『サイの角のようにひとりで行け』は
昨年秋イ・ナヨンさんとカン・ドンウォンくんの主演でヒットした「私たちの幸せな時間」の原作者コン・ジヨン(孔枝泳)さんの作品で、 1993年に出版されベストセラーになったものです。 日本語訳は新幹社から出版されています。
主人公は大学時代同級生だった31歳の女性3人。
作家のヘワンは交通事故で子供を亡くし、そのことが原因で離婚。ヨンソンは映画監督の夫を支え続けるが夫が成功したときにはアルコール依存症に。キョンヘは望み通り金持ちの医者と結婚したものの夫の浮気に悩む…そんな女性達の葛藤や苦しみを描いた作品です。
決してお気軽な楽しい小説ではありませんが、一気に読ませます。圧倒的な筆力です。
「パパ」放映時(1996)、セヨンは自分勝手でわがままな女としか思われなかった、とどこかで読んだことがありましたが、サイの角の頃の話だと思うと頷けます。
コン・ジヨンさんは386世代(90年代に30代になり、民主化運動の盛んな80年代に大学生活を送った60年代生まれ)の代表作家といわれ、変化の激しい韓国で、女性の生き方や価値観が大きく変わった時代に生きる女性の姿を描くことに定評があるようです。
私はコン・ジヨンさんより年上ですが、「サイの角」で描かれた女性達の悩みは日本の私達の世代の抱えていた悩みと同じだと思いました。 読みながら、ずっと心の奥底におしこめておいた悔しさ悲しさ怒りが湧き上がって知らずに涙が流れていました。
あー韓国も日本も女性のシンドさはまったく変わらない、と思った時に私は猛烈に韓国の同世代のアジュムマ達と話がしてみたくなりました。
時代は変わり、韓国や日本の女性達は仕事も結婚も子育てもうまくこなし、たくましく元気に生きているように見えますが、 果たしてそうなのでしょうか?
もし、韓国の女性達が生きていくのが「サイの角」の時代よりた易くなっているのなら、
韓国の離婚率や出生率はもっとましな数字を出しているのではないか、などと思ってしまうのです。
(~_~;)ついマジになってしまいました。読んでくださっている方、ひかないで~(^.^)
韓国文化院のことなど、少し続きがあるのですが、何故だか 2000字までしか入らないみたいなのでぶらさげます。
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