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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141273/418684
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Imagination
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Congratulations
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Happy Birthday


こちらは1月から12月まで、それぞれの月生まれの方へ、お誕生日のお祝いとして創作したお話のお部屋です。
季節ごとのシンファミリーのお話やら、ソウルホテルへいらしたお客様のお話やら、なにやらいろんな色をした
ビー玉がころころあちこちに転がっているようなお部屋ですが、よろしければ、お付き合いくださいませ。
No 22 HIT数 1143
日付 2009/03/07 ハンドルネーム Library Staff
タイトル 2008 1月生まれの人へ 「side by side」
本文
『 side by side 』




「あら・・・、いらっしゃいませ、ソウルホテルへ、ようこそ♪」


こんにちは

いらっしゃい、久しぶりねーー、今日は仕事?

ええ、打ち合わせを兼ねて、ランチなの。

レストランで待ち合わせ?

そうなんだけど・・・でも、ちょっと早く来ちゃった・・
ジニョンに会えるかなって思って・・・

ね、打ち合わせが終わったら、オフィスに寄ってよ。
あいにく今夜は夜勤なんだけど、ちょっとお茶でもしましょうよ。

忙しいのに、ごめんね・・・

なに言ってるの。スヨンこそ、最近ものすごく忙しそうじゃない。
どう?仕事は順調?

ええ、なんとかね・・・

ね、今は、どんな仕事をしてるの?

今度、済州島に新しく音楽ホールができるのを知ってるかしら
カン・ヒョンジンssiが設計する・・・

カン・ヒョンジンssi?!あの建築家の?

あら、ジニョンも知ってるの?

もちろんよ!新進気鋭の建築家ってメディアにもいろいろ取り上げられているじゃない。

若手の中では実力NO1だし、なかなかのイケメンじゃない!そうそう、うちのホテルで打ち合わせをされたことも何度かあるのよ。

ふふっ、そうみたいね・・・・ソウルホテルがお気に入りみたいよ。

まぁ、それは嬉しいわ。でも、そんな人と一緒に仕事するなんて、凄いじゃない!スヨン!

そんなことないけど・・まぁ、頑張ってるわ。ジニョンに負けないように。

凄いわよーー、ね、もしかして、ヒョンジンssiのご指名とか?

うーーん、そうなるのかしら・・・ほら、去年のソウルホテルのクリスマスパーティー、
そこで、知り合ったのよ。第一新聞社の方の紹介で・・・・その時は、ちらっとお話をしたくらいだったんだけど、
今回、音楽ホールのロビーのインテリアを私に担当してくれないかって、うちの事務所にオファーがあったの。

うわーー、凄いじゃない!!!インテリアコーディネーター、イ・スヨン、あのカン・ヒョンジンssi直々のご指名なんて、まさに大仕事ね!!

まだ正式に決まったわけじゃないけど・・・でも、チャンスだと思うわ。

頑張るわね、ジニョン

ええ、頑張ってね・・・・でも・・・あの・・・その・・・

なに?

えっと・・・カン・ヒョンジンssiって・・・なんていうか・・・かなりの激情家というか、気性が激しいというか・・・
うちのホテルで会議をしたときも、物凄いバトルがあったとか・・机をひっくり返したって噂もあるのよ・・・・

ええ、そうみたいね・・・なかなか「熱い」人らしいわ。

大丈夫?スヨン・・・

あら、貴方の旦那様もかなり「お熱い」人じゃなかったかしら?確かワインボトルを壁に投げつけたことがあるって聞いてるわよ。

そ、それは・・・でも、さすがに机はひっくり返してないわよ・・・・たぶん・・・

ふふっ、心配してくれてありがとう、でも、大丈夫よ。私、これでも結構打たれ強いのよ。おかげさまで・・・

スヨン・・・

あら、そろそろ時間だわ。それじゃ、また後でね

ええ、そうそう、もうすぐスヨンのお誕生日じゃない。みんなで集まってお祝いしましょう♪

ありがとう・・・でも、みんな忙しいのに・・・

なに、言ってるの。忙しいからこそ集まるんじゃない。でないと、私たちみんな枯れちゃうわ。
集まって食べて喋って騒いで、エネルギーを補給しなきゃ

ふふっ、そうね

じゃ、みんなにメールしておくわ。それじゃ、打ち合わせ、頑張ってね、でも、あんまり働きすぎちゃ駄目よ。

ありがとう、ジニョンこそ・・・・それじゃ、また後でね・・・・



えっと・・・・ヒョンジンssiは、まだいらしていないみたいね・・
それじゃ、お先に珈琲でもいただこうかしら・・・
さて・・・・
そういえば、もうすぐお誕生日だったわね
なんだか、こう毎日忙しいと、自分の誕生日すら忘れてしまうわ。

でも、忙しいってありがたいこと・・・・

目が回るくらいに時間に追われていると、心が擦り切れていくっていう人もいるけれど・・・

有り余るほどの時間が、指から零れ落ちていくのをただ眺めて、ゆっくりと心が萎えていくより、
こんなふうに忙しいほうが生きてるって実感できるもの。

もうあの頃には戻りたくない・・・・

なんて、ちょっと頑張りすぎかしら・・・

たまには、肩の力を抜かないと、それこそ「枯れちゃう」かしら・・ふふっ・・
でも・・・


離婚して、仕事を始めて、曲がりなりにもプロとして自立できた・・・
離婚してから・・・ただただ前だけを見て走り続けてきた。
最初は、インテリア会社でアルバイトをしながら、専門学校へ通った。

夜には、疲れきってベッドに倒れこみ、夢も見ない毎日
父は帰って来いって言ってくれたけど、母は黙って私を見守ってくれた。

思えば、あれが、私にとって初めての自活・・・
あれから、今日まで・・・
ようやくプロとして認められるようになった・・・

あら?今、ホテルの庭を走って行ったのは、ジニョンかしら?

くすっ・・・

相変わらずね・・・
ねぇ、ジニョン

私がここまで頑張れたのは、貴方たちがいてくれたからよ。
貴方や、リヨンやヒジン・・

みんながいつでも私を見守っていてくれたから・・・

私の離婚の顛末は、さらっと話はしたけれど、私自身まだ深く語れるほどじゃない。
もっと時間がたって、もっと私が成長したら、笑い飛ばせる日も来るかもしれない。

今はまだその途中・・・・

そんな私に、みんなは何一つ詮索することなく、昔と代わらず温かく私に接してくれた。

そのことが当時の私には、どれほど嬉しかったことか・・・
好奇に満ちた視線や揶揄やあざけり・・・
それみたことか・・という蔑みや悪意のある数々の噂や失笑・・・
水が引くように一気に離れていった多くの「友人」達・・・

あの頃は、目を覚ますのが辛かった。

ずっと死んだように眠っていたかった・・・
大学を出て、一流デパートの受付として働き始めてすぐに、そのデパートの御曹司に見初められて結婚。
まるで、おとぎ話のようなシンデレラストーリー
でも、現実は決して、フェアリーテールなんかじゃなかった。

世間的に言えば、ごく普通の家庭に育った私が、結婚によって一気にセレブの仲間入りをしたという事になるんだろうけれど・・・
テニスやゴルフに興じ、フィットネスで汗を流して、エステサロンで磨きをかけて、
お昼は話題の流行のスポットでランチ、バレエやオペラやミュージカルを楽しんで、夜は一流ホテルやレストランで豪華なディナー
10歳以上も年上の大人の夫・・・
穏やかで優しい彼に愛される幸せなセレブ妻
まるでファッション雑誌の見出しのような人生・・・

でも・・・・・私はずっと孤独だった。
その原因が、身分や環境によるものではなかったことは、今のジニョンを見ればわかるはず・・

いろいろな違いがあっても、ジニョンとドンヒョクssiの二人は、すれ違いや誤解や喧嘩を繰り返しながらも、数々の障害を乗り越えていった。

そういえば・・・

私たちは、喧嘩もしなかった。
なにか感じてはいても、困ったように目を逸らすだけ・・・
結局一度も正面から向き合うことのなかった私たち・・・
結婚した当初は私が彼を支えるのだと、意気込んでいたけれど・・・
あちらのご両親が反対していたことは、薄々気づいていたし、後継者として一身に期待を受けていた彼のプレッシャーの重さも感じていた。
だからこそ、私が心の拠り所になって、彼を支えていくのだと・・・
でも・・・


彼が求めていたのは、対等な人生のパートーナーではなかった。
甘やかし、可愛がり、気が向けばどこかへ連れて行き、いい子でいれば、ご褒美を与える・・・

自分だけを、ただ忠実に見つめ続け、疑問を持つことなどなく、従順に無条件に彼を崇める
そんな「ペット」のような存在を求めていたのかもしれない。

振り向いてもらうのを、ただ待ち続ける毎日・・・

遠くの背中を見つめながら、彼の後ろをついていくだけ・・・・

結婚というのは、どちらかが、人生を捧げるものではないはず・・・

専業主婦のヒジンだって、決して自分の人生を犠牲にしているわけではない。

しっかりと大地に根を張り、旦那様と対等に人生を生きている。

そして、まるで太陽のように輝き、家族を照らしている。

あの頃の私は、ただただふわふわの真っ白なクリームに覆われたケーキみたいな甘いストーリーに酔っていただけだ。
王子様に選ばれた庶民の娘・・・

ずっとどこかに引け目があったのかもしれない。

それでは、対等の人生なんか送れないわね・・・
やがて、少しずつ豪華なデコレーションが剥がれていけば、ただの生地が現れ、
時とともに、そのスポンジもポロポロと崩れはじめ、やがて、ぱらぱらと指の隙間からあっけなく零れ落ちていった。

そして、手の中は空っぽ
何も掴むことはなく・・・
あの頃は、夜が辛かった。

豪華な部屋の大きなベッドに一人横たわりながら、ふと見上げた夜空・・・
この空の下、みんなはどうしているのだろう・・・
そんなことを考え続ける日々・・・

ジニョンは・・・・きっとホテル中を走り回り・・・リヨンは・・・相変わらず締め切りに追われ髪を振り乱しているかしら・・・

ヒジンは・・・・子供たちを追い掛け回し、同居しているお舅さんやお姑さんのお世話をして・・・

私だけ、ただじっといつまでも同じ場所に立ち尽くし、目の前の通り過ぎて行く時の流れを、なす術もなく呆然と眺めているだけ・・・
虚ろで空っぽな日々・・・・

何も創らず、何も重ねず、何も築かず・・・

でも、彼だけを責めるわけにはいかない。

一番悪いのは、私だ。

愛というものを、何もわかっていなかった。
愛なんて、ただ与えられるものでもなければ、天から降ってくるものでもない。
ジニョンやリヨンを見ても、二人とも闘ったり守ったりして傷だらけになりながらも愛を手に入れた。

血を流し、汗にまみれて・・・

そうやって掴み取ったものだからこそ、彼女たちの愛はあんなにも純粋で、尊くて綺麗だ。




                     




今思えば「支える」なんておこがましい。

自分の足で立ったこともなかった私が・・・

あの結婚は、親の囲いから、彼の籠へと移り住んだだけだったのに・・・

支えあうということは、お互いに寄りかかるのではなく、まずしっかりと自分の足で立つことだ。
その上で、手を差し伸べるのでないと、お互い倒れてしまう。
今、私はようやく、仕事を通して、精神的にも自立できたのかもしれない。

離婚してから今日まで、恋愛なんて、思い出す暇もないくらい、がむしゃらに

走り続けてきたけれど・・

もし・・・もしも、誰かを愛することがあったら・・・

今度こそ、しっかりと正面から向き合いたい。

喧嘩もして、泣き言も言って、涙も笑顔も分け合いたい。

そして、しっかりと隣に並び立ち、人生を歩いていきたい。

ジニョンとドンヒョクssiのように・・・



                          




私も、あの二人が掴んだような、そんな愛に出会える日がくるかしら・・

pipipipipi・・・・

携帯の音にふと我に返った。
電話の相手は・・・
ヒョンジンssi?

「はい、イ・スヨンです」

「スヨンssi?申し訳ない。道路が渋滞していて・・・あと10分くらいで着きます。・・・馬鹿野郎!!そっちに曲がってどうする!左折しろ!!」

「あ・・あの・・・大丈夫ですから・・・ゆっくりいらして下さい。」

「本当に申し訳ない。あ、打ち合わせの後、なにかご予定はありますか?」

「いえ・・・特には・・・」

「じゃ、お詫びに夕食をご馳走しますよ。」

「いえ・・・そんなお気遣いは・・・」

「そこを右だ!あ、それじゃ、のちほど」

「あの・・もしもし・・ヒョンジンssi?もしもし・・」

・ ・・・・・


ふぅ・・・噂とおり、まさに火のような人ね・・・
あっという間に切れた携帯を、私はしばらく呆然と見つめていた。
ふと一抹の不安が・・・・

この仕事・・・・大丈夫かしら・・・
ふと思い立って、携帯で「1月生まれの人の運勢」というサイトをテェックした。
『ガマン強く、教えられたことを律儀に守り抜く性格ですが、どんなことに対しても受身になりがちなところがありそう。』


ええ、そうかもしれないわね・・・

だからこそ、こうして頑張っている。

『さびしがり屋で同情心にあふれ、太っ腹なところがある一方、人間を好き嫌いだけで判断する傾向があります。』

気をつけなきゃ・・・・そういえば、「スヨンって、普段はおとなしいくせに駄目なものは駄目ってものすごく頑固よね」って言われたりもする・・・

ヒョンジンssiとは、うまくいくかしら・・・

『お世辞にも要領のいいほうではないため、会社などの組織内では、苦労することがあるかも。自分のペースでできる仕事で評価を得られそう。』

これも当たってるわね。だからこうして、資格をとってインテリアコーディネーターとして、独立したのよ。

『ひとつの恋が長くなりがち。時には駆け引きも必要。短気と強情さをつつしめば、将来には幸福な家庭を築くことができそう。』

なるほどね・・・・

どうも、今から会う人は、『短気と強情さ』の塊のような人みたいだ。

そこのところを理解して、私が少し慎めば、うまくいくのね・・・

って、別に、ヒョンジンssiと恋に堕ちるわけでもないのに、私ったら何を考えてるのかしら。


私がぱちんと携帯を閉じると同時に、こちらに向かって足早に歩いてくるヒョンジンssiの姿が見えた。


急に沸き立つ不思議な感情の渦


これは、何?



さ、さぁ・・・私と同じ1月生まれの方々・・・
人生、いつなに起こるか本当にわからない

もしかして、今日出逢った人が運命の人かもしれない・・・・


happy birthday to you&me

今年こそ素敵な1年になりますように・・・
1月生まれの皆様、お誕生日おめでとうございます。

今月のお祝い画像(お題は『隣に並ぶなら)に答えてアップしてくださ

ったものをモチーフに創作をさせていただきました。

ありがとうございました。
ささやかですがお祝いに代えて・・・

            orionn222




(2008/01/27 Milky WayUP)

 
 
 

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