夏休みに上海に行きます。 上海には、もう何度も遊びに行っているのですが、 そこで必ず食べるものがあります。 小龍包です。 豫園にある南翔饅頭店というお店の小龍包は とってもジュースィーでほっぺたおっこちます。
まだ目尻にしわもなく、髪の毛もふっさりしていて、 痛風でもないし、健康診断で“再検査”の評価もされていないし、 白目の部分が黄ばんでいないし、 何度シャワーを浴びても消えない加齢臭もしていなかった若かりしころ アジアを旅行した経験があります。
アジアの美食を日本に伝えようと、 希望を持って未開の地に足を踏み入れた私でしたが、 それは苦難の連続でした。 ときには槍を持った人たちにめった突きにされ、 身ぐるみをはがされたのち辱めを受けたこともありました。
「もう日本に帰ろう。帰って吉野屋に行こう」 そう思い、最後の地として選んだ上海で、 たまたま入ったお店が南翔饅頭店でした。
「どうせ普通の小さめ肉まんだろう」 身ぐるみをはがされ、アジアに絶望していた私は そんなやさぐれた気持ちで 秘所を隠していた右手を蒸籠に伸ばしました。
「あつい!」 一口食べ、そう思いました。 それから序々に「おいしいな」と感じました。
小龍包は、私のアジアおいしいものランキング第4位です。
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