ラビリンス-過去への旅-6.置き去り
フィレンツェのドンヒョクのアパートは川を渡って車で5分ほど走った 小高い丘にあった。 五階建ての小さな建物の前まで来ると、ジョアンはそのガレージの扉を 車の中から自動で開けた。 扉が半分程開いた時にはジョアンは既に車を中へと進入させ、 車が入り切ると同時に、その扉は入る時と同様に自動で閉められた。 同時に明かりが灯り、そこが数台分の駐車スペースであることがわかった。
ジョアンは車を降り、ジニョンの方のドアを開けるために急いで回った。 「ありがとう」 ジニョンは礼を言って、車から出た。
「ではご案内します」 そう言ってジョアンはエレベーターに向かった。 「ここはエレベーターがあるのね」 ジニョンはそう言って笑った。
「外観は古い建物ですが、中はかなり近代的に改築されています」 ジョアンはエレベーターにカードを差し込み、扉を開けると、 まずジニョンを中へ入れ、後から自分が入ると、五階のボタンを押した。
ドンヒョクの事務所は「大聖堂(ドゥオーモ)」から徒歩数分のところに設定しました そして、ドンヒョクの住居はそこから車で10分程度のミケランジェロ広場近くの丘という 設定にしましたが、実際のところ、そのような建物はありませんでした(笑) とにかく、想像で窓からアルノ川が眺められ、大聖堂、ヴェッキオ橋が見下ろせる景色の建物を想定
事務所がエレベーターも無い歴史的な建築物なので、住居は一転して、 概観は歴史的な風合いを残しつつ、内装は近代的でNYのドンヒョクのイメージを表現^^
私は物語を書く時に、その登場人物が住む家は、実際に住んでいることを想定して 見取り図を描いたりもします^^ ですから、私の創作の中のドンヒョクが住んだ家はすべて、動線も意識して書きますので、 ちゃんと住めます(笑)
2012.7.17 kurumi
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