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Milky Way Library
Milky Way Library(https://club.brokore.com/sunjyon)
「Hotelier」にインスパイアされた創作(written by orionn222)の世界です
サークルオーナー: Library Staff | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 732 | 開設:2008.11.22 | ランキング:51(8198)| 訪問者:141273/418684
開設サークル数: 1238
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Imagination
Cottage
Private
Congratulations
Gratitude
容量 : 39M/100M
メンバー Total :732
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書き込み Total : 898
Today : 0
Happy Birthday


こちらは1月から12月まで、それぞれの月生まれの方へ、お誕生日のお祝いとして創作したお話のお部屋です。
季節ごとのシンファミリーのお話やら、ソウルホテルへいらしたお客様のお話やら、なにやらいろんな色をした
ビー玉がころころあちこちに転がっているようなお部屋ですが、よろしければ、お付き合いくださいませ。
No 27 HIT数 979
日付 2009/03/07 ハンドルネーム Library Staff
タイトル Thanks for your birth 3
本文









そう言ってくれたオッパと別れた私は、従業員通路の隅っこで、

こっそり電話をしている母さんの後姿を見つけた。


あの様子では・・・きっとリヨンおばさんか誰かに、父さんのことを愚痴っているのね。




「そうなのよ・・・まったくどうしようもないの!」


『まぁ、しかたないわよ。どこの父親も最初はそうなるんじゃない?でも、ヒジンの

ところだって、最初は「なに?どんな奴だ!許さん!」って言ってたくせに、

いざお相手を目の前にすると、「いつも娘がお世話になりまして・・・」とかって、

いきなりの低姿勢だったらしいわよー』



「えーー、そうなの?リヨンのところはどう?」


『うち?うちは結構フレンドリーよ。

ボーイフレンドでもガールフレンドでも家に連れておいでって感じ』


「えーーそうなの?」


『まぁユノ自身が自分の目で確かめたいっていうのもあるようだし、

自分の目の届くところで付き合ってもらいたいって思ってるんじゃないかな。

でも、ほら、うちは人数が多いからもう大変よ。たくさん来ると、一体誰と誰が

付き合ってるのかわからないくらいよ。』


「あはははは・・・それは大変ね・・・」


『スヨンのところは、もっとすごいわよ。』


「えっ?ヒョンジンssi?」


『なんでもあちらの娘さんとお付き合いするには、試験があるらしいわよ。』


「試験??」


『そう。まず書類選考、で一次面接、二次面接 最後は実技らしいわよ。』


「実技?」


『そう。ヒョンジンssiを倒したら、付き合ってもOKらしいわ。』


「えーー、だって、ヒョンジンssiってテコンドーの有段者じゃなかった?それで?」


『まだ誰もエントリーしてないらしいわ。これじゃ、一生私にはボーイフレンドが

できないじゃない!!って、チェヨンちゃんが大騒ぎしてるらしいわよ。』


「まぁ・・・娘を持つ父親はどこも大変なのねーー」


『どこも想いは同じなのよ。いいわね・・・父と娘・・・永遠に手の届かない異性・・・

父親たちの永遠の片思い。おっ、これいいんじゃない?来月号の特集にしようかしら。

ドンヒョクssiのインタビューでも添えて。』





「もう、リヨンったら・・・

でも、結婚はまだ先にしても、とりあえず、六月に二人が大学を卒業したら、

婚約式くらいあげさせたいと思っているんだけど・・・

だって、ほらリックssiは、大学院に進みながら、あちらでビジネスを始めるでしょう?

で、かれんはイギリスに行くし・・・

大学のこの休暇中になんとかしたいんだけど・・

ドンヒョクssiも・・・たぶん会えば、許してしまうと自分でもわかっていると思うの・・

やっぱりかれんが悲しむ姿は見たくないじゃない?

それに・・・かれんの選んだ人なら、絶対に間違いない・・っていう自信もあるし・・・

でも、その一方で、まだ手放したくないって想いも強くて・・・

そんな大いなる矛盾を抱えたまま、とにかく逃げ回っているの。

事態を先延ばしだなんて、ドンヒョクssiにはありえないことなのにね・・・」



『それもこれも、かれんちゃんを深く深く愛しているが故よ。まぁ、ちょっとは

ジタバタさせてやりなさいよ。どうせ最後には、持ってかれちゃうんだから。』


「そうね・・・最後には、娘の幸せに勝るものはないものね・・・・」




母さん・・・

ごめんね・・・いろいろ心配かけて・・そして、ありがとう・・・























それから、私たちは、忙しく立ち働く厨房を訪ねた。


「ジェニーおばさん」

「あっ、かれん、リックssi・・・この前はごめんねーーー兄さんったらーーー」

「こちらこそ、せっかくあんなご馳走を作ってもらったのに・・・」

「なに言ってるのーー そうそう、今日のディナーは楽しみにしていてよ。スタッフ全員

腕によりをかけて作るから!!ね、みんな?」



ジェニーおばさんの問いかけに、厨房全員がおーーーと腕を上げて答えてくれた。



「かれんは、ここの人たちに本当に愛されてるんだね・・・」


忙しそうな厨房を後にして、あちこちに花々が咲き乱れる小道を歩きながら、

君が言った。



「うん・・・私もここの人たちは大好きよ・・・

母さんがずっとここでホテリアーとして働いてきたでしょう?

私も小さな頃から、ここにはよく来たの。

ここで働く人たち・・・訪れるたくさんのゲストたち・・・そんな人々を見ながら育ったわ。

ソウルホテルという場所はただのホテルではなく、彼らが、一生懸命作り上げたもの・・・

ゲストを迎え、素敵な環境と心のこもったサービスでもてなし、美味しい料理や

数々の施設で楽しませて・・・そして、元気に送り出す。

ある意味・・・このホテルは訪れた人々にとって「家」・・・homeと言えるかも

しれないわね。そして、私にとってもここはホームと言えるわね。」



「ホーム・・・・」


その言葉の奥に秘められた君の想いを感じて、私は繋いだ手に力を込めた。



「さぁ、ここが最後のスポットよ。あのね、昔うちの両親がここでめでたく再会を果たし、

熱い抱擁を交わしたそうよ。」


私がそう言うと、君はちょっと眩しそうに辺りを見回した。










































ディナーまでの時間を、お茶を飲んだり、ホテルの庭を散策したりしながら、

君と過ごす。



ソウルホテルはいかがですか?イ・レウォンssi


君は、木立の中をゆっくりと歩きながら、静かにこのホテルを感じているみたいだった。


ホテルって、ただの建物じゃない。部屋とレストランがあるだけじゃなく、沢山の

ホテリアーたちが一緒に作り上げてきた思い出と、その人たちの思いがこもっている所・・・


君は感じてくれたかしら・・・・


ふと上を見上げると、樹木のトンネル・・・

溢れる緑に囲まれて・・・



私は、ホームのあの高い高い楡の木を思った。


私たちの事を知って、一番喜んでくれたのはシスターヨンアだった。


「神様のお導きね・・・まさに神様のお導きよ・・・」


そう言ってロザリオを握り締め、涙を流しながら美しい笑顔で微笑んでくださった。

ええ・・・私もそう思います。シスターヨンア・・・



そういえば・・・

私は、樹木の隙間から届けられる透き通った光を感じながら思った。



ここは・・・

なんだか、あそこに似ているね。


君の住むあの古いアパート・・・
























築100年?って、思えるような建物だったけど・・・

樹木の中に建つそのアパートは、どっしりとして重厚で何かの博物館みたいだった。


がらん・・・と広い部屋で殺風景だったけど、高い樹木に囲まれたそこは、

なんだか森の中みたいだよね。




テーブルがひとつ・・・ソファーがふたつ・・・どっしりと大きなデスクがひとつ・・

高い天井まで届くような作り付けの棚には、本がぎっしりと詰まっていた。


キッチンには、古いガスオーブンレンジと低く唸り続ける冷蔵庫、堅牢なシンク・・

バスルーム、クローゼット、そして、寝室には、ぽつん・・と大きなベッドがひとつ・・



家具らしいものといえば、それぐらいだったね。

私が初めてその部屋を訪れたとき、君はちょっと面白そうに私を見ていた。


でも・・・あのジェイの恐ろしく汚い部屋を知っている私にとっては、この部屋は

とっても居心地がよかったわ。









そして、ぽん・・と投げられたKey

私はその意味がわからず、しばらく手の中のそれをじっと見ていた。

君は「そんなものを渡すのは初めてだから、つき返されたらかなり

へこむ」って言ったね。


その部屋も、今ではグリーンやラグが増えて、さらに居心地がよくなったわね。










 



 
 
 

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