ラビリンス-過去への旅-3.時空を超えて
「笑わないって約束する?」 ドンヒョクが突然、ジニョンに振り向いて言った。
「な・・何?・・」 ジニョンは慌てて涙を拭った。
「昔・・・この同じ空の何処かに君がいる・・そう想うとね 時間を駆け戻りたくて仕方なかった・・ もしかしたら叶うかもしれないって・・ この川沿いを思い切り走ってみたことがある。」
ドンヒョクは笑い話でもするような言い方でそう言った。
「私も・・・」 「・・・え・・」
「私も・・・戻りたかった。」
突然ジニョンが真顔で返したのでドンヒョクは戸惑い、口を噤んだ。
三話は、ドンヒョクがmirageの中でジニョンを置き去りにした後悔の念と 彼女を10年間思い続けた苦しみの告白の回です ふたりの台詞をひとことひとこと、互いを思いやる気持で書きました
彼がホテル専門のM&Aになった理由もジニョンであったわけで、 ホテリアー本編をドンヒョク主人公と化して作ったpassionに繋がります
この回のラストの舞台は「パラティーノの丘」 古代ローマの歴史へと、本当に時を遡らせる気にさせてくれる場所です その場所にドンヒョクとジニョンを立たせ、ジニョンを後ろから抱いたドンヒョクの ふたりの立ち姿を想像して書いたシーンです^^
因みに現場は観光客で賑わい、ふたりが夢のように立つことは難しいかと(笑)
2012.7.17 kurumi
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