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*JOONといっしょ*
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図書室
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No 11 HIT数 175
日付 2005/08/15 ハンドルネーム Marinche
タイトル エルマ 第一章 ~ 再会 Ⅳ
本文




     ( Ⅳ )



トーンを落とした間接照明が、ぎこちないふたりの表情を隠してくれる…。


勇俊がグラスに氷を入れる音を聞きながら、エルマは窓の外に目を向けた。
でも、美しいはずの景色すら今は心に響かない…。

琥珀色のラムをグラスに注ぎ、勇俊はエルマの脇に立った。

「ありがとう…」
グラスを受け取り、口をつけると、甘い香りとは裏腹の辛口の刺激に、勇俊への過去の想いが交錯した。
…自分の決心など初めから無かったように、裸の心が琥珀色に染まろうとしている…。
無防備な心を隠すように、エルマは勇俊に背を向けた。

グラスにぶつかる氷の音だけが、静寂を破る…。


「…信じてほしいのは、決して僕は悪いことをしているのではないという事…。
 ある大きなグループに入って活動しているが、反対派がいるので、僕もいつマークされてもおかしくない。
 君に事実を話せば、君にも危険が及びそうで恐い。
 …だから教えられないんだ。」

勇俊がやっと搾り出した言葉を聞くとそれまで硬かったエルマの表情はみるみる和らいだ。
「勇俊、私のことがそれほど好き?
 あなたの頭の切れを鈍らせてしまうほどに…。」

勇俊は不安げな目をエルマに向けた。
「どういうこと?」

グラスをカウンターに置き、勇俊の隣に腰掛けたエルマは勇俊の手をそっと握った。
「あなたがマークされているなら、私を誘った時点で私も対象に入っているわ。
 敵にとって私が事実を知っているか知らないかなど、関係のないことよ。
 危険と思うなら、どうして私を誘ったの?」

勇俊は一気に酔いの醒める思いがした。
「僕は…、君に逢うための最良の方法だと思った…。
 手に入れてもらった招待状も無駄にならず、王子にも簡単に近づける。
 そしてなにより、君をこの手に抱ける…。」

エルマの手を振りほどき、グラスを一気に空けると腹立たしげにカウンターに置いた。
「…ごめん、なんて僕はバカなんだ。君に逢うことしか考えていなかった。
 明日のパーティーへの出席はやめよう。」

「もう遅いわよ。」

勇俊は椅子の上にあるエルマのバッグを掴むと、エルマに渡した。
「いや、今日の行動だけでマークされるとは思えない。明日出席しなければ大丈夫だよ。」

エルマは手渡されたバッグを椅子に戻し、今度は力強く勇俊の手を握った。
「いいえ、もう遅いわ。
 マークされたかどうかではなく、私の心が決まってしまったということ。
 私はあなたと一緒にいたい。でも、真実を知らずにはいられないわ。
 万が一マークされた可能性もあるなら、一緒にいて守ってくれないと困るし…。
 さあ、どうする?
 あなたの選択肢は私を守るか、守らないか。その二つになってしまったのよ?」

「エルマ、脅さないでくれよ。
 まだ僕自身マークされているとは限らないんだ。されている確立は高くない。
 君を引き込むにはリスクが大きすぎるよ。
 あぁ、僕はなんてバカな事をしてしまったのだろう…。」

エルマは勇俊の胸に頭を寄せた。
「もう、置いていかないで…。不安な気持ちで待つのはいやよ。」

エルマに抱きしめられながら、勇俊は大きく溜め息をついた。
そしてエルマをそっと引き離した。
「ごめん、少し考えさせて…。
 少なくとも明日は知らない方がいいだろう。
 変に緊張すると、挙動に不審さが出てしまう。話すとしたら、パーティーの後で…。」


「分かったわ。」
エルマはもう一度勇俊を抱きしめた。

「…今日は苦しい気持ちであなたに会ったけれど、
 こんなに穏やかな気持ちになれるなんて思わなかった。
 あなたは反対ね。
 可愛そうだけれど、私に寂しい思いをさせた罰よ。少し悩んで頂戴。
 そして秘密を一切なくした後は、晴れて2人は元通り…。
 その記念すべき明日は、2人で熱く迎えましょうね。」

エルマは勇俊の頬にキスをし、「送って」と言って部屋を出た。
エレベーターに乗り込むと、自分が送ることさえ気が引けると言う勇俊の腕をとり、頭を預けて呟いた。
「ずっとこうしたかった…。あなたに触れていたかった…。
 今までのように、ちゃんと家まで送ってね。」

タクシーに乗り込みエルマの肩を抱きながら勇俊は思った。
僕もエルマから離れられない…。それなら真実を話してしまうべきなのだ。でも… 
肩を抱く勇俊の手に力が入った。

タクシーを待たせてエルマを部屋の前まで送りながら、勇俊はもうひとつの選択肢を見つけた。
…王子を諦める事…。
そして僕がここから離れれば、エルマに危険が及ぶ事は無いだろう…。

切ない心を抱えた勇俊のくちづけは、徐々に熱くなっていった。
絡み合うふたりの分身が、エルマの思考を麻痺させる…。

この一年もエルマを忘れる事は出来なかったのに、また手放そうというのか…。

エルマの肩に置かれていた勇俊の手は、エルマの白い腕を伝い、
離れようとするエルマの腰を強く引き寄せた。
早くなる鼓動に思わずエルマは息を吐き、「今日は帰って…」と顔を背けた。


「勇俊…、息が出来ないわ…」

エルマが不安になるほど勇俊は強くエルマを抱きしめた。
「どうしたの…?」

「エルマ…、ごめん…」

勇俊はそう言い残すと足早に階段を降りていった。





                            つづく





 
Marinche
私も妄想の世界へ…(#^_^#) 2005/08/19 23:34
ぴかちゅ
日本人なのね。じゃ、ワタシでもオッケだわね~! 2005/08/19 21:30
Marinche
feelingさん、夢で是非♪ 2005/08/18 18:47
Marinche
yumomoさん、私も、みんなもですから…(^^;) 2005/08/18 18:46
feeling
あなたに触れていたかった・・・あ~私も言ってみたい~そして強くハグハグされたいなぁ♡♡♡ 2005/08/18 09:04
yumomo
すっかり・・・遠慮もなく・・ヒロインに成りきりyumomoです。。。みあね~^^ 2005/08/18 00:19
Marinche
akatukiさん、心を残したまま別れてしまったから、辛かったでしょうね… 2005/08/17 22:04
Marinche
catさん、私もですぅ~(>_<) 2005/08/17 22:02
akatuki58
ずっとこうしたかった…。あなたに触れていたかった…。。。エルマの気持ち痛いほど分かるわ~! 2005/08/17 21:29
cat402
もう、エルマが、うらやましいわ~、こんなに勇俊に、愛されているなんて~私も抱きしめられたいなぁ~ 2005/08/17 21:27
Marinche
ぷうすけさん、そう、日本人だったの。そう思うと余計自分と置き換えて…(#^_^#) 2005/08/16 13:57
ぷうすけ
エルマは、日本人だったの。気づかなかったわ。勇俊に、抱きしめられたら、とろけちゃうわ~!エルマになりた~い♪ 2005/08/16 11:29
Marinche
nonakoさん、エルマ、こんなに勇俊に好かれて羨ましい~! 2005/08/15 23:38
Marinche
keithさん、色々な表情を見せるヨンジュンさんに、やってもらいたい役がいっぱい(*^_^*) 2005/08/15 23:37
nonako
私も強く抱きしめられたい*^^*勇俊ってほんとにエルマが好きだったのね。 2005/08/15 23:20
keith
見入ってしまいました^^こんな勇俊の役、是非ヨンヨンにやって貰いたいわ~ハードボイルドの彼も見た~い! 2005/08/15 22:46
Marinche
私に経験があるかどうかは…、ご想像にお任せします(#^_^#) 2005/08/15 22:29
Marinche
あ!エルマって、日本人だったの、どこでも触れていませんでしたっけ?色々文章変えちゃったから…(^^;) 2005/08/15 22:28
Marinche
楓花ちゃん、お早いお着きで(*^_^*) 勇俊を普通の男にしてしまうエルマ…、日本的な凛とした女性をイメージしています。 2005/08/15 22:24
楓花
いつも、素敵な心の描写をされるMarinchさん、もしかして、ご自身もこんな経験あり!?なのでしょうか^^。 2005/08/15 22:18
楓花
グラマラスな小悪魔みたいな感じかな?勇俊の心の中にちょっと触れられたような丁寧に書かれた文章ですね。 2005/08/15 22:15
楓花
完璧な男、勇俊も愛する人の事となると、普通の男性に戻ってしまうんですね、エルマってどんな女性なんだろう? 2005/08/15 22:10
楓花
いっちば~ん^^。Marincheさん、こんばんは。楽しみにしてました。 2005/08/15 22:05
 
 

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