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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141278/418689
開設サークル数: 1238
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Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
容量 : 39M/100M
メンバー Total :732
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書き込み Total : 898
Today : 0
Happy Birthday


こちらは1月から12月まで、それぞれの月生まれの方へ、お誕生日のお祝いとして創作したお話のお部屋です。
季節ごとのシンファミリーのお話やら、ソウルホテルへいらしたお客様のお話やら、なにやらいろんな色をした
ビー玉がころころあちこちに転がっているようなお部屋ですが、よろしければ、お付き合いくださいませ。
No 25 HIT数 1517
日付 2009/03/07 ハンドルネーム Library Staff
タイトル Thanks for your birth 1
本文









『Thanks for your birth』










「いらっしゃいませ、ソウルホテルへようこそ・・・」



「よく来てくれたわね。二人とも♪♪

今日はゆっくりしていってね。」


「ありがとう、母さん。

レウォンが是非母さんの働いているソウルホテルへ行ってみたいって言うから・・・」


「こんにちは」


「大歓迎よ。あ、テジュンssi、こちらはソウルホテルの社長のハン・テジュンssi。」


「おおーーよく来たな。かれん、久しぶりだなーーー、なんだか綺麗になったな!

お!こちらが、例のかれんの恋人か?」


「イ・リチャードといいます。はじめまして。」


「ほおーー噂通りの美形だな。ハン・テジュンです。

はじめまして。いやーー俺はお前たちの味方だ!なんでも力になるぞ!

あんな分からず屋の理事なんかに負けずに頑張れ!!熱烈に応援しているぞ!!」


「あーら、そんなこと言ってていいの。この次はテジュンssiの番よ。

ユミンちゃんがこうして彼氏を連れてくるわよー」


「な、なにを言ってるんだ。ユミンはまだまだ子供だぞ。か、彼氏なんて・・・

縁起でもない!!

そ、そうだ。かれん、ジェイの奴はどうしてる?」


「逃亡幇助罪として、食事抜きで自宅軟禁中よ。」



「自宅軟禁って・・・あいつならすぐに抜け出すぞ。」


「別に抜け出しても構わないわ。ただ二度と入れなくなるだけの事よ。

セキュリティー会社に連絡して、門や玄関のドアのロックナンバーを変更したの。

それに、壁をよじ登る人がいたら、すぐに捕まえて連行してくださいって

依頼してあるし。」


「・・・お前・・・あいかわらず、すごいな・・・リチャードssi・・・いいのか?こんなので・・」


テジュンおじさんのちょっと呆れたような問いかけに「こんなのが、いいです。」って、

君が笑いながら返事をした。


「悪かったわね。こんなので・・・」


なんて、賑やかに笑い合ったあと、母さんとテジュンおじさんは仕事に戻っていった。























「さぁ、ソウルホテルにようこそ。当ホテルの館内ツアーにご招待するわ。」



私はそう言うと、子供の頃から見慣れたホテルをぐるりと見渡した。


久しぶりに立ったロビーは、なんだか少し小さく感じた。

昔は、とてもとても広く感じていたのに・・・・


「ジェイ君は大丈夫?」


君が、そっと私の手を取りながら、聞いてきた。


「心配ないわ。今頃、ユミンちゃんが差し入れを持って、ジェイの救出に向かってるわ。」


「ユミンちゃんが?」


「ええ、いつもそうなの。昔っから、あの子ったら、困った時は、ユミンちゃんに

助けを求めるのよ。まったく!」


私の憤慨振りをくすっと笑って、君は興味深げにあたりを見回した。

そんな君の何気ない仕草にさえ、愛おしさがこみ上げてくるなんて、私も相当なものね。




でも・・・

君とソウルホテル

私の愛する人と愛する場所で・・・























さあてと・・・


君と手を繋ぎ、柔らかな春の陽射しを受けながら、緩やかな坂道をゆっくりと登る。

まずはサファイアヴィラ


「ここはうちの両親の想い出の場所らしいわ。

なんでも韓国に来た父さんがここで初めて

母さんと挨拶を交わしたんですって・・・それからしばらくここに滞在したみたいよ。

その間に愛を育んだらしいけど・・・それで、どういうわけか毎年、結婚記念日には

二人でここに宿泊するの。今だにやってるのよ。」


「へぇ・・・いいね・・」


「じゃぁ、私たちも真似する?私たちの想い出の場所っていうと・・・大学の講義室?」



「毎年、あの講義室で、かれんを壁際に追い詰めてキスしようか?」


「それって、ロマンティックなの?」




そう言って笑い合う私たちに、春の陽射しが優しい。


ジムやプール、ビリヤードルームを回って、ダイアモンドヴィラへ・・・


昔、こうして母さんもゲストとして滞在していた父さんを案内したのかしら・・


その時、お客様を案内する一人の支配人の姿に気づいた。























「あっ・・・・」

あの人は・・・・



彼の姿に気づいて、私の足が止まった。

「かれん?」

君が、ちょっと不思議そうに私を見た後、その視線の先を辿った。


「あの支配人・・・・イ支配人っていうんだけど・・・実はうちの母さんが初恋の人なのよ。」


「へぇ・・・・」


君が、ちょっと目を細めて、光の中の彼を追った。




「まだ子供の頃、このホテルに滞在していて、母さんに恋をしたんですって・・・

それで、『大人になったら、きっとこのホテルの支配人になる』って約束をしたらしいわ。

それでね、本当にソウルホテルの支配人になったの。

ね、これってちょっとロマンティクでしょう?」


私が、彼の姿を目で追いながら、説明をしたその口調は、ちょっと切ない色を

帯びたのかしら・・・


君がちらっと私を見た。



「でね・・・彼の名前はイ・レウォンssiっていうの。レウォンが彼と同じ名前なんで、

最初はちょっと驚いたわ。」



「・・・・へぇ・・・・」


「それでね・・・・」

私の胸に、微かにきゅん・・と甘い疼きが走った。




「それで・・・実は・・・彼は私の初恋の人なの・・・」


君がはっと私を振り返った後、彼の姿に目を戻した。



そして、まだちょっと甘い感傷に浸っている私の手をぐいっとひっぱると、

君は足早に歩き出した。



「言っておくけど・・・」


「・・・なに?」


君がその緑の瞳で私をじっと見た。


「俺があの人と同じ名前なんじゃなくて、あの人が俺と同じ名前なんだよ。」


「・・・それって・・同じことじゃない?」


「全然違う。」


そう??


でも、ちょっとぶっきら棒に、そう言い切る君を見て、なんだか、悪い気がしないのは、

私もどうかしてるわね。


少し足早の君に寄り添って歩くと、暖かな陽射しに、私の心の温度も上がってくるわ。























許可をもらって、バックヤードに入れてもらう。


まるで迷路のようなこの通路を足早に歩いてゆく多くのホテリアーたち・・・


幼い頃から私を知っている彼らは、急ぎ足でそれぞれの職場に向かいながらも、

笑顔で声をかけてくれる。



「おっ、かれん、かっこいい彼氏だなーーー」

「あら、かれんちゃん、いいわね、お似合いよ。」

「きゃーーー、噂どおりですーーー。いいなーーーかれんssi―――」

「あつあつだなーーーかれんーーー



君が手を離さないので、口々に冷やかして通り過ぎる彼らに、私の頬がほんのり

桜色に染まってゆくのに、君は平気なんだね。












 



 
 
 

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