ラビリンス-過去への旅-13.偽りの商談
ジュリアーノの言葉の途中で、レイモンドは彼の後ろに控えていた ひとりの女に視線を向けた。
「ああ、彼女は残念ながら・・・」 ジュリアーノがレイモンドの視線の先に気がつき、言いかけたが レイモンドはそれを無視して立ち上がり、その女に近づいたかと思うと、 突然彼女の顎をくいと持ち上げ言った。 「彼女をお借りしたい。」
「あの・・レ・・」 「シィー・・」 その女性が言いかけた時、レイモンドは歯と歯の間から微かに音を出して、 彼女の言葉を制した。
「それは困りましたな・・」 ジュリアーノが言葉を濁すと、レイモンドは冷たい眼差しで彼を横目に睨んだ。 「まあ、いいでしょう。二日だけでしたら。・・・Ms.グレイス・・ パーキン氏に失礼の無いように。」 ジュリアーノはそう言った。
正直、彼はフランクを思いのままに操るためにもミンア・グレイスは まだ手元に置いておきたかった。 本当に手元に置きたいものが手に入るまでは。
レイモンドは早速動き出しました ジニョンが何やら怪しげな行動を取っていることを、警戒してのことだったが 敵地に近づくにも、用意周到に準備をし、怪しまれないように乗り込む レイモンドらしい動きを、楽しみながら書きました 「好きだなこの人」と思いながら(笑)
そして今回、レイモンドとミンアの絡みを多く書いてみようと、この回から 思うようになりました^^ 私の創作の読者の中で、以前、できるなら「レイモンドとジニョン」の 物語を書いて欲しいとおっしゃった人がいらっしゃいました 「ドンヒョク」という人物が存在しないのならそれも有りかなと思ったのですが 私の中では残念ながら、「レイモンドとジニョン」ではどうしても物語ができません そこに必ずドンヒョクがいるからです^^
kurumi 2012.7.27
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