ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
*JOONといっしょ*
*JOONといっしょ*(https://club.brokore.com/0404)
    *★☆★ペ・ヨンジュンさんをはじめ、いろんな話題で井戸端会議しちゃいましょう。楽しい仲間が、待っています。★☆★
サークルオーナー: ★joon | サークルタイプ: メンバー制 | メンバー数: 629 | 開設:2005.05.16 | ランキング:22(14749)| 訪問者:2667330/3013152
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 88M/100M
メンバー Total :629
Today : 0
書き込み Total : 8609
Today : 0
図書室
創作文、感想文、本の紹介等は、こちらにどうぞ。
No 102 HIT数 103
日付 2006/08/28 ハンドルネーム ぷうすけ
タイトル 【創作】「もう一つの四月の雪」 その24
本文 一夜を共にしたインスとソヨンは、

朝、ソヨンの方が先に、目を覚ました。

ソヨンは、上体を静かに起こして、

ベッドにもたれかかり、

隣で、まだ眠っているインスの顔を見つめた。

ソヨンは、穏やかなインスの寝顔を、

目に焼き付けておこうと思った。

ソヨンは、眠っているインスの髪を、

愛おしそうに、そっと撫でた。

しばらくすると、インスが目を覚ました。

インスとソヨンの目と目が合い、二人は見つめ合った。

ソヨンが、インスの頬に、口づけをした。

「おはよう。インスさん。」

「ソヨンさん、おはよう。」

インスも、上体を起こして、ベッドにもたれかかり、

手を伸ばして、ソヨンの頬を撫でる。

二人は、見つめ合い、唇を重ねた。

ルームサービスで、朝食をとった二人は、

着替えて、チェックアウトの支度をしていた。

その時、ソヨンの携帯電話が鳴った。

電話は、付添い人からだった。

ギョンホの容体が、悪化したので、

すぐに病院に来てほしいと言われた。

ソヨンは、インスに事情を話し、

インスの車で、病院に向かった。

病院の前で、インスは、車を止めて、

ソヨンが病院の中に入っていくのを、見守った。

ソヨンは、病院の廊下を小走りに、

ギョンホの病室に、向かった。

付添い人から、集中治療室に移されたと聞き、

ソヨンは、集中治療室に向かった。

ソヨンは、集中治療室の廊下のベンチに座って、

処置が終わるのを待った。

どれくらい待ったのだろうか?

ずい分、時間が経ってから、担当医が、集中治療室から出てきた。

ソヨンは、ベンチから立ち上がると、担当医のもとへ歩いた。

「ご主人、たった今、亡くなりました。」

ソヨンは、担当医の言葉に、血の気が引いていくのを感じた。

胸が痛くなり、涙が、にじんできた。

ソヨンは、集中治療室のドアを開けて、

ゆっくりと、ギョンホのベッドまで歩いた。

ギョンホは、穏やかな顔をしていた。

ゆすり起こせば、目を覚ますのではないかと思うくらい、

自然な表情だった。

ソヨンは、右手を伸ばして、ギョンホの頬を撫で、

目を閉じたままのギョンホの顔を見つめた。

ギョンホとの思い出が、走馬灯のように頭に浮かび、

涙が溢れて、止まらなくなった。

罪悪感と共に、深い悲しみが込み上げてきて、

ソヨンは、ギョンホの体に、顔をうつぶせて、

声をあげて泣いた。


一方、インスは、ソヨンを病院の前で降ろしてから、

病院に戻る気になれず、目的もなく車を走らせていた。

インスは、スジンの意識が戻った日に、

幻仙窟にソヨンを置き去りにした時のソヨンの気持ちが、

今頃になって、やっとわかった気がした。

敗北感と、やるせない気持ちが同時にインスを襲った。

インスは、胸が痛くなった。

その日の夜、インスは病院に行き、ギョンホの病室に向かった。

ナースセンターで、ギョンホのことを聞いてみた。

看護師から、昼間、亡くなったと聞いた。

インスは、ショックを受けた。

気持ちが落ち着かないまま、ギョンホの病室の前まで歩いた。

ギョンホの病室のドアは、開けてあった。

インスは、中を覗いて見た。

薄暗い病室の中は、がらんとしていた。

窓辺に、ぽつんと、小さな鉢植えが置いてあった。

インスは、病室の中に入っていき、

小さな鉢植えを、手に取って眺めた。

ソヨンがインスにくれた鉢植えと同じ植物は、

元気に育っていた。

その鉢植えから、ソヨンの愛情を感じた。

しばらく、インスは、その鉢植えを、

愛おしそうに眺めていた。

ソヨンは、インスへの想いを断ち切ろうと思い、

鉢植えを病室に置いていったのだった。


それから二日後、インスは、車でソウルに向かった。

葬儀場に着いたインスは、電光掲示板で、

ギョンホのお葬式の会場を確認した。

式場の入り口で、くつを脱いで中に入ると、

やつれたソヨンが、喪服を着て、床に座っていた。

インスに気がついて、ソヨンは、ゆっくりと立ち上がった。

インスは、遺影の前まで歩いた。

遺影のギョンホは、勝ち誇って、微笑んでいるように見えた。

インスは、焼香すると、二回拝礼をした。

そして、ソヨンの前まで歩いた。

二人は、向かい合うと、丁寧にお辞儀をした。

インスは、青白くやつれたソヨンの顔を見つめた。

ソヨンは、うつむいたまま顔を上げようとしなかった。

インスとの会話を望んでいなかった。

インスは、ソヨンと話をしたかったが、

あきらめて帰ることにした。

高速道路を走りながらインスは、ぼんやりと景色を見つめ、

悲しみに暮れていた。

インスは、ソヨンとの関係が終わったことを、悟ったのだった。


ソヨンは、ギョンホのお葬式の後、ソウルの自宅に戻った。

リビングのソファーに、一人ぽつんと座っていると、

悲しみが襲ってきて、涙がとめどなく流れた。

ソヨンは、クッションをかかえて、泣き続けた。

泣き疲れたソヨンは、そのままソファーで眠ってしまった。


                           ~つづく~

 
ぷうすけ
引き裂かれてしまった二人。。。辛すぎるね。 2006/09/06 08:18
ぷうすけ
michngちゃん、ギョンホのお葬式の時の二人は、見ていて辛かったね。あんなに愛し合って身も心も一つになったのに・・・。 2006/09/06 08:17
michng31
お互いに見つめあってよ!お互いにお話してよ!もどかしくなって、叫んじゃう私。ギョンホの遺影の前での 二人、辛すぎる・・・ 2006/09/05 20:12
ぷうすけ
ソヨンはインスと別れる決意が、揺らがないように、インスと目を合わせなかったかもね。 2006/09/01 17:11
ぷうすけ
catちゃん、ギョンホの死がインスとソヨンの間を切り裂いたのね。う・う・う・・・。辛いわぁ。 2006/09/01 17:10
cat402
インスとソヨンの哀しみが、ジ~ンと胸に、響きます~切ないよ~ 2006/09/01 15:25
cat402
インスとの別れに打ちひしがれていたのでは?な~んて、思っちゃった~ 2006/09/01 15:23
cat402
ソヨンは、ギョンホの死で、インスとの別れをきめたのね、お葬式のソヨンは、ギョンホとの別れよりも 2006/09/01 15:23
cat402
ぷうすけちゃん、インスとソヨンは二人の時間をもって、お互いの愛を確認した後、現実の辛い事実は、二人を打ちのめしてしまったのね。 2006/09/01 15:21
ぷうすけ
はんがん☆さん、お互いに惹かれあい、愛し合っても、幸せになれない二人。辛く切ないね。うるうる。。。 2006/08/29 08:02
はんがん☆
愛し合っても「さん」と呼び合う二人。。。切なく辛い愛が伝わってきます。。。胸が詰まるようなシーンの連続。。。 2006/08/28 23:44
 
 

IMX