ブロコリさんならではのアジアンホラー話ということですので、私が香港に旅行したときのお話をさせていただきます。
一昨年の夏でしたが、私の友人と3人で香港に4泊5日の旅行に行きました。香港に行くのは仕事を含め5回目でしたので、ある程度の地理は頭に入っており、ちょっと安心していたような気の緩みがあったことは確かでした。
さて、滞在も3日目になると、香港島周辺の目ぼしい地域は大体回れたので、今日は静かな海にでも行こうということになり、「西貢 Sai Kung」という中心地からちょっと外れたスポットへ出掛けることにしました。
彩虹駅からバスに乗り、ひたすらクネクネした道を進むこと、30分くらいでしょうか、西貢に到着し、3日目にしてようやく人の少ないところにやってきたような気がしました。
そこで、日光浴や海鮮料理を楽しみながら、気がつけば、夕暮れ時となっていました。 私の宿泊先の方に戻るバスが少なかったので、急いで帰りの準備をし、何とかちょうど良いバスに乗ることができました。
友人と共にしばらくウトウトしていると、バスは目的地の彩虹駅に着いていて、慌ててバスを降りました。外はすっかり夜になっており、急いで電車で宿泊先まで帰ろうとしたときでした。時間を調べるために、携帯を取り出そうと、ポケットに手を入れてみると、肝心の携帯電話がありません・・・
バックも開けて全ての持ち物を調べてみたのですが、全く見当たりませんでした。途方に暮れる私を他所に、友人達二人は私の携帯に何度も電話を掛けてくれたり、警察に問い合わせてくれたりと、色々と手を尽くしてくれました。
恐らく皆さんも一度は経験がおありかと思いますが、海外で物を失くしたときは、まず頭がパニックなり、どうしていいか分からなくなります。警察に問い合わせるといっても、発見された頃に私は香港にいないので、まず手元に戻ってくることはないでしょう。
一向に明るい兆しが見えぬ中、友人の努力も虚しく、その日に携帯が発見されることはありませんでした。とりあえず、最後の頼みとして、バスターミナルの係員に拙い英語で事情を説明し、日本の私の住所をメモして、その場を後にしました。
それから、2週間後、携帯を失くしたことも忘れかけていたある日、香港から自宅の私宛に小包が届いていました。おそるおそる中を開けてみますと、失くしたはずの私の携帯電話が入っているではありませんか!!
驚きと嬉しさで、思わず友人達に連絡をし、しばらく経って、携帯電話をおもむろにいじっていました・・・
そこで、私は思わず携帯を投げ出してしまうほどびっくりしました。 何と、写メールに、それこそ何枚もの変なおじさんの度アップ画像が入っているではありませんか!! あまりに気持ち悪いので、携帯をしばらく放置し、おそるおそる小包の中をさらに調べてみました。
すると、一枚の手紙のようなものが入っていて、このように書いてありました。
「バスの中に携帯が落ちており、何度も着信があったので、運転手が落し物だと思い拾ってくれた。その際、運転手は、恐らく落とした人が必死に探しているのだろうと思い、何度も電話に出てあげようとしたが、電話の出方が分からなかった。そのため、運転手は色々なボタンを押してしまったが、決して変なことはしていないので、安心してほしい。とにかく、急いで携帯電話をお送りいたします。それではまた香港に遊びにきてください。」 by 彩虹バスターミナル (英語で)
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