B.S.J.のみなさん、こんにちわっ♪
【第15回を実況するスレ】をノベライズ【前編】はいかがでしたでしょう? 狂気のキハと、そのキハに命さえ投げだすほどに惚れているヨン・ホゲ。 あぁ、どちらも悲しい(涙)。 もちろん、誤解をしたまま愛を封印したタムトクも。
さて、【後編】は、ズバリ、『クァンミ(關彌)城、開城』です。 クァンミ(關彌)城の神秘の森では、ついに四神が一堂に会します。 では、私たちも神秘の森へ、ピクニックに出発! お茶の用意、忘れないでねっ♪
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夜。タムトク軍の駐屯地。クンネ(国内)城に戻る準備をする兵士たちを眺めながら、フッケはひとり言のように「もったいない。もったいない。百済の城をそっくりそのまま手放すなんて。クァンミ(關彌)城はもうほとんど手に入れたも同然だったのに……」とクァンミ(關彌)城攻略を諦めたタムトクへの文句を言い連ねている。その横で、フッケの小言を黙って聞いているコ将軍。そこにタルグが「王様がおられません。これをコ将軍に」と言いながら書き付けを持ってくる。それを読み、慌てて駆け出すコ将軍。地面に落ちた書き付けを拾って読み、慌ててコ将軍の後を追うフッケ。さらにそれを読んだタルグも走り出す。
夜の駐屯地内をヒョンゴが1人歩いている。チュムチが近づいてきて「先生! 一緒に行きましょう」と声をかけるが、ヒョンゴは「どこに?」ととぼけた答えを返す。「スジニを助けに行かないのか?」というチュムチに、「そんな身体をして何が出来るというのか?」と諭すヒョンゴ。しかし、「先生こそ一人で何ができるというのか?」とチュムチに言い返されたヒョンゴは、「私は玄武の主ではないか。何かすることになれば(天に)お助け頂けるんだ」と話す。「それを信じろっていうのか?」とあきれるチュムチ。ヒョンゴは、「信じられないか? ハハハ」と笑いながら、馬車に向かう。
「頭の良い先生。作戦は何だ? どうやってスジニを助けようと? クァンミ(關彌)城にどうやって忍び込むのか?」と質問する。「王様を裏切るのだ。我々は高句麗の参謀であるが、高句麗を裏切ったので我々を受け入れてくれ、と……」と話すヒョンゴに、「本当に?」と驚くチュムチ。しかし、ヒョンゴは「そんなことするはずが(ないだろう)。ハハハ。ありがたい。そんな体で、スジニを助けてくれようとして。ハハハ」と改めてチュムチに礼を言い、馬車に乗り込む。
照れ隠しのためか、チュムチは、「俺は金をもらってやってるんだ(金で雇われた傭兵だ)。それに、あの城主、人間なのか化け物なのか分からない。このチュムチ様がやられたまま逃げることができるかい?」とスジニを助けに行く理由をあれこれと探しながら馬車に乗り込むチュムチ。「それでスジニを助けてくれるのか? お前は心が美しい。人間が本当にきれいだ」とヒョンゴからさらに褒められたチュムチは、照れくささのあまり、「行かないのか?」と大声を出す。「あっ? あぁ。行こう!」と馬にムチを入れるヒョンゴ。
夜のクァンミ城。(青龍の神物の影響で)鬱蒼とした森の中のようなチョロの居室で、大木によりかかるようにしてスジニが眠っている。その頬に、そっと手を伸ばそうとして、神話時代、黒朱雀に化身したセオの記憶を蘇らせたチョロは、胸に痛みを覚えつつ、伸ばした手を引っ込め、後ずさりしながら居室の奥に広がる神秘の森へ消えていく。チョロが去った後、目を覚ましたスジニは辺りを見回し、部屋から出ようとするが、扉には閂がかけられ、外に出ることはできないようだ。
その時、「お前は誰だ?」というチョロの声だけが居室に響く。一瞬、身構えたスジニは「隠れてないで出て来い!」と言いながら、その声に導かれるように、居室の奥に続く神秘の森へ足を踏み入れる。そこは、夜なのに日中のように光があふれる異次元の空間だ。森の中をさ迷うスジニ。
その頃、クァンミ城の外では、スジニを助けに来たヒョンゴとチュムチが城の様子を伺っている。「どこか(警備の)穴を探そう」というヒョンゴに、「どこかの穴から入るっていうんだ? オレは小さい穴は無理だぞ」と言うチュムチ。その時、城門に1人で向かう馬に乗ったタムトクの後姿が見える。
高句麗軍の赤い旗を掲げたタムトクに、「太王軍からきたのか?」と問いかける。老将軍カグン。タムトクは、「クァンミ(關彌)城主に高句麗太王の伝達をお持ちした太王軍の使者です。城主に直接、お渡しする命を受けて来ました」と答えるが、カグンは信用しない。そこでタムトクは、「言葉では通じないようだから」と言いながら、チュモ大王剣がカウリ剣の審査の時に変形した天弓の一部を見せながら、「クァンミ(關彌)城主にお尋ねに参りました。ソッキョン(石峴)城を始めとする10箇所の百済の城をお返しするという我々の提案を受け入れられるお気持ちがないかと」とカグンに伝える。「そのまま差し出すという意味か? 何のために?」と訊くカグンに、タムトクは「城主様に直接お話するようにという命を受けていますので、案内していただきたい」と続ける。開かれる城門。
物陰からその様子を見て、驚くヒョンゴとチュムチ。城内に入ったタムトクは馬を下り、身体チェックを受けたあと、老将軍カグンと対峙する。一方で、チュムチとヒョンゴも見張りの手薄な城門をよじ登り、クァンミ(關彌)城の中に侵入する。その頃、神秘の森の中をさまようスジニは、大木の根本に座り込むチョロをみつけ、息を飲み、驚いている。
クァンミ(關彌)城の廊下をカグンに導かれて歩くタムトク。「1人で敵の城に乗り込むところを見ると、あなたの君主はあなたの命をすでに諦めておられるな」と言うカグンに、「私の君主は1人でも多くの兵士を助けようとします。こちらの城主はそうではないのですか?」と問いかけるタムトク。振り返ったカグンは、「私はクァンミ(關彌)城のカグンというものだ。君はどこの部族のものだ」とタムトクに名前を問う。タムトクは顔を伏せ、「お答えすると、嘘をつくことになります。ですからお聞きにならないで下さい」と言って答えようとしない。
その時、タムトクの顔を見ていたカグンは、撃毬の試合のことを思い出し、「この前のクンネ(国内)城での撃毬の試合をご覧になったか? 大変、壮大で大胆な試合だったが」と謎かけのような言葉を発する。どうやら、タムトクの素性を見破ったようだ。
神秘の森の中。身構えながらゆっくりとチョロに近づくスジニ。鋼鉄の仮面を外し、木の根元に俯いたまま座り込んだチョロは、「私は人間ではない。だから痛みも感じなかった。人間ではなかったから」と話しだす。「恐がらせるつもりなら、やめておけ。人間でなければ何だというの? トッケビ(お化け)なの?」と問いかけるスジニ。「大声を出して逃げて行くのだ。いつでも、誰でも、私を見た者たちは」と続けるチョロ。チョロに近づき、その崩れた顔を見たスジニは息を飲んだ後、「まさか、それが本当の顔なの? 身体もそうなの? 生まれた時からそうだったの? 大丈夫?」と、チョロのひび割れた手の甲に指を伸ばす。
普通の人とは違うスジニの反応に「お前は……。そして、あの男は何者なのだ? 私の何なのだ?」と質問を続ける。「あの男って誰?」と尋ねるスジニに、チョロは、「あいつは誰なんだろう? どうして、私の心臓はこれほどまでに痛くなるのだろう?」と、スジニの目を見つめながら言葉を続ける。その時、一陣の風に髪がなびいたチョロの顔の醜い全容が露わになる。慌てて、鉄火面を被り、姿を消すチョロ。
クァンミ(關彌)城の廊下。チョロの居室の前で、カグンが声をかけると、扉が開き、チョロの「入れ」という声が聞こえる。タムトクに一礼し、入室を促すカグン。タムトクも礼をし、居室に足を踏み入れる。その途端、タムトクの後ろで閉まる扉。誰もいない居室で、無人の玉座に向かい、タムトクは、「クァンミ(關彌)城主」と声をかける。返事のないまま、タムトクは、「百済の10の城は、そのまま元に戻すつもりだ。ただ、あなたが連れて行った子供(=スジニ)さえ返してもらえれば」と言葉を続ける。その時、一陣の風が吹き、燭代の灯りが消える。姿を現わさないまま、チョロは、「あなたの恋人か?」と問いかける。無言のタムトク。
クァンミ(關彌)城の廊下では、忍び込んだチュムチが見張りの兵士たちと戦っている。事態が大きくなるのを恐れて、チュムチを連れ、走り出すヒョンゴ。
チョロの居室では、タムトクが神秘の森に足を踏み入れようとしている。
クァンミ(關彌)城の廊下。チョロの居室に迫るチュムチとヒョンゴ。「なんだ、ここは?」と異様な城内の様子に驚きながら、チュムチはチョロの居室の扉を力任せに開けようとするが、扉はびくともしない。早く開けろとせっつくヒョンゴ。ついに、チュムチが斧で扉を叩き壊そうとすると、ヒョンゴがそれを止める。「そんなに文句を言うなら、その賢い頭で一度やってみろ」と文句を言うチュムチ。だが、ヒョンゴは「頭はだめだろう。私の命より大事なのに。そして、その命より大事な方がこの中にいらっしゃるのだから。斧ばかり使うな」と言い返し、2人で扉を力任せに押そうとする。
その時、廊下の影から現われたカグンが、「やはり、一人で(タムトクのこと)来たのではなかったな? 一緒に来たのか?」と、ヒョンゴとチュムチに声をかける。「あんたは誰だ? 我々はそんな者は知らないが」とシラを切るチュムチ。しかし、カグンは、「ひとつだけ尋ねる。お前たちの高句麗王がチュシンの王だというのは本当か?」とさらに質問をしてくる。「ちょっと待ってくれ」と言った後、「先生。あのように尋ねているが、どう答えればいいんだ?」とヒョンゴに耳打ちするチュムチ。ヒョンゴは、「チュシンの王ならば、あなた方、百済の王でもあらせられる。それぐらいはご存知でしょう?」と逆にカグンに質問をする。
「本当なんだな?」と確認をするカグンに、ヒョンゴは「私はコムル村の村長ヒョンゴでございます。我々が知る前に玄武の神物が(光を発して)その方を見分けられました。ところで、それが事実ならば、どうなさろうと言うのですか?」と聞き返す。カグンは、「私、カグンも長い歳月、チュシンの王を待ち望んでいたと信じていただけますか? チュシンの星が輝いた日から、時折、クンネ(国内)城に忍び込んでは、王になられる方を見守って来ました(注:だから撃毬の試合も見ていた)。ヨン家のホゲと新しく現われたあなた方の王を」と話す。
「それで?」と問いかけるヒョンゴに、「ただ1人、チュシンの王だけが、我が主君を殺さずに、神物から救い出すことができるのでございます」と答えるカグン。「神物から救い出すとは、どういう意味ですか?」と訪ねるヒョンゴに、カグンは、「あなた方の王が、先ほど、この部屋に入られました。もし、彼がその方(=チュシンの王)ならば、我が主君を天の罪から解放させることができるはずなのです」と答える。「では、神物がここにあるということですか?」と驚くヒョンゴ。
神秘の森をさまようタムトク。スジニも同じように森の中をさまよっている。一陣の風が吹いた時、腰にぶら下げていた天弓(注:カウリ剣の審査の時、チュモ大王剣が変化したもの)の一部が輝きだした。タムトクがそれを手に持ち、目をつぶった時、それまでざわめいていた森に静寂が訪れる。そして、突如、背後に姿を現われたチョロが、槍でタムトクに襲い掛かってきた。
タムトクの顔にファヌンの面影を見出し、自らが青龍だった過去を思い出しながらも槍を振るうチョロ。しかし、神話時代、カジンがファヌンを突き刺そうとした時と同じように、槍を向けたチョロの身体は、神の光のドームに弾き飛ばされる。痛む胸を押さえながら、「私を助けてくれ」とタムトクに訴えるチョロ。タムトクが天弓の一部を目の前にかざすと、それは、神話時代にファヌンが黒朱雀を射抜いた神の弓の形に一致する。
タムトクが射た矢はチョロの心臓に命中する。チョロの体内から光を放って上空へ舞い上がる青龍。その光は、クァンミ城の夜空を明るく照らし出す。そして、その衝撃は、神秘の森の中を歩くスジニやヒョンゴ、チュムチにも伝わっていた。その衝撃波が起こった方へ歩を早めるスジニ、ヒョンゴ、チュムチ、カグン。
天弓は光を失っていく。そして、膝から崩れ落ちるチョロ。近づいたタムトクは、チョロの鉄火面を外す。その時、到着したスジニは、チョロに駆け寄り、肩に手をかけ、「まだ生きています」とタムトクに報告する。タムトクは手を伸ばし、チョロの胸で光る青龍の神物“龍のウロコ”を抜き取った。そこへ現われるヒョンゴとチュムチ。
「青龍の神物でございます」と声をかけたカグンは、タムトクの前に膝まづき、「我が城主は、10歳の時、城主の父上から神物を守るため、心臓に神物を埋め込まれたのです」とチュシンの星が輝いた夜、火天会によって襲われた時のこと(第2話)を説明している。(回想シーンが終わり)「チュシンの王にお仕えいたします」と頭を垂れるカグン。青龍の神物を見つめるタムトク。その時、チョロの顔から煙が立ち昇り、醜く変化した皮膚の一部が、本来の人間の姿に戻ろうとしているのがわかる。
クンネ(国内)城。城下ではまた、大道芸人がホゲ軍を讃える講釈で民衆を集めている。しかし、以前とは違い、見ている人たちは、醒めた様子だ。それを見ていた飴売りの男は、客席から「ホゲ軍は4万の兵を連れて行ったのに、何もできなかったというじゃないか」と声をかける。
あくまでもホゲを持ち上げようとする大道芸人に、飴売りの男の友人は、「我々の王様は百済の城を10も落として、クァンミ(關彌)城にまで攻め入った。少しの軍勢で、功績を残した我々の王様はすごいなぁ」とタムトクの活躍の様子を語って聞かせる。拍手をする民衆。さらにその後ろを、物資の追加のために派遣されたホゲ軍の荷馬車の一団が通りすぎる。大道芸人は、さらにホゲの功績を語ろうとするが、客席の民衆は、やがて目をそむけ、席を立っていく。
ヨン・ガリョ邸。荷馬車に追加の兵糧を積み込む使用人たち。大長老がその様子を眺めながら邸内に入っていく。
ヨン・ガリョ邸の邸内。地図を見ながら、使用人たちに指示を出していたヨン・ガリョのところに大長老が現われる。人払いをする従者のチョ・ジュド。「戦争が長引き、民衆から不満が出ています。民衆は、目に見える成果がないと納得しないものです」と大長老に話すヨン・ガリョ。大長老は「大神官様が自ら戦場に行かれているので、数日後には連絡がはいるでしょう」と言うが、「大神官!」と言いながら、苛立たしそうに立ち上がったヨン・ガリョは、またもや嫌味を言い始める。
ヨン・ガリョ 「ホゲは私の息子でもあるが今のあの子を作ったのは母親です。ホゲの母はホゲが始めて歩き始めた時から王の歩き方を教えていた母親なのだ。ホゲはそんな母親のもとで大きくなったのです。どんな風にしゃべり、どんな風に走らねばというように。母親が一つ一つ教えていったのです。私が今、何を言わんとしているのかお分かりですか?」
「ホゲ様が、今の大神官にその母親と同じことを望んでおられるということでしょうか?」と問う大長老に、ヨン・ガリョは、「ホゲ……。母親にとってホゲは太陽だったのです。あなたが仕える朱雀にとって、ホゲは何になるのか?」と皮肉な質問を大長老に投げつける。
パソンたちがタムトク軍に同行しているため、誰もいないパソンの鍛冶屋。そこに飴売りの男が走りこんでくる。2階の隅で、怯えながらおにぎりを食べている男を見つけた飴売りの男は、「おい! お前、なぜここにいる? 火天会に連れて行かれたと思っていたのに」とその男に問いかける。火天会で拷問を受けたせいか、怯えた表情で「パソンさんに言わなければならない」と語る男は、「何を言うのか?」と質問する飴売りの男の耳元に、内緒話のように何かを報告している。
クァンミ(關彌)城。眠っているチョロにお茶を運ぶカグン。カグンから手渡された鏡に映るチョロの顔は、少しずつ、人間の姿に戻りつつあるようだ。鏡を見ながら、顔の皮膚の一部を剥がすチョロ。
クァンミ(關彌)城から伸びる道。馬に乗ったタムトクとスジニ、馬車に乗ったヒョンゴ、チュムチが帰路についている。「いやぁ、一体、この世のどこに兵士たちが負けるからと言って、自分の軍隊を遠くへ追いやって、自分ひとりで攻め込む君主がいるのでしょうか? はぁ? そうでしょう?」とタムトクを責めるヒョンゴに、「やめましょう。もう、耳にふたをしましたよ」と言うタムトク。
さらに、「そして、我々だけでクンネ(国内城)に帰れとおっしゃるのですか?」とヒョンゴが聞くと、「では、ここに残ってクァンミ城を治めましょうか? 我々4人で」と軽口を叩くタムトク。しかし、「ここからクンネ(国内)城まで三足カラス(=高句麗のシンボルとなる伝説のカラス)でも貸し切ってお帰りになるつもりですか? 行く道の半分が百済の土地だというのに。そのような(危ない)道を私たちだけで行こうと?」と、その道中の心配をするヒョンゴに、スジニが「私たちだけじゃないみたいですよ」と声をかける。
一行が、前方に目をやるとそこには、コ将軍やフッケ、タルグ、シウ軍らの一団が馬で現われる。「来た!」と悦びの声を上げるヒョンゴ。「陛下、今、いらっしゃったのですか?」と声をかけるコ将軍に、「私の命令が聞けなかったのか?」と少し強張るタムトク。しかし、コ将軍は、「受け取りました。すべての兵士は速やかに船に乗せてクンネ(国内)城に帰せというお言葉、確かに受け取りました」と答える。「それなのに、どうしてここにいるのか?」と聞くタムトクに、横から口をはさんだフッケが、「陛下。私たちは確かに行けと言いました。でも、あいつらが、話を聞かなかったのです。陛下に似て、話を聞かない部下たちをどうすることができますか?」と混ぜっ返す。
「陛下は確かに約束をしてくださいました。私より先にお逝きにならないと。その言葉を固く信じてお待ちしておりました」というコ将軍だったが、再びフッケが、「いや、信じるとは何を信じていたのかな。夜通しブツブツ文句を言いながら夜が明けるまでに陛下が出て来られなかったら、自分1人で攻め込むと言っていたのに……」とコ将軍の昨夜の行動を説明しながら、あれこれと自分の行動の言い訳を始めようとする。それを聞いて思わず笑ってしまうタムトク。
タムトクの怒りが解けたことに気付いた息子のタルグは、フッケの腕をつかんで言い訳を続ける父親を止めようとする。その息子の手を「あぁ、うるさい!」と言って払いのけるフッケ。しかし、息子が指差す先で、タムトクが微笑んでいるのを確認すると、フッケは満面の笑みになる。その場にいた全員が微笑みに包まれる中、タムトクの穏やかな顔がアップになり……
――ジュンソの歌う『許諾』に乗せた次回予告で第15話終了――。
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