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B.S.J.
B.S.J.(https://club.brokore.com/bsj)
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No 333 HIT数 11464
日付 2007/11/19 ハンドルネーム Whistl
タイトル 【第19回を実況するスレ】をノベライズ【前編】
本文

B.S.J.のみなさん、こんにちわっ♪

はい。19話です。『太王四神記』も残すところ5話。寂しいような気もしますが、
ただ、今は、1日も早くクランクアップし、ヨンヨンが静養の日々を送れるようにと祈るばかりです。

では、早速始めます。みなさん、ハンカチ、タオル、あるいはバスタオルのご用意をお忘れなく。どぞー!

☆.。.:*・゜.。.★;:*・゜☆.。.:*・゜.。.★;:*・゜☆.。.:*・゜.。.★;:*・゜☆


2007年11月15日放送 『太王四神記』 第19話 


大河ドラマ風のオープニグタイトル。約4分間のCM

「第19話」の文字の後、神壇で戦うキハとスジニのシーンの復習。

切りかかるスジニを弾き飛ばすキハ。スジニを助けようと槍を持って立ち上がったチョロの姿を見たキハは、手元の燭台をチョロに投げつける。キハの手から放たれた燭台は燃え盛る炎となり、チョロの腹部で赤々と燃え上がる。苦しむチョロ。駆け寄ったスジニは何とか炎を消そうとするが、炎はチョロの腹部を焼き尽くしている。

「何をしたのよ! 火を消して! 消してって言ってるのよ!」とキハに大声で詰め寄るスジニ。しかし、キハは、「私は火をつけることはできるが、消すことはできない」と言って背を向ける。再びチョロに駆け寄ったスジニは、燃え続けるチョロの胸の炎に手を添える。

その炎の力を感じ、朦朧とした表情になるスジニ。焦点を失った瞳は、まるで神話時代、黒朱雀に化身したセオのようだ。無意識のまま、立ち上がったスジニが目の前にある刀を持ち上げると、その刀は突如、炎を噴出する刃に変わる。その炎の刃で、近づくサリャンを吹き飛ばすスジニ。血を吐くサリャン。そして、キハに歩み寄ったスジニは、キハに襲いかかる。倒れたキハは、自分のお腹を押さえながら、「やめて! お願いだから、この子に当てないで」と自分の胎児を守ろうとする。その言葉も無視し、スジニがキハに炎の刃を振り下ろそうとした時、不思議な光のドームがスジニをはじき飛ばす。恐らく天の血を引く胎児を神が守ったのだろう。床に倒れ、血を流すスジニは意識を失っていく。

火天会。祭壇の間。長い時間、キハが物思いにふけっている。昔を思いだすキハ。

【回想シーン】 火天会で大長老に妖術をかけられる5歳のキハ――。火天会に襲われる百済のヘ氏の邸宅――。「キハや。この子はお前の妹よ。お前はお姉さんなんだから、どんなことがあっても妹を守るのよ」とキハに言い聞かせる母――。キハの首に紅珠をかけ、姉妹を扉の中に隠す母――。火天会の使者に刺される母――。火を放たれる屋敷――。咳き込みながら妹を穀物の壷に隠すキハ――。紅珠の不思議な力で助かったキハ――。

幼い頃の記憶をすべて取り戻したキハは、その場に膝を付き、泣き崩れる。そして、スジニとの戦いで傷つき、傍らに座っていたサリャンに向かい、「サリャン。サリャン! あの子は私の妹ね?」と確認する。何も答えず目を伏せるサリャン。涙に暮れるキハ。

クンネ(国内)城。将軍や兵士たちが続々と王宮に向かっている。玉座の間で、整列し、タムトクを迎え入れる将軍たち。コ将軍を引き連れて入ってきたタムトクは、「家族と会って疲れを癒してきましたか?」とみなに問いかける。「はい。陛下」と答える将軍たち。「チュニ将軍。奥さんに子供ができたんだって?」と聞かれ、「はい。陛下。すでに生まれました。女の子です」と答えるチュニ将軍。「ウソッ将軍のところの2番目のお子さんはもう2歳になったのでしたよね?」と聞かれ、「はい。陛下。うちは息子です」と答えるウソッ将軍。

2人の話しを聞いたタムトクは、「では、両家が婚姻関係を結べば良いのでは?」と軽口を叩くと、ウソッ将軍は、「チュニ将軍に似ている娘なのに。王様、それはあまりです!」と答え、「何だと!」と怒るチュニ将軍と談笑している。玉座の間に笑い声があふれる。王を信頼する部下と、部下を思いやる王の姿。

そんな、チュニ将軍から「ところで陛下。コラン(契丹)にはいつ出発されるのですか?」と質問されたタムトクは、「出来るだけ早く出発する予定です」と答えながら、将軍たちを地図が置かれた机の周りに集める。「陛下。兵力をもう少し増兵した方が良さそうです。新兵が入ってくれば、訓練もしなければなりません」というフッケ将軍。また、他の将軍も、「ホゲ軍まで全速力で向かわねばなりません」「中間地点でコラン(契丹)軍を勢いづけてもダメでしょう」と、それぞれに自分の意見を述べる。

さらにフッケが、「私の言う通りです。ホゲ軍が行なった2戦、3戦の虐殺行為に対し、コラン(契丹)のヤツらは歯ぎしりして悔しがっているはずです。すべて、騎馬軍で編成すべきかと思います」と言うと、タムトクが「これ以上、兵力を増強しません。ただ、側近を何名かだけ連れて行く予定です。ただ、物資を運ぶ人と荷車が大量に必要になります」と今回の出兵の目的を説明し始める。

タムトク 「将軍たち。兵士たちに周知してください。今回のコラン遠征は戦いに行くのではありません。最後まで戦いを避けるのが今回の目的です。従って、階級に関係なく、敵を攻撃したり、不要な戦闘をした者は処罰すると。そう伝えてください」

タムトクの言葉を聞いたフッケは、「陛下。では、我々はホゲ軍に軍事物資を届けるためだけに出兵するということですか?」と質問する。それに対し、タムトクは、「いいえ。私たちは、これから徐々に兄弟になる人たちのために、贈り物を持って行こうとしているのです」と答える。

【作戦を説明するタムトクのナレーション】 「新たに兵力を補充し、訓練させる時間がありません。それは、既にこの国から数万もの兵を出兵させているため、これ以上兵士を集めるようとすれば、老人や女、子供たちだけに狩りや畑仕事をさせることになってしまうからです。今、各貴族と家紋達を対象に物資を集めることになれば、どうしても国の物資が手薄になり、物価が上がってしまいます。それは、後々、民を苦しませることになるのです。時間がありません。1日でも早く目的を達成せねばなりません。これは賭けです」

王宮。貴族たちを集めて、タムトクからの書簡を読み上げるカムドンの声とタムドクの声が重なって、「……これは賭けです。王様は今回、遠征で使われる物資をお集めになっております。各家紋様たちには、それぞれが出来る限りの、最大の物資の提供をお願いいたします」と、貴族たちにタムトクからの依頼を伝える。従者チョ・ジュドが、「ソング城ですが、私たちが提供する物資に対する対価はどうのように受けることができるのですか?」と質問をするが、カムドンは、「国には、お返しする対価はありません」と答える。

その答えに驚いた様子のチョ・ジュドが、「では、強制ということですか?」と、問い返すと、カムドンは、「王様は各部族、家紋から寄与された相当量に従い、後で塩の貿易権と経営権を与えるとおっしゃいました」と説明する。貴族たちが「塩?」「塩だと?」と囁き始める中、続けてカムドンは、「コラン(契丹)の塩です。一番高い山を越えるとそこには塩の土地があるというのです。みな様もたぶんお聞きの事と思います。海のごとく果てしなく続く大塩田があることを。そこから塩を手に入れる採掘権と、各国に売る売買権を分けるとおっしゃっています」と、タムトクの戦略を補足する。驚いた様子で話し合う貴族たち。席を立つチョ・ジュド。

ヨン・ガリョ邸。手紙を書くヨン・ガリョに、チョ・ジュドが王宮で聞いてきたタムトクの作戦を説明している。チョ・ジュドは、「王様がお出しになる報奨があまりにも大きいのです。他の家紋達はその意に従うようです。ヨン大家様。どうなさいます。物資を提供する事をお考えになってはいかがですか? 既にこのようになってしまった以上は……」と、大きな利益を生み出す交易権を手に入れるべきだと進言するが、その問いかけを無視したままヨン・ガリョは、「一番早い馬を使って伝令を送る準備をしろ」と指示を出す。

「ホゲ様にお送りするものですか?」と聞くチョ・ジュドに、中庭にフラフラと歩み出たヨン・ガリョは、「あの子の母親が死ぬ前に言ったのだ。蛇の知恵を持った者に気をつけろと。それが何を意味しているのか、今まで分からなかった。死んでいこうとするものの遺言だったのに、それをちゃんと聞く事が出来なかった」とひとり言のように話す。チョ・ジュドが「大丈夫ですか?」と心配しても、ヨン・ガリョは、「高句麗を手に入れたのに、その者にとって、高句麗は小国なのだ。それだけでは気に入らないのだ……」とひとり言を続ける。

驚くチョ・ジュドの、「王様が(そのように)おっしゃったのですか? 王様は青龍の神物を手に入られたことからも分かるようにチュシンの王なのです。ですから広い領土を……」という言葉を遮り、ヨン・ガリョは、「その者が望む領土は果てしないのだ。その領土を手に入れるためにはどんなことでもするだろう。その者は私の息子を殺そうしているのではないか? この高句麗の4万の軍隊を息子のためでなく、餌として使うつもりだ。私はあまりにもその者の事を分かっていなかった。あまりにも苦しい。早くこの伝令をホゲに伝えねば。この姦計にかからないように息子に知らせなければ」と、つぶやきながら、フラフラと歩いていく。

王宮。兵士たちの執務室。夜遅くまで仕事をしている兵士たちが居眠りをしている。その間を歩き回っているコ将軍。

王の居室。タムトクとその横で仕事をするヒョンジャンも疲れた様子だ。そこに入ってきたコ将軍は、「もうお休みになっていただけませんか? 何日も前から会議が続いているので……。陛下が先にお休みにならなければ、他の将軍たちも休むことが出来ません」とタムトクに声をかける。立ち上がったタムトクは、兵士たちの執務室へと向かう。

執務室。居眠りをしていたフッケ将軍が、椅子ごと後ろに倒れ、大騒ぎをしている。そこに入ってきたタムトクは、「今日はこのぐらいにして、また明日にしましょう」と声をかける。「血が出たんですか?」とフッケに聞くタムトク。「血は出ていませんが……」と騒ぐフッケ。「血が出てますよ」と心配するタルグ。その様子に笑いをこぼすタムトク。

コムル村の人たちの執務室。様子を見に来たタムトクが、周りを見渡している。姿を見せないスジニを探しているのだろう。タムトクが部屋を去ろうとした時、走りこんできた飴売りの男が、ヒョンゴに何か耳打ちをする。慌てた様子で部屋を飛び出していく2人。その様子を黙って見ているタムトク。

コムル村。寝ていたスジニが起き上がる。ケガをした右腕を触り、治癒していることを確認すると立ち上がるスジニ。

コムル村の子弟が薬草を運んでいる。彼らが入った部屋には意識を失ったチョロが寝かされており、その腹部には大量の薬草が置かれ、治療を受けている。心配そうに見守るスジニとヒョンゴ、ヒョンジャンらに、治療をしている医師は、「厳しい状態です。鎧が燃え上がって皮膚の中まで火傷をしています。いったいどんな火に触れて、五臓六腑の中まですべて焼かれたのでしょう」とチョロの容態を説明している。

コムル村の別の部屋。ヒョンゴとスジニが2人きりで話している。「それで、我を忘れたと?」と尋ねるヒョンゴに、「覚えています。私が何をしでかしたのかを」と答えるスジニ。「私が自分を制御できなかっただけです。ただ、自分の意思とは関係なく、手を出し、火を振り回し、人を打ち、殺そうと飛びかかり……。そういうことでしょ? 朱雀の主は正気を失うということなんでしょう? そうでしょう? だから何? じゃあ、私は朱雀の主人ということなの? 酒の主かもしれないじゃない。あぁ。頭がおかしくなりそうだわ、ホントに。これ、無かったことにできませんか? 私じゃないと言ったらダメなのかしら? 取り消すわけにはいかないの?」と涙を浮かべながら訴えるスジニ。

ヒョンゴは、「スジニや。もう一度、やってみよう。その時のようにしてみよう。私の前で、まともな状態を失って癇癪を起してみろ。私が見ている前でやってみろ!」とスジニに話しかける。しかし、スジニは悲しい目をしたまま、「記録にあるんでしょう? 朱雀の主人が正気を失って、チュシンの王を殺そうとしたと……」と問いかける。後ろを向きながら「そんなことは、知らない! 私がそんな昔話をどうして知っているものか!」と声を荒げるヒョンゴ。

冷静なスジニは、「ということは……。私がいつ、また正気を失うかはわからないと? なぜ、世の中を火の海にするのかもわからないと? そして、なぜ、王様の手にかかって死ぬことになるのかも、わからないということなのね?」とヒョンゴに問いかける。「わからない。だから、もう一度、やってみろ。うん? 私が見ている前で」とスジニにもう一度、気を失ってみせろと提案をするヒョンゴ。しかし、悲しみを隠し、うっすらと微笑みを浮かべたスジニは、「最後に、一度だけ、会いたいの」とつぶやく。「誰に?」と問うヒョンゴに、「私たちの王様にです」と答えるスジニ。

「もう一度、会うだけです。一度だけなら大丈夫でしょう?」と語るスジニは、悲しみに震えるヒョンゴの手に自分の手を重ね、「師匠に私を殺させるなんてできないじゃない。師匠の手で私を殺したら、師匠は一生、泣いて暮らすことになるじゃない。師匠が私におかゆを食べさせて、おむつを取替えて育ててくれたのに……。今、私が知っていることは、すべて師匠に習ったことなのに……。そのご恩を仇で返すことはできないでしょう? 師匠。やっぱり師匠への借りは返せそうにもないわ」と話したスジニは、意を決したように立ち上がると、目を伏せたままのヒョンゴに、「ちょっとこっちを見てよ」と言って、その場を去っていく。スジニの後ろ姿を見送ったヒョンゴは、「本当にあいつ……」と涙に暮れている。

火天会の大長老が隠れる洞窟。突然訪問したキハに、見張りの兵士が「今はダメです。キハさま」と声をかけるが、キハは、その見張りの兵士たちを炎の力で投げ飛ばし、大長老と対面する。洞窟の奥から「来られましたか?」と声をかける大長老。

「チュシンの星が輝いた日、朱雀の光が立ち上った百済の海辺のあの家……」と話を始めようとしたキハを、大長老は「私にもう少しの間だけ時間をいただけますか?」と制止しようとする。しかし、キハは、「あの家の家族をみな殺しにして、火をつけて朱雀の神物を探して来いと言ったのは、あなただったのか? その火の中から探し出した5歳の子。その子のすべての記憶を消して、今日まで下僕にしてきたのは、あなただったのか?」と一気に質問を投げつける。

「無くされた記憶が戻ったのですな。キハ様」と答える大長老に、「そのために両親を殺したというのか? そして、今度は、私の手で私の妹を殺せと?」と続けるキハ。「妹?」と、驚く大長老に、「そうよ。私の妹。母が死ぬ前に命をかけて守れと言った妹を、世の中の全てを分かっているあなたが知らなかったと? では、今日、私に殺されることも知らないのか?」と言ったキハは、大長老に向けて刀で切りかかる。

しかし、手負いとは言え、大長老はあまりにも強かった。その刀を手で制し、刀を真っ二つに折った大長老は、「少し時間を下さいと言ったではないですか?」とキハを弾き飛ばす。「一体、あなたは何者なの?」と改めて問うキハに、立ち上がった大長老は、「火の力を持って生きてきた火の力を支配する長老でしょう? ホゲ様のお力を少しお借りして、火の力でこの地を支配しようとする者です」と冷徹な口調で告げる。

「そのために、私の両親の命を奪ったということなの?」と問うキハに、「20年前の記憶を思い出されたのに、2000年の記憶は思い出されないというのですか?」と問い返す大長老。しかし、キハは、「その時の記憶が何だと言うのだ! まずは母の仇。そして、次に父の仇を晴らす!」と宣言すると、大長老の心臓に折れた刀を突き刺していく。

しかし、大長老は突き刺さった剣を自分で抜き去り、何事もなかったように話を続ける。「申し上げたではないですか? 火の力を盗み、永遠の命を得、紅珠の力で不老になり、2000年生きてきたと。キハ様。黒い火の力で生きている者を殺すことは出来ません。どれだけ長い歳月を生きてきたのか、お分かりになりますか? キハ様! カジン様! 思い出しなさい! あなたは火の力を持つ神女でした」とキハを説得する。そして、幼いキハに施したように、再びキハに妖術をかける大長老。キハは苦しみにもがいている。

王宮。眠れないタムトクが、夜の王宮を歩いている。スジニと何度も深夜に酒を飲んだ玉座の間にも足を運ぶが、そこには誰もいない。

コムル村。中庭に村の長老たちが集っている。そこに静かに歩み出たスジニを前に長老たちが、「本当に火の力を使ったのか?」「確実でなくても、確実だとわかるまで待つことはできないのだ」「記録によると、朱雀の火の力を使った者からは朱雀の神物を取り上げ、世の中の平和のためにその主人を殺せとある。この意味がわかるな?」「この子の最後の道に、誰か一緒に行くものは……。ヒョンジャンか? ヒョンガムは?」と話し合っている。長老たちも長年、大切に育ててきたスジニを殺す決断ができずにいるようだ。

その時、フッと笑顔を作ったスジニは、「私がひとりでやります(自ら命を絶ちます)。今までコムル村の難しい仕事はすべてスジニがやってきたのに。あぁ。本当に心配。コムル村にスジニがいなくなったら、どうなさるの(大丈夫なの)? 師匠様たち。ただ、最後にひとつお願いがあります。私のために傷ついたクァンミ(關彌)城主を助けてあげてください。私が死んでいくのに耐えうるものが必要でしょう?」と泣きながら願い事を話す。

「朱雀の主は地の母だから、飢えた人や傷ついた人を助けるのが本分だ。わかった。全力を尽くそう。我々が出来ることはすべてやるから」という長老の言葉を聞いたスジニは、安心したように微笑みを浮かべる。そして、後ろにいた飴売りの男を振り返り、「おじさん」と声をかける。その言葉を聞いた飴売りの男は泣き出してしまう。

王宮。タムトクが臣下たちの手を借りて鎧を着せてもらっている。そこに、「私がしてはいけませんか?」と言いながら、女らしい美しい衣装に身を包んだスジニが現われる。その声の方を振り返り、嬉しそうに笑みを浮かべるタムトクは、「なんだ、お前!」とスジニに声をかける。「何がですか?」と問いかけるスジニに、「どこで(そんな服を)拾ってきたんだ?」と憎まれ口を叩くタムトク。ふくれっ面になり、その場を去ろうとするスジニを「また、どこへ行く」と呼び止めたタムトクは、臣下たちを人払いし、2人きりになると、鎧を着せてもらうため、スジニに背中を見せる。

タムトク 「今度はちゃんと着せてくれよ。前のように、穴をひとつ飛ばして縛らずに。どこをうろついていたんだ? いつもチョロチョロついて回ってた奴がいなくなると気になるじゃないか? コムル村に何かあったのか? 昨夜、先生たちが急に出ていったけど」

無言のまま、鎧の紐を縛るため、タムトクの身体に手を回そうとしたスジニの手を握り締めたタムトクは、「話せ」と声をかける。泣き出しそうな気持ちを隠しながら「何を?」と問うスジニに、「おかしいじゃないか? いつもおしゃべりなお前が静かだと。お前、何か、しでかしたのか?」とスジニの方を振り返ろうとするタムトク。しかし、回した腕で、固くタムトクを抱きしめたスジニは、タムトクの動きを制し、「ちょっとだけ。ちょっとの間だけこうしていて。覚えておけるように」とタムトクの背中に顔を埋める。何かがあることに気付いたタムトクは、静かにスジニにされるがままになっている。

少しの間を置いて、「お前。泣いてるのか?」と再びスジニを振り返ろうとするタムトク。しかし、スジニはその動きを許さない。「こら。王様を後ろから捕まえるヤツがいるか!」と軽口を叩いたタムトクは、ただ無言で涙を流すスジニに困惑している。やっとスジニが手を離した。振り返ったタムトクは、「顔を見せてみろ」とスジニに話す。

「まだ酒が抜けていません。今回のお酒は、飲めば泣くと言われてたけど、本当だったわ」と涙の理由をごまかしたスジニは、かつてタムトクから渡された香水の瓶を取り出し、「これをお返ししようと思って来ました。いつかくださったものです。返してくれと言われなかったので、ずっと持っていました。戦いの時は、傷が付かないように気をつけてたんですよ。無傷でしょう?」とタムトクに手渡そうとする。

スジニを見つめ、香水瓶を受け取ろうとしないタムトク。仕方なく香水瓶を机の上に置いたスジニは、「私も一度くらいは言って欲しかったんですよ。お前、可愛いな、とか。だからこういう姿で王様の記憶に残りたかったんです。きれいな格好で」と話すと、「失礼します」とその場を立ち去ろうとする。そのスジニの手を取ったタムトクは、「記憶に残るとはどういうことだ? ちゃんと話せ」と問いかける。「酔っ払ってうまく話せません」とごまかすスジニに、「お前はもともと綺麗だよ。その服のせいではなくて……。これで良いか?」と答えるタムトク。嬉しそうに「後で違うと言わないでくださいね」と言ったスジニに、タムトクは「こんな話は2度とできない」と答える。

笑顔を作り、「行きます」と再びその場を立ち去ろうとするスジニ。スジニに何かあることを感じながら、本当の理由が見出せないタムトクは、握ったスジニの手を離さない。それを「離してください。見送ってください」と、促すスジニ。「早く戻って来い。訓練するから。みんな待っているからな」と手を離したタムトクに、「わかりました」と一礼して歩き出したスジニは、部屋の出口で振り返ると、「王様。王様の背中からは、すごくいい匂いがするんですよ。ご存知ないでしょう?」と言うと泣きながら部屋を後にする。残されたタムトクは、思いを巡らすがスジニが泣いている理由がわからない。

廊下を歩くスジニをヒョンゴが待っていた。泣きながらヒョンゴに深く一礼するスジニ。「お前、笑わせるな(=本当に行くのか?)」と言うヒョンゴの顔は、あふれ出る涙で歪んでいる。無言のまま、涙を流し立ち去るスジニ。その背中を涙で見送るヒョンゴ。


――【第19回を実況するスレ】をノベライズ【後編】へ続く――。



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sirius
whistlさん、ヒョンゴに感情移入ヘンじゃないですよ~スジニやタムを見守るヒョンゴの気持ちを思うと・・・切ないね・・ 2007/11/22 15:45
Whistl
siriusさま。そう。泣かせの19話。で、現実の世界ではヨンヨンのケガが心配だけど、物語の上では、やっぱり私はヒョンゴに感情移入して泣いてます……。スジニじゃないところがヘンでしょ(爆)。 2007/11/21 01:30
sirius
涙、涙の19話です。ケガをおして撮影を続けるヨンタムの姿にも涙します・・ううっ~~ 2007/11/21 01:03
Whistl
kitahamiさま。あっ。チョン・ジニョンさんはヒョンゴ役だったんですか。なんか、どっかの国の王様の役かと思ってました(笑)。ヒョンゴ高評価! 新たな韓流スター誕生かっ(爆)!? 2007/11/20 14:57
Whistl
chunsengyoさま。おそおせよー♪ ヨンヨンがどんなに名演技をしても、ルックルのことしか言われないのは彼の運命(涙)。でも、あのルックスだからこそ…のメリットも。俳優として、難しいとこですなぁ。 2007/11/20 14:55
Whistl
weareさま。やーん。「泣いてる理由がわからない」っていうのは、Whistlが書いたことだのよー(笑)! そんな、怒らないでー(笑)! それに、この時点でタム、18~19歳の小僧だし(爆)。 2007/11/20 14:50
kitahami
↓ヒョンゴに反応。当初、この役は、「王の男」で王様役を演じたチョン・ジニョン氏がやるはずだったそうですね。今となっては、グァンロクさん以外には考えられない感じです。いい味出して増すもん^^ 2007/11/20 11:50
chunsengyo
オ・グァンロクさんのような演技、ヨンチングともに絶賛、でも、ウリ王子はあの演技は出来ないやろと、お顔が邪魔しますので^^、グァンロクさん、ミアネヨ^^;; 2007/11/20 09:37
chunsengyo
weareさんの女心に鈍感にいたく同感!でも、タム王様、やることはしっかりやっておられた;;;、Whistlさん、スゴヘ!私もヒョンゴさんの演技に泣かされました! 2007/11/20 09:33
weare
Whistlさんありがとうございます!↑「泣いている理由がわからない」だと(怒)ー!だからタムトク様は、女心に鈍感なんですヨン!あぁ~これじゃ(王が真実の愛を求めなれれば)朱雀の目覚めはないわヨン! 2007/11/19 22:53
Whistl
ryomihaさま。ヒョンゴ役のオ・グァンロクさん、素敵な俳優さんですよね。小説や詩もお書きになる方らしいですけど、知的で人間の深さを感じさせる演技ですっ♪ 2007/11/19 22:00
Whistl
palletさま。タムの心を失った今、キハはお腹の子供を守ることだけに命をかけているのでしょうね。そのためなら、あの大長老にも刃を向ける。悲しい母の愛…。 2007/11/19 21:57
Whistl
imoさま。うわ~~ん。Whistlももらい泣き。うわ~~ん。でね、スジニの気持ちも悲しいんだけど、Whistlは、ヒョンゴも辛いなぁって思って……。うわ~~ん。タオル…。 2007/11/19 21:56
ryomiha
神話時代からの因縁は、タム王をめぐって、スジニの悲恋に終わるのでしょうか・・何かを感じていても動けぬタム、ヒョンゴの男泣き?翻訳して下さり、その切なさが一層、伝わってきます。キハの子も気掛かりですね。 2007/11/19 21:17
pallet
キハはあの時スジニの刃からお腹の子を守ろうと「やめて!お願い!」と叫んだのですか。言葉が分らないというものは><;タム王に別れに行くスジニ、見送るヒュンゴの悲しい顔。バスタオルが要ります;; 2007/11/19 18:45
imo
うわ~~ん(ToT)涙がこぼれてこぼれて・・・しゃくりあげながら読みました。わ!鼻水が垂れる・・・スジニ・・あんまりだ・・可哀相で・・自ら命を絶つ、という別れだったとは!うわ~~ん(号泣) 2007/11/19 18:26
 
 

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