
aoi32
「雨の降る日はそばにいて」は遥か昔の少女漫画のタイトルから、この「雨の降る風景」は もちろんホテリアーの第6話からつけました。ジャケットをかざして二人が雨の中を走るシーンが好きなの^^ 2010/06/18 22:41
aoi32
cometさん、ありがとうございます。雨のお話が好きなので そう言っていただくと とても嬉しい♪この時期になると 雨のシーンを書きたくなります^^ 2010/06/18 22:34
comet66
久しぶりにドンヒョクさん&ジニョンさんに逢えて嬉しい!aoiさんのお話は全部読んでるはずなのに覚えがなかったです・・・?。もう一つの雨のお話。「雨の降る日はそばにいて」も大好きでした。 2010/06/18 21:39
 
 

IMX