ラビリンス-過去への旅-12.警告
ジニョンはコーヒーを片手に、カーテンを開けた。
窓の向こうは、狭い道路を挟んで建つビルの壁面が視界を阻んでいる。 しかしイタリアの街というのは、それだけでも風情を醸し出すものだと、 彼女は微笑んだ。 彼女は昨夜のドンヒョクからの電話に、充分に応じられなかったことを 少し悔いていた。 『逢えなくて寂しいって・・言わないの?』 ≪・・・わかってるじゃない・・・バカ・・・≫ 今この時も、2ブロック先のホテルにはドンヒョクがいる。 ≪今すぐに・・・私がドアをノックしたら・・・どんな顔をする?ドンヒョクssi≫ やってみれば良かったのに^^と思いながら書いておりました(笑) 私がさせてないのに^^;
「ええ・・いいお天気ですよ、気持ちいいです、とても」 ルカは肩に掛けたタオルで額の汗を拭きながら、そう言った。
「旅先でも運動を?」
「ええ・・いつものスタイルですから・・私の」
「スタイル?」
「ええ・・・どうかなさいました?」
「ふふ、ちょっとね・・あなたと同じこと言った人のこと思い出したの・・・ ・・・シャワー浴びてらっしゃいな」
きっと誰かの影響を受けていたのでしょうが、この時はまだそんなことは 想像もつきません^^ この辺からはルカは男の子になってました(笑)
ジニョンは思っていた。 何よりも、ソウルホテルの存在が、ドンヒョクの負担になって欲しくないと。 誰が何と言おうと、彼はホテルに係わるすべての人達の為に ホテルを守ってくれたのだから。 その彼をホテルの為に窮地に追い込むことはできない。
「しかしジニョン、これ以上、フランクの仕事に係わるな。 これは警告だ。」 レイモンドが強い口調で言った。
「どうして?」
「どうして?どうしてもだ! 彼の仕事に首を突っ込むのはここまでにしておけ。いいな。 もしも聞かないようなら、すべてをフランクに密告するぞ。」 レイモンドはジニョンを脅すように言った。
にも係わらずジニョンはつい噴出してしまった。「密告って、レイ・・」
この回からレイモンドに登場してもらいました 彼はやはりドンヒョクとジニョンにとっての守護神とも言える人ですから どんな時もふたりを助けようと手を差し伸べてくれます 私の創作の中でも無くてはならない人になりました^^
kurumi 2012.7.26 |