joonがサインを書いている頃、レイは、家で園長先生や先生たちに礼状を書いていた。保護者や園児の祖父母にも書いていた。
「じつは、私も家族です。ぜひ、名前入りのサインを1枚頂けないでしょうか?」
「よろこんで。」
とレイは園長先生と約束をしていた。
その夜 joonとレイの家では、チヂミパーティをしていた。joonも早く帰ってきて、久しぶりの家族団らんである。joonは、ジョンとナヨンの世話をしつこいくらいやいていた。アサリの酒蒸しは、全部貝からはずしてしまっていた。
「この方が食べやすいよ。」
レイはホントにもう、それはいらないおせっかいというものですと思いながらも微笑が絶えなかった。
ジョンとナヨンの口の中へチヂミを次から次へと入れるから、もうジョンもナヨンもいらないという顔をしていた。
レイの口にも
「あ~んして。」
とチヂミを運んでくる。
「joonも食べたら?」
「ウン、僕も食べるよ。でも、レイや子供たちの顔を見ているとついね。
きょうの父親参観日大作戦の成功を祝って乾杯。」
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