ラビリンス-過去への旅-5.ボディーガード
ジニョンは怒っていた。
≪それじゃ。って・・・キスのひとつくらいしない?≫ 彼女はドンヒョクが消えたドアをもう一度激しく睨みつけたかと思うと、 今入って来たばかりの部屋のドアを憤然と押し開けた。 そして、怒り心頭の顔付きで廊下を突き進み、つい今しがたやっと 上って来た螺旋階段を恨めしそうに眺め下ろしながら、無言で下り始めた。
途中、ドンヒョクに対する余りの腹立たしさに、ジニョンは思わず 自分の髪をくしゃくしゃと掻いた。≪もう!≫
ジョアンはというと、そんな彼女の後を、こちらも無言で付いて下りていた。 ジニョンは二階に差し掛かった時やっと、自分を追って来る ジョアンの存在を思い出した。 螺旋階段のカーブで、横目に彼の不満げな表情を盗み見た時、 ジニョンは心の中で呟いた。≪私だって嫌なのよ!≫ ジョアンが彼女の視線に気が付いた瞬間、ジニョンはフンと顎を上げた。
ドンヒョクはジニョンのお目付け役として、部下のジョアンを付けます しかしドンヒョクとの仕事で活躍したいジョアンはそのことを快く思っておらず、 ジニョンに対して最初は無愛想に振舞っています
ジニョンもまた、ドンヒョクに新婚早々邪険にされていることに腹を立て 無愛想なジョアンにも最初は八つ当たり的な態度を取ってしまいます
この回で登場したジョアン、そしてミンア、私の創作を読んで下さっている方には お馴染みのキャラクターです^^ 創作「こいびと」の中で、再会のあの日まで逢えないドンヒョクに代わり ジニョンを陰ながら守り、ドンヒョクとジニョンとの心の橋渡しの役目を担ってくれるのがミンア そして、そのミンアと共にジニョンを敵の手から守るべく派遣されるのがジョアン
今回も彼らのその性格をそのままに、このラビリンスではここで初めて ジニョンと出会った想定で登場させました^^ 大好きなキャラだったので^^
というわけで、ジニョンのボディーガードとなったジョアン、 結果的にジニョンの奔放さに振り回されることになりますが、ドンヒョクとしては 何としてもジニョンを守らせたい一心で、職権乱用したわけです^^
2012.7.17 kurumi
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