みなさま、こんにちは。ジェホ命のゆこまるです。

今年もやってきました、９月２日。

そう、ジェホのお誕生日。

「おめでとう、ジェホ！」

そう明るく声をかけたいけれど、旅立ってしまったジェホに「おめでとう」の言葉はどこか虚ろで、痛烈に悲しいです。

時計の針を巻き戻し、ジェホが元気だった世界にワープして、彼に何か誕生日プレゼントを贈るとしたら。

今年はなぜかそんな考えが浮かんでしまって、数日前からずっと考え込んでしまいました。

ジェホが心から嬉しそうにしてくれるものは何なのかなぁ。

彼の発言に何かヒントはないかしら。


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「自分が稼がなければ、服一枚買ってくれる人もいないのに…」

それならば、チェックのシャツか、ざっくりとした秋物のセーターか、マフラーなんてどうでしょう。

う～ん、違うなぁ。

「ありがとうございます」ってお辞儀をして、あくまでも礼儀正しく受け取るジェホしか見えてきません。

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シニョンさんと二人で行く、韓国プロ野球観戦チケットは？

「スポーツはみんな嫌いです」

はあ、そうでしたね…

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「イ教授に薦められたこの本、レポートの教材、面白いんだ」

あ、本。

経営学、心理学、あるいは住宅業界のマーケティングの本で欲しいものはありますか？

「ありがとうございます。でも図書館で借りて読みますから」

そうですね、本は場所とりますからね～。

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ジェホのほとんど唯一の嗜好品、タバコ。

では、新しいライターなどは？

シニョンさん：「ジェホシ、タンベ　グンナッソヨ（ジェホさん、タバコやめたんです）」

そ、そうでしたぁ、ごめんなさい！

本当にジェホにプレゼントするもの、ジェホが心からうれしく思ってくれるもの、何ひとつ思いつきません。
ジェホからは、本当に本当にたくさんのものをもらったのに。

でも、きっとそれでいいのですね。

だってほら、シニョンさんだって、ジェホには何一つプレゼントなんてしていませんでしたから。

「お金をたくさん稼いで、おいしいものを買ってね」

「お金をたくさん稼ぐの？　わあ、私の恋人は子供だと思っていたけど素敵だわ」

「合格したら、何を買ってくれる？」

そう言って、いつも「与えてくれる人」の役回りをジェホに振っていたシニョンさん。

そして、彼女にそう言われるたびに、ジェホは何と嬉しそうだったことでしょう。

ジェホは与える自分でいられることが幸せだったのです。

シニョンさんだけではありません。

妊娠したジェヨンに「フライドチキンが食べたい」と言われたときの嬉しそうな様子。

差し入れのパンを夢中で貪り食うソックを笑いながら見つめていたときの静穏な表情。

ジェホはきっと、生まれてきたその日から「与える人」だったんだろうな、と思います。


元気で、よく笑う、手のかからない、健やかな初めての赤ちゃんを両親に。

いつも遊んでくれて、庇ってくれる、優しい、頼りになるお兄ちゃんを妹に。

長じてからは、親代わり、家長、一緒にいれば間違いのない仕事のパートナーを周りの人たちに。

そうして、ついには自分の身を犠牲にし、命さえも投げ出すことになったジェホ。

でもそんなジェホを人々は深く愛し、ジェホも人々を文字通り命の限り愛しました。

ひたすら与え続けることで、揺るぎない至福を手にしたジェホ。

「幸福の王子」ジェホ。

短い生涯の中でそんな究極の贈り物のやり取りをしてしまったジェホに、誕生日プレゼントを選ぶことなんてできないのは当然です。

だから今年も、静かにジェホを偲び、私の心の世界に存在してくれた彼に深く感謝を捧げたいと思います。

大袈裟なお祝いの言葉も大はしゃぎもジェホには似合わないから。

私はこれからも自分の場所で、ジェホの素晴らしい人生を伝えていきたいと思います。

そして心の中で黄色いバラを１輪だけ、そっと手渡したいと思います。

재호야, 생일 축하해요.（ジェホヤ、お誕生日おめでとう）

이거 하나만 받아주세요.（これ、一つだけ、受け取ってください）