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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141275/418686
開設サークル数: 1238
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Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
容量 : 39M/100M
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書き込み Total : 898
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Happy Birthday


こちらは1月から12月まで、それぞれの月生まれの方へ、お誕生日のお祝いとして創作したお話のお部屋です。
季節ごとのシンファミリーのお話やら、ソウルホテルへいらしたお客様のお話やら、なにやらいろんな色をした
ビー玉がころころあちこちに転がっているようなお部屋ですが、よろしければ、お付き合いくださいませ。
No 26 HIT数 991
日付 2009/03/07 ハンドルネーム Library Staff
タイトル Thanks for your birth 2
本文








その光景に私は、ハーバードでのあの日々を思い出した。


あの・・・「最悪」な日の夜、家に帰った私は友人たちの襲撃を受けた。



「ちょっと!!!かれん!!なにかあったでしょ!!」

「そうよ!!絶対あったに決まってるわ!!」

「白状しなさいーーーー」

「聞き出すまで帰らないわよ!!」




ものすごい迫力でそう迫ってくる友人たちの勢いに、私はとうとう君との顛末を

話したんだっけ・・



その時の友人たちの反応といったら・・・


「リックって・・・あのリック??ええっ??イ・リチャード??!!」

「・・・・・マジ??」

「・・・・それって・・・・かれんの妄想??」


たちまち大騒ぎを始めた友人たちの中で、リジーだけが、静かに言った。


「そう・・やっと行動にでたのね、リックのやつ・・・」


「えっ??」

「ええーーー?!?!」

「それじゃ・・・」


友人たちの中でも、いつも独特の視点でものを見る評論家タイプのリジーの言葉に

騒然となっていたみんなが、言葉を止めた。



「あら、だってリックを見ていれば、わかることじゃない」ってにっこりと笑ったわね。


「ええーーーー!!!!」

「ど、どういう意味?」


再び大騒ぎになりそうな友人たちを手で制して、厳かに話し始めるリジーの言葉に

思わず私も聞き入ってしまったわ。



「私は将来キュレーターを目指しているの。だから、ああいった芸術的ともいえる綺麗な

人物を鑑賞するのもある意味、勉強の一環なのよ。」


「・・・・うん・・それで?」


「いつもリックはかれんを見ていたわ。最初は私も半信半疑だったけど、とにかく、

かれんがくると、ぱっとわかるみたいなのよ。

だから、あの綺麗なグリーンの瞳が動くと、その先にはいつもかれんがいたの。」


・・・そうだったの?























「どこで誰と何をしていても、リックの瞳はいつもかれんの姿を追っていたわ。

だから、好きなんだろうなって気がついたの。


それに、ある時、リックが一人で図書館前のピロティーのベンチに座っているのを

見かけたことがあったわ。リックが女の子の取り巻きもなしに、一人でいること自体、

珍しいでしょう。だから、図書館の中からじっくりと鑑賞していたのよ。

それはもう絵になる光景だったわよーー。紅葉に映える芸術的ともいえる綺麗な横顔、

逞しいボディライン・・・それに黒髪に夕日がきらきらと反射して・・・」


「リジー!そこのところはいいから、結論を言ってよ」



ええ、お願いします・・・

私も心の中で、そう言っていた。



「だから、しばらくしたら、図書館からかれんが出てきたのよ。すると、

あの宝石のようなグリーンアイがぱっと輝いて、かれんをじっと見つめていたわ。

なんだか胸が痛くなるような切ない光景だったわ。そんなに好きなら言えばいいのに・・


ってこっちがやきもきするくらいだったわよ。

だって、リックなら女の子を口説くなんて、朝飯前のことじゃない?

それなのに、リックの姿に気づきもせずに、だんだん遠ざかっていくかれんの背中を

見つめる切なげなリックを見てると『ちょっと!追いかけなさいよ!リック!!』

って思わず応援しちゃったわ。だから、やっと片想いが実ってよかったね、

リックってことよ。」


「ええーーーーー」

「それじゃ・・・それじゃーーーーー」

「リックとかれんがーーーー?!?!きゃーーー!!!ハーバード一不思議なカップル

誕生よーー!!!!」



深夜の私の部屋には、友人たちの悲鳴とも言える絶叫が響き渡った。


・ ・・悪かったわね・・・


私は、あの騒動を思い出して、ちょっと顔をしかめた。























それに、それからが、もっと大変だったわね。

人目なんか、気にもせず、堂々と手を繋いで校内を歩く君の横で、私はあちこちからの

視線を針のように感じて、さすがに、最初はまっすぐ前を見られなかった。


それに続くさっきみたいな冷やかしや賭けの数々・・・


やれ、「リックが何かの賭けに負けた罰ゲームだ」とか、「あれは、シン・かれんの

新しい研究題材だ」とか・・・




まったく!!

「シン・かれんがリックの弱みを握って、プレイボーイを改心させるために暫定的に

付き合っているというのが真相」って言った胴元は、名誉毀損で訴えたかったくらいよ!


でも・・・「あいつに傷つけられたら、いつでも僕のところにおいでよ・・・実は・・

僕はかれんの事が好きだったんだ。」って、言ってくれたダニー・・・・

ありがとう・・・そして、ごめんね・・・



なんて、ちょっと甘酸っぱい想い出に浸っていると、いきなり後ろから大声で

呼び止められた。























「あらーーーあらあらあらあらーーーー!!!かれんじゃないのーーそれにこれが、

噂のかれんの恋人ねーーーあらーーーまあまあまあーーー

かっこいいじゃないのーーーー」


「ス、スンジョンおばさん・・・こんにち・・・」


「私はイ・スンジョン。かれんのお母さんの先輩よ。

いつもこの親子のお世話をしてきたのよーー」


「はじめまして、イ・リチャードといい・・・」


「あらーーーあらあらあらーーー声も男前ねーーーーまったく理事ったら

しょうがないわねぇーでもね、私に言わせれば、あれはジニョンssiが悪いのよ。

妻なんだから、夫のことはもっとしっかり管理しなきゃ。その点、うちは大丈夫よ。

ダーリンのことは100%私が操縦しているから。」


「あの・・・スンジョンおばさん・・・」


「ま、かれん、気長に頑張りなさい。応援してますからねーー、

でも、よかったわねぇーかれん、あの高校生の失恋のときは、

どうしようかと思ったけどーーまぁ、あれも私のおかげで立ち直ったでしょう?

今回も力になるわよーーーあら?無線が鳴ってるわ。それじゃ、またねーー」




言いたいことだけを言って、あっという間に消えていったスンジョンおばさんの

ちょっと丸みが増えた背中を見ながら、相変わらずね・・って笑ってしまった。



「・・・高校のときの失恋?」


君が低い声で聞いてきた。


「まぁ・・・私にも・・・それなりに・・・いろいろあって・・・」


「ふぅん・・・」


それきり、たいして興味なさそうに歩き出したけど、こういうときの君が一番危険


あとで、思ってもみないタイミングで攻撃されることがあるから・・・























あら?

社長室から出てきた懐かしい顔に出逢って、思わず私は歓声を上げた。


「オッパ!!ジニオッパ!!」

「やぁ、かれん、リック」

「オッパ、いつ戻ってきたの?」








私はロンドンのオフィスで働いているジニssiとの思いがけない再会を喜んだ。


「つい昨日だよ。帰ってきてみたら、なんだかとんでもないことになっていて、

面白かったよ。」

「もう!オッパ、面白がってる場合じゃないわよ。」


なんて、つい言いつけ口になるけれど、オッパには、すでに君のことは紹介済みだ。



アメリカへ出張に来るたびに、連絡をくれるオッパには、もうとっくに

レウォンのことは紹介してあった。

私たちにとって、今やオッパはいい相談相手だ。

レウォンも、私とのことだけではなく、ビジネスのことや、複雑な家庭環境のことを

含めた将来についても、あれこれ相談に乗ってもらっていた。


こうやって、周りからじわじわとしっかり固めていったのに・・・

まったく、父さんときたら・・・


「それで、今日は父さんはどうしてるの?」


「昨日、『ジニ、なんかやってないか』って聞かれたから、「チューリップ祭り」って

いうのならやってますけど・・って答えたら、本当に今日そこへ行っちゃって・・・



レオssiに『ボス!なんでそんなところに視察に行くんだ!』って言われても

『僕はチューリップが好きなんだよ。』って言って・・・おかしかったなぁ・・」


・ ・・父さんったら・・当分オフィスにもいないつもりね!


「ね、オッパ、今度父さんに聞かれたら、アニメフェスティバルとか、

全国美少女コンテストとか教えてあげて。」


「了解」


そのジニssiの飄々とした口ぶりに思わず私たちも笑ってしまった。


「いつまでこっちに居られるの?」


「さぁ・・まだよくわからないけど・・・ボスのあんな姿を見られる機会は二度とないから、

しばらくこっちにいようかな。」



「もう!面白がってる場合じゃないって言ってるでしょうー」

って、また私たちは笑い合った。



「また食事にでも行こう。そこで一緒に対策でも練ろう。」









 



 
 
 

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