ラビリンス-過去への旅-9.ミラノへの途
「フランク・・・あなたに話しておきたいことがあるの」
エマにはドンヒョクに、話したい大事なことがあった。 それは、どうしても話さなければならないことだった。
彼にはそれがわかっていた。 しかし、彼はそれを無視し続けていた。いや拒絶していた。
「5年前のことなら・・・聞く必要は無い。」 ドンヒョクはエレベーターのドアが開くと同時に、そう言い残すと、 その場を去った。 エマは結局、胸の閊えを取り除くことを許されないまま、彼の後を 追うしかなかった。
5年前のことなら・・・
実はこの時、私の頭の中で、5年前に何が、どのようにして起き、そのことに エマがどのように関わっていたのか、何も決まっていませんでした(笑) もっと言えば、この頃までは私の頭の中のルカは女の子でした^^;
まあ、いい加減^^とお思いでしょうが・・・そんなもんです^^; 何せ素人ですから^^;
「ジニョンさんはここでどんなお仕事を?」 ルカはジニョンに向かって、首を傾げ、満面の笑顔でそう聞いた。 ルカは頼みの綱が彼女であることを直感で悟っていた。 その為に彼女に取り入ろうとしているのだと、ジョアンは疑っていた。
「その人は・・」 ジョアンが口を挟んだ。 「ああ。私はね、ジョアンの助手なの」 ジニョンはすかさず答えた。
「じゃあ、私と同じですね。」
「君とは違う。」 ジョアンが思わずパソコンから顔を上げた。 「そう、同じよ。私も知り合いの伝で、ここで働かせてもらってるの」
ジョアンはジニョンが適当なことを言っているので、呆れてしまった。 ≪まったく・・ジニョンssi≫ しかしジニョンがボスである“フランク・シン”の妻だということを、 余り吹聴したくないと考えたジョアンはジニョンの話に合わせることにした。
ルカの出現で、ジニョンは弾みで「ジョアンの助手」と答えたのですが、 間違いなく彼女は面白がっていました^^ ドンヒョクから置き去りにされた不満と不安も、ジョアンとの掛け合いが 和らげてくれたのも事実だと思います。 それにドンヒョクに隠れて行動を起こすことがスリルでもあり、ドンヒョクへの罪悪感をも 払拭してくれるような気がしていたはずです^^
2012.7.20 kurumi |