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satovic劇場Annex |
satovic劇場Annex |
No |
29 |
HIT数 |
1757 |
日付 |
2004/10/04 |
ハンドルネーム |
最高尚宮 |
タイトル |
10days story-2 |
本文 |
タイトル | 10 days story 完結編 | [219.207.144.77]
投稿者 | satovic 投稿日 | 2004/07/19 17:42:06 アクセス | 2825
内容
10 days story 完結編
この物語りは親スレにレスをくださった多くの物語の中で、一番最後がOttokkeさんの
物語りでしたので、その後ろにつける完結編です。
このスレッドのいちばーん下まで下がって「Satovic(手抜き)劇場 day1」をクリック
その中の4-5本にわかれているOttokkeさんのレスをお読みになって 背中トントンからお楽しみください。では どーぞ!
彼は私の背中をトントンとタタいて 大丈夫、大丈夫と繰り返した。そして.....
ヨ:「....きて...くれませんか?」と、彼は言った。
私:「え?」
ハグされてボーッとしていた私は 最初の一言を聞き逃してしまった。
私:[タシ ハンブン....マレバ...ヨンジュンシ....」
ドラマで覚えた言葉をつなぎあわせて もういちど言ってくれませんか?と頼んでみた。
ヨ:「ソウルへ 僕と一緒に きてくれませんか?」
私:「ウェヨ?」(どうして?)
ヨ:「本物のチジミを食べさせてあげたいんです。
あのタレ..オモニの味/.Korean cookingのモトを使ったでしょう?(笑)おいしいけれど、
コチュジャンの味がちょっと.....辛いんです。本当のオモニの味はね、もっと甘くて
複雑なんです。僕の母のジョンは最高ですよ! だから本物の味を教えてあげます!」と
お茶目に笑ったヨンジュンさんは 少し真顔になってこう言った。
ヨ:「ソウルへ来て、僕の両親に、会ってください」
私:「?へ? な、何を...言っているの?」
ヨ:「あなたと一緒にいた10日間、僕はとてもくつろげました。
あなたは いつも僕を楽しませようとしてくれて....、でも、それが
負担になっているようではなくて、あなた自身が楽しんでいましたよね。
僕がお皿を割った時にも すぐに冗談にしてくれたでしょう?
僕が何も思い出せなくて落ち込んでいた時にも 大リーグで大きな声を出させてくれて....
あなたはまるで、僕に必要なもののリストを持っているかのようでした。
今まで、こんな愛情で 僕のことを思ってくれた人は オンマしかいませんでした。
こんな人と一生を暮らせたら、きっと僕は幸せになれる、って そう思ったんです。」
.......絶句した。....か、彼は今、何を言っているのだろう?こ、これは もしかして...?
あわてて私は身をはなした。
私:「ダ、だ、だめよ、ヨンジュンさん!何を考えているの?
私はあなたより10才も年上だし.....事故の加害者だし.....それに....日本人なのよ。
あなたのファン達をガッカリさせたくないわ。それに...」
ヨ;「それが何です?」
いともアッサリ、涼しい顔でヨンジュンさんがさえぎった。
「国際結婚なんてよくあることです。年齢なんて...僕には感じられません。
多少歳が離れていたって 一緒にいて楽しければ それが一番じゃないですか?」
......たった一歳でも年が違えば 大きな壁ができる韓国社会の中で、10才の
姉さん女房なんて、彼が笑われてしまうことは確実だった。
しかし、抗いがたい強い力で、ヨンジュンさんの手が 私の体をグイッと引き寄せて
抱き締めた私の耳もとに たどたどしい日本語で囁いた。.......
ヨ:「お願い.......僕と....一緒に......来て!...来て...欲しいんです!
やっと見つけた 僕のしあわせ..........あなたと...一生おしあわせに...できます
ね? お願い、いいでしょう?」
.....背中にまわしていた両手をほどいて 彼は私の頬をはさみ、目を閉じて....
首をすこーし傾けながら あつい唇がゆっくりと私に近付いてきた......
..........私も目を閉じ.......息を止めたその瞬間! 部屋のドアがバタンと開いた。
ヤン室長が手許のメモに目を落としながら叫んでいる
ヤ:「ボスー!夕方の便なら 成田経由のソウル便がとれそうです。ブッキングするのに
至急、彼女のパスポートナンバーが必要なんです.....が......。
(メモから目をあげた彼は あわてて体を放した私たちの状況に気がついた)
....あ、すいません....ハハハ.....お取り込み中でしたね.....」
ヨ:「うん、ちょっと待ってて。今プロポーズしてたんだ(笑)終わったらすぐいくよ」
ヤ:「はいはい、これから記者会見も 式場もセッテイングしなくちゃいけないんですから、
しっかり決めてくださいよー!」
照れ隠しに わざと大きな声で言ったヨンジュンさんに 勢いのよい笑い声で返すヤン室長。
ああ...この人たちがさっきから忙しくしていたのは、そんな準備をしていたからなのね...
ヨ:「気が早いだろう?(笑)でも、スタッフ達もみんな とても喜んでいるんだ。
行方不明だった僕が見つかったこと、そして僕が運命の人を見つけたことを!」
そう言うなり、彼は 私の前にひざまづこうとして大きな体を折り曲げた。
私:「No ! No ! No! No!」
そ、そんなことをされては困る!そんなロマンチックなプロポーズなんてされたら...
私は断れなくなってしまう....
私は あわてて彼を立たせると、全身の力がぬけて天を仰いで暖炉のわきの壁に背をもたれた
彼はその壁に手をついて 大きな背中をかがめて 私の顔におおいかぶさるように 私を見つめていた。
温かいけれど、涼し気な瞳....高い鼻筋...輝く白い歯....美しいアゴのライン...
毎日 毎日、ポスターで眺めつづけた あの完璧な顔がすぐ目の前にあった
誰よりも...!.誰よりも.......!愛している人だけれども.....
彼の将来のことを思ったら、やはり隣にいるべき人は 私ではなない.......
もっと、彼に相応しい.....独身の 若い女性がいるはずだ......
深く深呼吸をすると、こんな風に私は話しを切り出した。
私:「ねえ、ヨンジュンさん.....こんな話しを知ってる?
本当の愛は.... その中にひとつの星(ビョル)を秘めているからこそ、
美しいんですって....」
ヨ:「うーん、知りません。星って...どんな星?」
と ニッコリ笑って聞く彼に オチを言うのは辛かった....
私:「その星(ビョル)の名はね、離別(イビョル).....」
そう言いながら 私は 暖炉の上のソープストーンの小箱に手をのばし
中にしまっておいたマリッジリングをとり出して左手の薬指にはめた。
事態がのみこめず、愕然としているヨンジュンさんに ダメを押すように私は言った。
私:「ごめんなさい。私....結婚しているの.....」
重い 沈黙が流れたあと....ギュッと目をつぶり、天を見上げてから、彼が聞いた。
ドラマでよく見る、ジェホの表情だった。
ヨ:「愛して....いるの?」
私は答えなかった。ウソは言いたく無かったし、本当のことを言ったところで、
彼によけいな期待を持たせるようなことはしたくなかった。
ジッと彼を見つめていたら......、涙がひとすじ、流れておちた。
彼はすべてわかった、というように うなづくと 微笑みながら
大きな指で私の涙をぬぐってくれた。
私:「大事に...するわ。」
私は無理に笑って 首につけた「鮹」のチョーカーに手をやった
彼も手首にまいた「鮪」のブレスレットをかざして笑うと クルリと背を向けて
ドアをあけ スタッフ達の中へ飛び込んでいった。
それから1年後、新しい映画の記者会見をテレビで見ていた私は 小さくアッ!と声をあげた。
彼の手首には 「鮪」のブレスレッドが.....
ああ、やっぱり「鮹」でなくてヨカッタ(^^;)
彼がはじめて監督したその映画のタイトルは「星(ビョル)」だった。
-完-
PS:はい、それでここからOttokeさんの最後のレスの後半へつながります。
IMXの刻印入り「鮪」が爆発的に大流行するところへ...
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