むかしむかし、台湾の山の上に、トラの妖精が住んでいた。トラの妖精が人間になるためには、修行以外に何人かの子どもを食べなくてはならない。そのため、山から出て、村の中で子どもを捜していたところ、ある家の母親が外出して、家の中に二人の姉妹が留守番していることを知った。トラの妖精は、その姉妹の知り合いのおばさんに変身して、家に入った。その夜、みんなが寝静まると、トラのばば(虎姑婆)はまず妹を食べた。その音を聞いた姉が、トラのばばに何を食べているのかたずねると、トラのばばは「落花生を食べている」と言いながら、妹の小指を姉に渡した。姉はびっくりしたが、落ち着いてトイレに行くフリをして、外の木の上に身を隠した。妹を食べ終わったトラのばばは、姉を食べようとしたが、姉はトラのばばに「鍋でお湯を沸かしてくれたら、自分から飛び降りる」と勧めた。そして、トラのばばが目をつぶって口をあけて待っていると、姉はお湯をトラのばばの口に入れて、トラのばばは死んでしまった。
…これは誰もが小さい頃よく聞いていた話です。この話の内容に基づいて作られた童謡もあります。トラのばばは子どもの指が大好きなので、指を食べられたくなかったら、知らない人を絶対に家に入れないようにと、よく大人に注意されました。
私もこの話を聞いて、一時期本当に怖くて、家のドアを開けることがちょっとできなかったんです。家族の中でも、ほかの人に反応しないように、特別なノックの暗号を作ったんです。(IMX新人タレント アンナ・リー)
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