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aoiルーム
aoiルーム(https://club.brokore.com/hollyhock)
aoi32の創作ストーリーを集めたお部屋です。 どなたでもご覧いただけます。 どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
サークルオーナー: aoi32 | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 297 | 開設:2008.03.05 | ランキング:100(3927)| 訪問者:1369884/1907125
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ホテリアー創作
妄想爆走!ホテリアー二次創作。                                                     大好きなドンヒョクと 可愛いジニョンの物語…
No 94 HIT数 8050
日付 2010/08/05 ハンドルネーム aoi32
タイトル ひまわり -8- ドンヒョクがいない日
本文 ひまわり -8- ドンヒョクがいない日





「それでジニョンは 理事の誕生日にはちゃんとお料理したの?」
イ・スンジョンはご飯をスプーンで口に運びながら言った。

「も、もちろんよ。 すご~く美味しく出来たわ。」
ジニョンの瞳が揺れている。

「・・・ドンヒョクさんが作ったの?」
スンジョンは淡々と聞いてみる。

「そう、ドンヒョクさんが作ったの!」
ジニョンは思わず嬉しそうに答えた。

「・・・やっぱり・・。」

「あ・・・。」
ジニョンは慌てて口を押さえた。

スンジョンはあきれてため息をついた。

「ずるいわ、先輩。今のは誘導尋問よ。」

「・・・まんまと引っかかったジニョンが悪いのよ。」

「もうっ・・!」
ジニョンは頬を膨らませた。













「あ~あ、理事もお気の毒だわ。 お料理も水泳も いつまでたっても上達しない あなたみたいな人が奥さんだなんて。」
スンジョンはそう言うと冷たい麺をつるつるっと吸い込んだ。

「悪かったわね。 でも、ドンヒョクさんは そのままでいいって言ってくれるもの。」
ジニョンは開き直って言う。

「はいはい。」
・・いつもの惚気が始まったと・・スンジョンはあきらめて返事をした。

「・・それより先輩・・よく食べるわね~。」
ジニョンはスンジョンの前のテーブルにあるビビンバと冷麺を見た。

「二人分なんだから仕方ないでしょう。 ・・もう、お腹が空いて大変なのよ。」
スンジョンは自分のお腹をさすりながら言った。

「ふ~ん、そうなの。 ね、先輩、お腹の子が双子だったら三人分お腹が空くのかしら?」
ジニョンが不思議そうに言った。

「え?」

「わたしは 男の子と女の子の両方が欲しいの。
 ドンヒョクさんに似たカッコいい男の子と、ドンヒョクさんに似たかわいい女の子・・。
 それが双子だったら すご~くかわいいと思わない?」
ジニョンはうっとりしたように言った。

「はいはい。・・そうなるといいわね。」
スンジョンはまたあきれた。
・・・が、以前のような明るいジニョンに戻ったような気がして安心した。。

「でしょう?」
ジニョンはにっこり微笑んだ。

「さあ、急いで食べないと休憩時間が終わってしまうわ。」
スンジョンは冷麺をズルズルと音をたてて食べ始めた。
   ・・・良かったわ・・と彼女は思った。




「よおっ、ソ支配人じゃないか!」
突然、声をかけられて顔を上げると そこには チェ・ウソンが立っていた。

「・・・あ・・。」
ジニョンは思わず引きつった笑いを浮かべてしまった。
   ・・・何でこんな所で会うのよ・・・・。


ここは ソウルホテルの近くの食堂だった。
ちょうどお昼時で、混み合ってる店内には空いている席はなかった。
ウソンは ジニョンとスンジョンの向かい側の席を指差して言った。

「座ってもいいか?」

「まあ! チェ・ウソンさん! どうぞ、どうぞ。お座りになって。」
スンジョンが大袈裟に声をあげた。

「・・・・」
ジニョンは黙っていた。

ウソンはニヤッと笑うと ジニョンの前にどかっと座り込んだ。

「ウソンさん、偶然ですわね! ここによくいらっしゃるの?」
スンジョンは興味津々という顔で言った。

「そうだな。安くて美味いからな。・・・しかし、ソウルホテルの理事夫人も こんな庶民的な店に来るんだな。」
ウソンは笑いながらジニョンに言った。

「・・・庶民ですから。」
ジニョンはきっぱりと答えた。

ウソンは面白そうに笑い出した。
そして ジニョンのテーブルの上のステンレスの容器を覗き込んだ。

「・・・何だ・・カルククスなんて食ってるのか。」

「・・いけませんか?」

「いや。 薬味を目一杯入れると美味いよな。」

「・・・!!!・・・」


ウソンの言葉にジニョンははっとした・・。

    ・・・やだ・・思い出しちゃった・・。
      
      ここは・・ドンヒョクさんと初めて一緒にお昼を食べたお店だったわ。
        ドンヒョクさんったら、なかなかカルククスを食べなかったのよね。

      ・・・わたしが スプーンで薬味を入れてあげたんだっけ・・。














ジニョンは思い出してくすっと笑ってしまった。

ウソンは怪訝な顔をした。

スンジョンは またジニョンが思い出し笑いをしてるわ・・と思った。

ジニョンはあわてて咳払いをした。

「わたし・・カルククスが好きなんです。」


「そうか。 ・・でも、もっと栄養のあるものを食べた方が良いんじゃないのか?」

「え?」

「いや、その・・夏バテしたら困るだろう?」

「まっ・・わたしの体を心配してくださるんですか?」

「また、ぶっ倒れたりしたら大変じゃないか。」

「え?」
ジニョンは驚いてウソンを見た。
ウソンは心配そうな顔をしている。

   ・・・倒れたって・・もしかしてチェジュドで貧血で倒れたことを言ってるのかしら。
       でも・・あれは・・だいぶ前の事だし・・。


「・・あの・・、なぜ あなたがそんな事を知ってるんですか?」
ジニョンは怪訝な顔をして訊ねた。

「ま、いいじゃないか それは。 あ・・そうか。 ・・今は食欲がない時期なのか。」

「え?」

「俺にはよくわからないが、せいぜい体を大事にしろよ。ソ支配人。」
ウソンはそう言うと ジニョンの肩をポンポン叩いて豪快に笑った。
 
「そんな事・・あなたに言われなくたって・・。」
ジニョンは頬を膨らませる。

「もう転ぶなよ。」

「・・!!・・」

「もう、あんたを運ぶのは面倒だからな。」

ジニョンは真っ赤になってウソンを睨みつけた。
「こっ・・こっちだってお断りです!」


ジニョンの怒った顔を見て ウソンはまた面白そうに笑った。


スンジョンは目を丸くしながら二人を見ていた・・・。















   



「お姉さん!」

退勤したジニョンがロッカールームで着替えていると ジェニーがひょいっと顔を出した。

「あらっ、ジェニーも退勤?」
ジョンは明るく言った。

「そうよ、お姉さん。 ・・ねえ、今夜は兄さん、早く帰るの?」

「ううん。 最近、忙しくて毎晩遅いから 今日も遅くなると思うわ。」

「じゃあ、久しぶりに飲みに行かない?」

「え?」

「たまには兄さん抜きで・・どうですか、お姉さん?」
ジェニーが悪戯っぽい瞳を向ける。

「そうね・・。たまにはドンヒョクさん抜きで・・・。」
ジニョンが笑いながら言った。

「そうそう。・・兄さんがいない時にしか行けないような場所へ行ってみない?」

「ドンヒョクさんがいない時に行く場所?」

ジェニーは 不思議そうな顔をしたジニョンを見てくすくすと楽しそうに笑った。





   ―――――――




「カンパ~イ!!!」

ジニョンとジェニーは声を上げてグラスを合わせた。


二人は 大勢の客で盛り上がっている屋台に来ていた。
そこは 仕事帰りのサラリーマンや学生で賑わっている店だった。

「ね? 兄さんとはこんなお店には来ないでしょう?」
ジェニーはそう言うと 焼酎をぐいっと飲んだ。
 
  ・・・彼女はお酒に強そうだ・・。

「そうね~。ドンヒョクさんとは来たことないわね・・。」
ジニョンも 久しぶりに焼酎を飲んでいた。

「兄さんは 静かで落ち着いたカフェバーでカクテル・・っていう感じでしょう?」

「・・そうね・・。焼酎は飲まないわよね~。」
ジニョンはくすくす笑った。
「でも・・ドンヒョクさんがどんな反応するか面白そうだから 今度誘ってみようかしら。」

「・・ふふ・・。兄さん、こんなおつまみを食べるかしら。」

ジニョンとジェニーはテーブルの上にずらっと並んでいる料理を見た。

豆腐キムチ、おでん、パジョン・・そして 鶏の足・・。

二人では食べきれないほどのたくさんの料理だ。
食欲旺盛な彼女たちは 顔を見合わせて楽しそうに笑った。

「・・でも、お姉さんが誘えば、きっと兄さんは喜んでついて来るわね。」
ジェニーは確信をこめて言った。

「そうかしら。」

「そうよ。」

「・・そうね・。ドンヒョクさんは、いつもわたしに合わせてくれるから・・。」
ジニョンはしみじみと言った。

「・・兄さんは、お姉さんが自分に合わせてくれてるって思ってるわよ。」

「え?」

「・・おたがいに 自分が相手に合わせてるって思わないところが 二人のすごい所よね・・。」

「・・ジェニー・・。」
ジニョンは驚いてジェニーを見た。

「・・・あ~あ。 わたしって 人の恋愛はよ~くわかるのに・・どうして自分の恋愛はうまくいかないのかしら。」
ジェニーは苦笑いをした後、大きなため息をついた。

「・・・ジェニー・・、もしかして、好きな人がいるの?」
ジニョンは驚いたようにジェニーを見つめた。

「・・・まあね。」
ジェニーは少し照れたように笑った。

「そうなの?」

「うん。 あ、でも・・兄さんには、まだ内緒よ。・・まだ、片思いだしね・・っていうか告白もしてないの。」

「ジェニー・・・。」

「その彼もまた別の女性にずっと片思いで・・すごく一途なのよ。・・そこがいいんだけど。
 今は友達・・メル友だけど、でも、いつかきっと彼を振り向かせて見せるわ。」
ジェニーはガッツポーズをすると、明るく笑った。

ジニョンはその様子を見て はっとした。
なぜか・・どこかで同じものを見た・・・そんな感じがした。
ジェニーと同じような笑顔・・・眩しいほど明るい笑顔の中に必死で寂しさを隠している・・。

「ジェニー、がんばるのよ。 わたしも応援するからね!」

ジニョンの言葉に ジェニーは笑った。・・・彼女の複雑な気持ちを ジニョンはこの後すぐ知ることになるのだった。





   ―――――――





「ジェニーさん!」

聞き慣れた明るい声に ジニョンはゆっくりと振り返った。

「ジ、ジニョンさん」
カン・レウォンが驚いて叫んだ。

「まあ、レウォンさん。」

「どっ、どうしてここに?」

「今夜はね、ジェニーとお酒を飲みに来たの。・・レウォンさんは?」

「俺は ジェニーさんから 一緒に飲まないかってメールをもらって・・。」

「・・メール?」
ジニョンは驚いてジェニーの方を振り返った。

・・・ジェニーは悪戯っぽく笑うと ジニョンに向かってガッツポーズをした・・・。

 

   ジェニーのメル友のレウォンは 訳もわからないままポカンとしていた・・・。










  





「嬉しいな~!! ジニョンさんとこうして一緒に焼酎が飲めるなんて~!!
 ああ・・実家からソウルに戻って来て本当に良かったです~!!」
何も考えていないレウォンは 明るく笑って叫んだ。

「ちょっとレウォンさん、・・それは 誘ったわたしに失礼じゃない?」
ジェニーがぷりぷり怒っている。・・・本当に鈍感な男だ・・・。

「ああ、もちろんジェニーさんにも感謝してるよ。 ありがとう! 誘ってくれて~!!」

   ・・・レウォンは何もわかっていない。


ジニョンはあわてて言った。

「レ、レウォンさんとジェニーはいつからメル友になったの?」

「えっと・・今年のバレンタインデーあたりかな。 “どうせ今年は一つもチョコを貰えないんでしょう?”なんて
 メッセージ付きで チョコを送ってきてくれて・・。」
レウォンは思い出すように言った。

「そうそう・・。」
ジェニーもうなずいた。

「完全な義理チョコだからボスには絶対言うなって・・。」
レウォンが不思議そうに言う。

「・・・まさか・・兄さんに言ってないでしょうね?」
ジェニーはレウォンを軽く睨みつける。

「言ってないけど・・・。」
レウォンはきょとんとして言った。

「そうそう。言わない方がいいと思うわ。」
ジェニーはほっと一安心する。

「・・・ドンヒョクさんには内緒なのね・・。」
ジニョンはぼんやり呟くと 少し身震いをした。

   ・・もし、ドンヒョクさんが知ったら・・どうなるのかしら・・・。



「さ、ジニョンさん。おっかないボスもいない事だし、もっと飲みましょう!」
レウォンは明るく笑うとジニョンのグラスに焼酎を注いだ。

「え・・でも・・。 ・・う・・ん・・そうね・・。」
ジニョンはちょっと迷ったが レウォンの笑顔につられてつい飲みほしてしまった。

「・・おいし~!!」
ジニョンがにっこり笑った。

「お・・ジニョンさん、けっこうイケる方ですね~!」
レウォンが意外そうな顔をした後、笑った。

「ちょっと、カン・レウォン! わたしにも注ぎなさいよ~!」
ジェニーがレウォンにグラスを突き出して言った。

「はいはい・・お注ぎします~!!」
レウォンは喜んで ジェニーに笑いかけた。


こうして 三人は 次々と焼酎のボトルを空けていった・・・。













    .:*゚..:。*゚:.。*゚..:。*゚:.。*゚..:。*゚:.。*゚..:。*゚:.。*゚:.。*゚




「じにょんさ~ん・・・は・・どうして・・ぼすのオクサン・・なんですか~?」
レウォンがろれつが回らない口調で言った。

「・・・どうしてって・・・ボスと・・ケッコンしたからよ・・。」
ジニョンも目がとろんとしている。

「・・じゃあ・・ど~して・・ケッコン・・したんですか~??」

「・・・や~ね・・あいし・・てる・・・からに・・きまってるでしょう・・?」
ジニョンの頬がますます赤くなる。

「・・・・・」
ショックを受けるレウォン。
・・・聞かなきゃよかった・・・と思った。

「・・カン・レウォン・・しつこいぞ~!! いい加減 お姉さんのことは諦めなさいよ。」

3人ともかなり酔っていた。
ジェニーが一番しっかりしてるようだった。

「いやだ~・・。さ、ジニョンさん、もう一杯どうぞ~~・・・。」

「もう・・飲めないわ・・レウォンさん。」

「・そんな事言わずに・・さあ・・。」

「・・・・・・。」

レウォンはまたジニョンのグラスに焼酎を注いだ。

注がれるとついその気になるジニョンは またグラスを口に近づけた。


   ・・・その時だった・・・。


誰かの力強い手がジニョンの細い手首を掴んだ。

「・・・え・・・?」
ジニョンが驚いて見上げると そこには傍目にもわかるほど怖い顔をした チェ・ウソンが立っていた。


「・・・チェ・ウソンさん?」
ジニョンは 意外な人物の名前を呼んだ。

「・・・何・・考えてるんだ・・。」
ウソンが怒りに満ちた低い声で言った。

「・・・え・・?」

「あんた・・自分が何してるか、わかってるのか?」
ウソンはジニョンを睨みつけた。

「・・・あ・・の・・?」



「・・俺は・・自分の体を・・命を粗末にする奴が許せないんだよ・・・!」

吐き捨てるように言ったウソンは ジニョンの手首をぐっと掴むと強引に引き上げた。


その拍子に ジニョンの手からグラスが落ちて 液体をこぼしながら激しい音をたててテーブルの上にころがった。




   ・・・ウソンのあまりの迫力に ジニョンは動揺して体が震えそうだった・・・。






















                    背景・画像・コラージュ by akke














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aoi32
Gelsthorpeさん、読んでくださってありがとう~^^何とか今の季節にUPしたいと思いまして…。暑中お見舞い申し上げます。 2010/08/06 17:58
Gelsthorpe
またここでaoiさんのドンヒョク&ジニョンのお話が読めて嬉し~v^^v 加えて連日のUP…♡ 今日も楽しみにしてます^m^ 2010/08/06 05:32
 
 

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