さすがにjoonは、パーカーのフードははずしていた。
教室の後ろのほうには、保護者と園児の祖父母が所狭しとたくさん並んでいる。若干祖母のほうが多い。それもみんなきれいである。
レイとjoonは、どんどんあとから来た人に押されて隣の人とすごく密着している。後ろの人もすごい密着度です。レイは、joonを守るようにくっついていた。
「おはようございます。今日は、幼稚園の御友達のお父さん、お母さん、そしておじいちゃま、おばあちゃまがたくさん見えています。後ろを向いてご挨拶をしましょう。」
子供たちは立ち上がり、後ろに向きを変え、代表のナヨンが挨拶を始めました。
「お父さん、お母さん、今日は、私たちの幼稚園へようこそおいでくださいました。今日は、最後まで私たちの活躍を見ていってください。そして応援してください。」
ナヨンは、joonに向かって小さく手を振った。振り方もパパとそっくりである。手首だけ立てて小首を傾げて手をふっていた。
joonも同じように手を小さく振って、うんうんと頷いていた。でも、サングラスとマスクをしている怪しい人です。もちろん、ジョンもパパと同じように手を小さく振っていました。
1時間は、あっという間に過ぎてしまい参観日終了となりました。
保護者は、子供たちと一緒に帰り始めました。
joonは、何かいつもと違うと思いはじめました。誰も僕だと気がつかないと思い、ホクホク顔です。joonの周りにいたパパたちは、冷や汗だったのも知らずにjoonはマスクを取り、サングラスをはずしてしまいました。
お母さんや、マダムたちには、サプライズです。こんなに身近でjoonに合えることはないですから・・・・。でも園長先生との約束があるのでみんな手も振りません。声も出しません。遠巻きに横目でチラッと見るのが精一杯です。
joonは、軽く会釈をして教室を出て行きました。
「あの人、テレビに出ている人だよ。ママ。」
と園児の一人が言い出しました。でも、ママに急いで手を引かれ出て行きました。
joonが出て行った後は、皆さんの想像通り、大騒ぎ。手を取り合って喜ぶ人、泣き出す人、大きな声で素敵と言っていました。
joonは、また怪しい人になってママチャリで急いで家に帰りました。
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