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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1367323/1904564
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 89 HIT数 8274
日付 2010/08/03 ハンドルネーム aoi32
タイトル ひまわり -3- 美しいひと
本文 ひまわり -3- 美しいひと










   ―― ソウル グランドハイアットホテル ――


「・・では 今後ともよろしく頼むよ。ミスター・シン。」

「こちらこそ、ソン会長。」

二人の男はにこやかに笑って握手をした。

ドンヒョクとレオはソン会長に見送られて会議室を出た。

「じゃあ、ボス。 俺はもう一件片付ける事があるから先に出るぞ。」
レオはそう言うと先にホテルを出た。

ドンヒョクがフロントまで来ると 支配人の コ・イェジンが声をかけて来た。
「お話は もうお済みですか?」
イェジンは明るい笑顔を向けた。

「ええ、無事に契約を済ませました。」

「それは良かったです。・・これでソン会長とシン・ドンヒョク様には またこのホテルをご利用いただけますね。」
イェジンは悪戯っぽい笑顔でドンヒョクに言った。

「・・そうですね。」
ドンヒョクもふっと笑った。


「ジニョンさんはお元気ですか?」
イェジンはドンヒョクを見上げた。

「ええ。 相変わらずにぎやかに過ごしてますよ。」
ドンヒョクは微笑んだ。

「二週間ぐらい前の電話で ジニョンさんが ドンヒョクさんにスイミングのコーチをしてもらってるって言ってました。」

「そうですね。」

「ジニョンさんから ドンヒョクさんは泳ぎが得意だと聞いてます。 あなたに教えてもらえば すぐに上達するんでしょうね。」

「・・・・・」

にこやかにイェジンに言われて ただ ドンヒョクは笑っただけだった。


・・・ジニョンが水泳を始めて そろそろ一か月。

ドンヒョクの鋭い妹のジェニーが思った通り ジニョンの泳ぎはなかなか上達しなかった。

それは ジニョンの根性がないせいか ドンヒョクのコーチが甘い・・甘すぎるせいかわからなかった。

     ただ それはドンヒョクにとって楽しい時間だという事は確かだった。

    美しい水着姿のジニョンを独占できる最高の時間・・・

 ドンヒョクは つい口元が緩みそうになるのを必死で堪えていた。













「それで・・ハン・テジュンとはその後いかがですか?」
ドンヒョクは話題を変える事にした。

「え? あっ、あの・・!」
イェジンは ドンヒョクの問いかけに驚くほど真っ赤になってしまった。

   ・・・・・

「・・・失礼。・・・プライベートな事でしたね。 答えなくていいですよ。」
ドンヒョクはふっと笑って 手でストップの合図をした。

    ・・・イェジンの様子を見れば 大体の予想はついた。

そして・・ 今度 ハン・テジュンに会ったら少しからかってやろうと思っていた。

   ドンヒョクは余裕だった・・・。


この時 ドンヒョクは何も知らなかった。

その日 ソウルホテルで 愛するジニョンの身に何が起こってるか・・と言う事を。

それは 彼女が怪我をして 見知らぬ男に抱きかかえられて運ばれた・・という 聞いたら卒倒しそうな出来事だった・・・。




   ――――――――



「・・・失礼ですが・・。シン・ドンヒョクさんでいらっしゃいますか?」


突然、声をかけられたドンヒョクは静かに振り返った。


そこには 一人の女性がたたずんでいた。

明るいクリーム色のシンプルなワンピースを着た そのほっそりした女性は
艶やかなストレートの黒髪をやわらかくアップにして 大きな鳶色の澄んだ瞳でドンヒョクを見ていた。
ぬけるように白い肌と やわらかな笑みを浮かべた口元。
彼女がそこにいるだけで 辺りは爽やかな清涼感につつまれていた。


  ・・ドンヒョクは 思わず胸を突かれたような気がした・・。

      初めて会った見知らぬ女性

         
               ・・・信じられない事に 彼は言葉を失っていた・・・。






「・・・あの・・。」

彼女は困ったように少し首を傾げ ドンヒョクを見上げた。


「あの・・シン・ドンヒョクさん・・ですよね?」

「あ、はい。・・そうですが・・。」
ドンヒョクは はっとして応えた。

「良かった!! やっぱりそうなんですね!・・まさか ここでお会いできるなんて・・!」
彼女は嬉しそうに綺麗な瞳を輝かせた。

「・・・・・」

「雑誌や写真で拝見するよりも ずっと素敵な方ですね。 ・・・あの子が自慢するのも無理ないわ!」
彼女が明るい笑顔を向ける。

「あの・・あなたは・・。」
ドンヒョクが戸惑ったように言った。

「あっ・・わたしったら! つい嬉しくて興奮してしまいました。・・・ごめんなさい。
 ・・・わたし・・カン・レナと申します。」
彼女があわてて言った。

「カン・レナさん?」

「はい。 弟がいつもお世話になっております。」
彼女はにっこり微笑んだ。

「・・・弟・・? カン・・? あ・・。」
ドンヒョクは驚いて カン・レナという女性を見た。


  ・・・彼女は・・・弟そっくりの人なつっこい大きな瞳と 太陽のように明るい笑顔をドンヒョクに向けた・・・。





   ――――――――――――




   ―― ソウルホテル ――



「失礼します。 総支配人、9月の催事の企画書を持って参りました。」

ジニョンが総支配人室に入って行くと そこには オ・ヒョンマンと向かい合わせで
あの チェ・ウソンという男が座っていた。

    ・・・まだいたのね・・。

ジニョンは 内心むっとしたが すぐに気を取り直した。
彼女は ホテリアーだった。 だから、いつまでも怒ってるわけにはいかなかった。
どんな相手に対しても笑顔で接するべきだった。・・・たとえそれが気に入らない相手でも・・・。

「・・チェ・ウソンさん。・・・先程は失礼しました。」
ジニョンはすました顔で言うと にっこり笑いかけた。

ウソンは一瞬、驚いたが すぐ、それに応えた。
「お・・ソ支配人。 さっきの私服も華やかでセクシーだったけど やっぱり 制服もよく似合ってますね。」

「・・それは・・どうも。」

「うん。 制服を着ると 仕事ができる女に見えるから不思議だ。」

「・・・・」

   ・・・またこの人は・・どうして 人がイラつく事を次から次へと・・。

          ジニョンは 手をグーにして震わせた。


「ソ支配人、足の怪我は大丈夫ですか?」
ウソンは そんなジニョンを気にすることもなく言った。

「はい、おかげさまで・・。何とか歩けます。」
ジニョンもすまして応える。

「それはそれは・・。重いのを我慢して運んだかいがありますよ。」
ウソンが面白そうに言った。

「・・・・・」
ジニョンはまた頬を赤くした。
「ちょっと・・あなたね・・。」

「・・ソ支配人のご主人は このホテルの理事だそうですね。」
ジニョンが言いかけた時 ウソンが先に質問してきた。

「は?」

「総支配人から聞きましたよ。」

「・・・・」

ジニョンがちらっとオ・ヒョンマンを見ると、彼は慌てて目をそらした。


「・・・それなら 俺は一度 ソ支配人のご主人・・いや 理事にご挨拶をしないといけませんね。」

「では、わたしは夫に 『あなたのことを“気障で軽い男だ”と言っていた方がお会いしたいそうよ』と伝えておきます。」
ジニョンが少し睨むように言った。

「は・・。」
ウソンは目を大きく見開いたあと 面白そうに笑い出した。

「・・・・きっと 夫から熱烈な歓迎を受けると思います。」

「・・・もしかして・・俺もアメリカ育ちのダンナにハグされたりして・・。」
ウソンからかうように言った。

「・・・回し蹴りよ!!」
ジニョンはむっとして叫んだ。

「おっ、いいね! 俺も趣味はテコンドーなんだ。」

「!!!」

「意外と気が合ったりして・・。」
ウソンがニヤッとした。


   ・・・そんなわけないでしょう!!
         ドンヒョクさんとあなたじゃ正反対じゃないの・・・!


  今度は ジニョンは両手をグーにして震わせた・・・。

   ウソンが相手だと ついムキになってしまうジニョンだった。













 








「あの子からの電話やメールの内容といえば いつも シン社長のことばかりなんです。」

ドンヒョクの部下で今はNY勤務のカン・レウォンの姉である カン・レナはそう言うと
美しくしっとりとした笑顔を向けた。

ドンヒョクとレナは ホテル内のカフェに来ていた。

「・・・僕の悪口ばかりじゃないんですか?」
ドンヒョクは コーヒーを一口飲んだ後 静かに微笑んだ。

レナは驚いてドンヒョクを見た。
「いいえ・・。 レウォンはシン社長の載った経済誌や新聞記事も送ってきて・・。
 “俺のボスは本当にすごい人なんだ”って自慢ばかりするんですよ。
 ソウルにいた頃は、今日はボスがどうしたとか こんな事を言ったとか あ、それから
 今日はボスに怒鳴られたとか・・。」

「・・・・・」
楽しそうに笑うレナを見て ドンヒョクは苦笑した。

「NYに行ってからも あなたの話題が多いんですよ。」
レナは 眩しそうにドンヒョクを見た。

「・・レウォンとはよく連絡をとってるんですね。」

「ええ、二人きりの姉弟ですから・・。 両親は遠くに住んでますので わたしが結婚して日本に行くまで
 二人で一緒にソウルに住んでました。あの子はそこから大学に通ったんです。」

「そうですか。 何だか羨ましい気がします。」
ドンヒョクは微笑んだ。

「え・・?」

「・・・僕にも妹がいますが・・ほとんど一緒に暮らした事はありませんから・・。」

「・・事情があったのでしょう? レウォンから聞いてますわ。」

「・・・・」
ドンヒョクは驚いた。・・・そんな事まで話してるのか・・。 というか 何故 レウォンはそこまで知ってるんだ?


「・・でも・・今はとても仲が良い兄妹だと・・。これから もっともっと近い存在になれますね。」
レナはやわらかく微笑んだ。 まるで 相手のことを包んでくれるような温かい笑顔だった。
「・・レウォンがあなたの事ばかり話すので・・そう まるで 恋人のことを話すように嬉しそうに・・。
 だから もしかしてこの子は?・・・なんて とんでもない事を思ったりして・・。」
レナが少し恥ずかしそうに言う。


「・・・・・」
ドンヒョクは絶句した・・・。


「でも 一年ぐらい前に 好きな女性ができたって言われて安心したんですよ。・・片思いらしいんですけど。」

「・・そうですか。」
ドンヒョクは 少し引きつった笑いを浮かべた。


    “あなたの弟の片思いの相手は 僕の妻です” 

       こんなことを言ったら この美しい人はどんな顔をするだろう・・・。

 
        ・・・美しい人・・・?


 つい浮かんだ自分の言葉に ドンヒョクははっとした・・・。



   たおやかに美しくて 聡明で しっとりしてて・・
      ・・・それでいて あのレウォンのように太陽のような明るい笑顔を見せる彼女・・・。

        人の心を温かく包んでくれるような・・優しい笑顔・・・。

           どんなことがあっても手放せないジニョンと 同じ笑顔をまっすぐに向ける人・・・。


    ああ そうか・・。

      レウォンはジニョンに似てるんだった・・。

       ・・・ということは 彼女もジニョンに似てる・・・?




                 だから・・こんなに 心が惹かれるのか・・



ドンヒョクは なぜ自分の中にこんな感情が芽生えてきたのか その理由が見つかったような気がした。



      そうか・・。そうだったんだ・・。

          結局 僕は・・ジニョン以外は愛せない・・。




        ・・・・・・・・・

               ・・・・・・・・・・


            ・・・安心・・してるのか・・?

                 彼女に惹かれる理由が見つかってほっとしている・・?



      まるで 自分に言い聞かせているみたいだ・・・。


                 自分への・・言いわけなのか・・?




        違う・・・。 僕は ジニョンが傍にいるだけでいい・・。


           今までも・・・これからも・・・。




 



                ・・・なぜ・・・?


                     今・・・こんなことを考えるんだ・・・・・。














                    背景・画像・コラージュ by akke

                   











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