B.S.J.のみなさん、こんにちわっ♪
【最終回を実況するスレ】をノベライズ【前編】はいかがでしたでしょう? 8年ぶりの邂逅(涙)。あぁ、19話の別れから、なんて長かったんでしょう(苦笑)。
そして、いよいよ最終回の後半です。 韓国では、この最終回に関して、賛否両論が飛び交い、未だにその論争は続いているようですね? 日本のファンの中にも、どうしてもこの結末が受け入れられないという方もいるようです。
確かに、韓国ファンが支持するもうひとつのHappy End シナリオが存在するのは事実です。 Whistlはそちらのシナリオも読みましたが、どちらが良いとは、簡単には答えられません。 ただ、どうしても、この結末が受け入れられない、という方のために、後日、Happy Endバージョンのシナリオの日本語版もWhistl の翻訳でアップさせていただくつもりでおります。
ただ、放送されたシナリオは、いくつか用意された物の中で、キムPDとヨンヨンが最終的に選んだ答えのはず。 とりあえずは、この結末の意味するところを一度、噛み締めてみてください(笑)。
では、最後の脳内VTR回転。みなさん、一緒に参りましょー!
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王の執務室。椅子に腰掛けるスジニに「あの子が私の子どもだと? そして、彼女がお前の姉だと?」と問うタムトク。「それが嘘であればと願っていました。どうか嘘だったら良いのにと思っていました」と答えるスジニ。「今まで、あの子を守ってきたのか? たった一人で。どうすればいい? お前に、私は何と言えばいいのだ?」と問うタムトク。無言のままのスジニ。
そこに兵士をつれて入ってきたコ将軍が、「陛下。城砦を探しましたが、見つけられませんでした」と報告する。「彼らはすでにあの子を城砦から連れ出したと思います。足跡も探し出せませんでした」と報告するチョロ。思案に暮れるタムトク。
別の執務室で、机を並べて仕事をするヒョンゴとヒョンドン。そこに、角笛の音が聞こえて来る。立ち上がったヒョンドンは、「戦いの準備の合図です。王様は動くことを決意されたのかもしれません」と口にする。その部屋には、チュムチやコラン(契丹)からの援軍の将軍たちの姿もある。
そこにコ将軍とチョロを引きつれ、鎧姿でその執務室に現われたタムトクは、「私は今からアブランサ(阿弗蘭寺)に行く。時間がないのです。考える前に行動に移す」と宣言する。「急にどうしてお気持ちを変えられたのですか? お待ちになるとおっしゃったではないですか? 我慢出来なくなって、彼らの方から来るまで待つとおっしゃったではありませんか?」と問うヒョンゴに、「私の子供が連れ去られました。あの子は、天孫の血を受け継いでいます。ヤツらは、その心臓を使い、天の力を封印できると言っています」と話すタムトク。息を荒げ、その話を聞くヒョンゴ。
城門。馬で凱旋するフッケとその部下たち。「ハハ。早馬を操る部下を連れて戻ってきた。王様が聖戦の準備をしておられる時に、いつまでも新羅に留まることはできないからな」と、タルグに話すフッケ。その時、角笛の音を聞いたフッケは、「この音は何だ? 今すぐに出陣か?」と辺りを見渡すフッケとタルグ。
【ヒョンドンのナレーション】 フッケ将軍が合流して、太王軍はおよそ4万。敵は10万。数では半分にも至らないが、軍隊の士気は非常に高い。これは聖戦だ。チュシンの王が、天の力を取り戻しに行く戦いだ。
アブランサ(阿弗蘭寺)。並んで歩くホゲとキハ。「そろそろ終わりを迎えようとしています。タムトクの心臓を持ってきてください。あなたをお助けしますから」と語るキハ。「チュシンの王、ヤツの心臓が天の力を解放するのならば……」と言いかけるホゲに、「それを取ってきてください。大長老よりも先にそれを手に入れ、天の力を握ってください」と話すキハ。そのキハを見つめながらホゲが語り始める。
ホゲ 「あなたは私に天の力を握れと言う。あなたがそう言うだろうと、ずっと前から思っていました。そうして、あなたは、ヤツと一緒に死ぬつもりでしょう? 以前のカウリ剣の審査の時と同じように。どうすれば、あなたを生きさせることができるのですか?」
ホゲの方を向き直したキハは、ひとしずくの涙を流しながら、「天の力と共にある人は、死ぬことも、老いることもないと言います。そうして、あなたは私を待ち続けてくれるのでしょうか? 再び生まれ変わって、必ずあなたにお会いします。お約束します」と言い、目をつぶり、ホゲの胸に手を添える。その手を握るホゲ。しかし、キハはゆっくりとその手を引き戻し、目を伏せる。意を決したように黙って出て行くホゲ。階段の上からその様子を見下ろしている大長老。
アブランサ(阿弗蘭寺)の近くの平原。地平線の彼方まで、約4万の太王軍が姿を現わす。それに対峙する約10万のフヨン(後燕)、火天会の合同軍。先頭に建つのはヨン・ホゲだ。
「陛下。準備はできております。後は陛下の命令を待つだけです」と言うフッケ。「違うじゃないですか? 我々には、一つ、残っていることがあるじゃないですか? そうでしょう?」と問うヒョンゴ。それを聞いたタムトクは、「相手は多勢、こちらは無勢。だが、我々は必ず勝つ! なぜなら我々は負ける方法を知らないのだから!」と、兵士を鼓舞する言葉をかける。一斉に笑う兵士たち。「私が最前線に立つ。最後まで私について来い。私の兵士たち! 私の兄弟たち! 私が見えるか?」と呼びかけるタムトク。閧の声を上げる太王軍の兵士たち。
コムル村の子弟たちに「時が来ました」と話すヒョンゴ。チョンロ部の部下たちに「準備はできているか?」と問いかけるフッケ。兜をかぶるタムトクが刀を手にかけ、馬のあぶみを蹴る。一斉に前進する太王軍。対峙するホゲが率いる軍隊も前進。全面戦争が始まった。
アブランサ(阿弗蘭寺)。「天の力は、この巨石(神壇樹)の中に封印される。そして、長い間待っていたその力は、やっと我々虎族のものとなるのです」と話しながら、部下に命じてキハに四神の神物を渡す大長老。神壇樹の上に、キハが四神の神物を並べると、玄武の神物である木の杖は、木の固まりに変化する。四神の神物を見つめながら、キハはタムトクとの思い出を振り返っている。
【回想シーン】 あばら家での一夜。神壇での「その場所もその夜も忘れて久しい。今、私の心は終わった」と語るタムトク。雨の中での決別。カウリ剣の審査。太室で自害するヤン王。断崖から身を投じようとするキハ。怒りを込めて神壇に張り巡らされた結界を切り落とすタムトク。
戦場では激しい戦いが続いている。タムトクに向かい馬を走らせるホゲ。弓で戦うスジニ。そのスジニを助けるチョロ。その時、老将フッケが、敵兵に斬られ、落馬する。目の前で戦うタムトクの姿を目に焼き付け、戦場の露と消えるフッケ。
アブランサ(阿弗蘭寺)。四神の神物を見つめるキハの元に、戦場を抜け出したスジニがやってくる。それを目にした大長老は、部下たちに、「誰も入らせるな! 誰にも邪魔させるな!」と命令する。火天会の兵士たちと戦うスジニ。
その時、巨石の前にいるキハの元に、「もうこれ以上、遅らせることはできない。タムトクの軍隊は今、我々の最後の防衛線を通り抜けようとしている」と話しながら、大長老がアジグを連れてやってくる。振り向いたキハは、大長老が連れた子どもに目を奪われ、「その子は……? その子は誰? 誰だと聞いているのよ!」と大長老に問いかける。「2000年間、待ち続けたのです。しっかりしなさい。火の神女! もう、ヨン・ホゲは、チュシンの王の心臓を持ってくることはできないでしょう。しかし、この子にも天孫の血が流れています」と話す大長老。アジグは、キハの近くに歩み寄っている。目の前のアジグを見ながら、「天孫の血……」とつぶやくキハ。
「その子は、父親から天の血を、母親から地上の血を受け継いでいる」と話を続ける大長老に、「天孫の血……」と繰り返したキハは、「まさか、まさか、この子が……」と言いながら涙を流しアジグを抱きしめる。
「私は、この子を殺すことができません。人間の寿命はとても短い。そして、これは、私たちが2000年間待っていた瞬間です。これ以上、遅らせる時間はありません。その子の血が天と、対等に交換されることを知れば、その子もどんなに喜ぶだろうか。さぁ、キハさま。早く、その子の心臓を取り出すのです!」と歩み寄りながらキハに命令する大長老。
アジグを抱きしめ、涙を流しながら、「お前は母である私に、この子の心臓を取り出せと言うのか! 心臓を!」と声を荒げるキハに、「私がそこ子どもなら、幸せだと感じるでしょう。自分自身を捧げることが!」と答える大長老。その時、スジニの放った矢が、大長老の腕に刺さる。次の矢をつがえながら、「その子を殺すな! その子は、姉さんの子よ」と話すキハ。アジグを抱きしめ、「姉さん?」と問い返すキハ。「その子に危害を加えないで」と話すスジニ。しかし、スジニは大長老が投げた矢に傷つき、意識を失ってしまう。そして、階段の上から、キハに飛び掛った大長老は、そのまま、キハの体内に憑依する。大長老に意識を操られ、アジグを抱きかかえて立ち上がるキハ。
戦場。激しい戦いが続く。そして、コ将軍がホゲの槍に倒れた。兜を取り、駆け寄ったタムトクは、コ将軍を抱きかかえる。「コ将軍」と呼びかけるタムトクの腕の中で、「陛下……」と言いながら絶命するコ将軍。涙を流すタムトクに、槍を持ち替えたホゲが襲いかかる。その槍を掴み、ホゲを馬から引きずり落としたタムトクは、ホゲから奪った槍をホゲの胸に突き刺す。タムトクを見つめながら、膝から崩れ落ちるように絶命するホゲ。命を奪い合うことしかできなかった従兄弟の最期を目に焼き付けるタムトク。しかし、その周りでは、チュムチも、チョロも、その他の兵士たちも、敵味方入り乱れて戦い続けている。空しくそれを見つめるタムトク。
アブランサ(阿弗蘭寺)。大長老に憑依されたキハが、抱きかかえたアジグを四神の神物が並べられた神壇樹の上に寝かせている。キハの身体の中で、アジグの心臓を取り出そうとする大長老の意識と、それを止めようとするキハの意識が葛藤を続けている。
その時、意識を取り戻したスジニが、「姉さん。ダメよ!」とキハを抱きとめようとするが、大長老の意識がスジニを弾き飛ばす。再びキハを止めようとするスジニ。大長老に意識を支配されるまま、スジニの喉下に刃を突きつけるキハの中では、死の間際の母の「キハや。この子はお前の妹よ。何があっても妹を守るのよ」という声が蘇っている。ついにスジニはキハに短刀で切りかかる。しかし、それも、大長老の意識によって支配されたキハによって弾き飛ばされてしまう。
大長老の意識が優勢になった瞬間、アジグは傷つけられ、指先から血が流れ出る。「だめよ! だめよ!」と叫ぶキハは、その血を見た瞬間、悲しみと怒りの余り絶叫と共に黒朱雀に化身。体内に憑依していた大長老は弾き飛ばされる。
突如、黒雲に覆われた暗闇の中で、全身から炎のような光を立ち上らせ、中空に浮かぶキハ。それを見たスジニは、黒朱雀の炎から守るため、覆いかぶさるようにアジグを抱きしめる。そして、そこに戦場から駆けつけたタムトクが、さらにアジグとスジニを庇うように、上から2人を抱きしめる。見詰め合うタムトクとスジニ。スジニの腕の中で安らかに眠るアジグ。2人を残したタムトクは、中空に浮かぶキハの前に歩み出る。
その時、神壇樹の上では、先ほどアジグの手から滴り落ちた血が、次々と四神の神物に触れ、四神の神物が封印されていく。そして、タムトクの手の中では天弓が光を失っていく。それと同時に階段の上から黒い煙をまとわりつかせながら、大長老がタムトクに襲いかかってきた。しかし、タムトクの手の中の天弓から放たれたまばゆい光は、大長老の身体を一瞬のうちに消し去ってしまう。2000年に渡り、地上の神としてこの世を支配することを夢見続けた男の儚くも空しい最期の時。
大長老を倒したタムトクは、再び、中空に浮かぶキハに対峙する。炎を纏うキハに、「キハや。もうやめろ。お前がやめられないならば、私がやらなければならない」と心の中で問いかけるタムトク。しかし、中空から子どもの無事を確認したキハの顔は、憑き物が落ち、まるで聖母のような神々しさと慈悲に満ちた表情をしている。妹のスジニに向かって、うっすらと微笑みを浮かべるキハ。
そのキハに向かい、天弓をつがえるタムトク。見詰め合う2人。涙を流すキハは、すべてを達観しているようだ。しかし、タムトクは、天弓を持った手を下に降ろしてしまう。アジグを抱きかかえたまま、「姉さんを止めてください。手遅れになる前に」というスジニを振り向き、「今、わかった。私がすべきことが」と語ったタムトクは、キハに向かって、「私はお前を信じられなかった。キハや。私が間違っていた」と話しかける。
そして、手の中で天弓を折るタムトク。その瞬間、戦場では、ヒョンゴ、チュムチ、チョロが、胸に痛みを感じ、めまいを覚える。四神の主である彼らは、この時に特別な力を失い、普通の人間へと戻ったのだ。そして、神壇樹の上に乗せられていた4つの神物は、最後の光を放つと、やがて煙と共にこの世から姿を消す。そして、タムトクの手の中にあった天弓も。
それでも尚、中空に浮かぶキハに、タムトクが独白を続ける。
タムトク 「人間は誰でも間違いを犯すものだ。天に伝えなければならない。これが人間だと。過ちに気づき、知らないことを学ぶのが人間だと。天が私たちに問うているのだ。お前たちは自らの力で生きていけるのか? それとも、天に支配を委ねるのか(天の力に頼るのかと)と。その問いに答えることが、チュシンの王であり、それこそがチュシンの王の使命だったのだ。これが、私の答えだ。私は人間を信じている。そして、チュシンの国がいつか打ち立てられることを信じている。たとえ、私がそれを果たせなかったとしても、私の子孫の誰かがいつか成し遂げてくれると信じている。さぁ、天の力を元の場所にお返しする。だから、お前はもう大丈夫だ」
涙を流しながら、そう語ったタムトクは、スジニとアジグに一瞥をくれると、まっすぐにキハの元へと歩み寄る。黒朱雀の炎が消え、まばゆいばかりの天の光と同化していくキハとタムトク。アジグを抱きしめながらその様子を見つめているスジニ。
青空に浮かぶ広開土太王の碑文。若かりし頃のタムトクの映像が次々に流れる。
【ナレーション】 高句麗の始祖チュモ王がこの国を建てた。その父は天帝、母はハベク(河伯)の娘。高句麗17代王はこの国の領土を拡大し、民が平和に暮らしたことから、人々の尊敬を受け、「広開土境平安好太王(クァンゲトギョン ピョンアン ホデワン)」と呼ばれた。彼の恩恵は天にまで届き、彼の力は4つの海にまで轟いた。人々はそれぞれの生まれた土地で働き、平和に暮らすことができた。国は富み、人々は幸せになり、土地は五穀豊饒に満たされた。ある者は、太王は、天の力を排除したと言い、そして、ある者は、天の力を捨てたと言う。しかし、どちらが真実なのかは誰にもわからない。ただ、太王が私たちに残したひと言を伝えよう。
「今、待っているのは、人間ではなく天だ。見渡してごらん。ほら、そこに天国がある」
【テロップ】
ヨンラク(永楽)14年(西暦404年)。フヨン(後燕)を攻撃し、2国間の商業の主導権を握る。 ヨンラク(永楽)17年(西暦407年)。フヨン(後燕)は凋落し、プギョン(北燕)建国。 ヨンラク(永楽)18年(西暦408年)。プギョン(北燕)の王コ・ウンに宗族として(兄弟として)謁見する。 ヨンラク(永楽)20年(西暦410年)。東扶余を巡視し、64の城砦と、1400の村を支配下に治める。 ヨンラク(永楽)23年(西暦413年)10月。広開土大王死去。
――東方神起の歌う『千年恋歌』に乗せたメイキングで最終話終了――。
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